名古屋の街を走り抜けた幻のSLあおなみ なぜ試運転でお蔵入りしてしまったのか

SLといえば地方の観光列車を思い浮かべると思います。しかし過去には、名古屋のど真ん中をSLが走る観光列車が計画されていたことはご存知でしょうか。今回はそれを紹介したいと思います。

甲種輸送がEL+DL+SL+客車という激レア編成

あおなみ線は名古屋駅から名古屋市港区の金城ふ頭駅を結ぶ名古屋臨海高速鉄道の路線です。街の中心を走るあおなみ線ですが、経営難を脱却すべくSLの運行を計画しました。主導したのは株を7割以上保有する名古屋市の河村たかし市長でした。名古屋を全国に情報発信するのも兼ねての計画でした。

運行区間は名古屋駅から途中の小本駅で、名古屋貨物ターミナルで折り返します。なぜ金城ふ頭駅までの全区間ではなかったのかというと、小本駅から先が機関車の重量に対応していないからです。

あおなみ線でSLを走らせるにあたり、JR西日本からC56と12系客車、そして最後尾に連結するDE10をレンタルしました。この車両は普段はSL北びわこ号を中心に運転しています。その甲種輸送が京都から名古屋で行われたのですが、JR東海区間を客車が走るのは富士はやぶさ以来でした。その上このような編成ですから甲種輸送も相当注目を集めました。

名古屋の市街地を走り抜けるSL

2013年2月13日~14日に関係者試乗会や試運転が、16日~17日には事前応募の一般向けSL実験走行が行われました。2日間のチケットに対して10万通もの応募があるほど大人気でした。市街地・ホームドア・高架等、SLには珍しい組み合わせで沿線にも多くの人が押し寄せ、車内からは手を振る乗客が見られました。

貸出拒否&近隣からの不評で二度と実現せず

実験走行の結果を受けて、名古屋市はSLを毎年運行させる方針を固めました。2015年度の関連予算を2000万円計上し、JR西日本ではなく大井川鐵道から車両を借りようと考えます。

そこで大井川鐵道に、車両にあおなみ線に対応するATSを技術的に設置できるかの調査を費用は名古屋市持ちで依頼しました。しかし大井川鐵道は取締役会で拒否することを決めました。あくまで調査の依頼であり貸与ではないのですが、協力して技術的に可能であるとわかれば貸与の流れができてしまいます。経営が苦しい大井川鐵道としてもライバルは増やしたくないということで、このような判断となりました。

また住民からの評判があまり良くなく、JR東海からも洗濯物が汚れると皮肉られたそうです。他にも人材確保など様々な課題があり、そもそも税金をここまで使ってやることかと疑問の声があがり、今後一切行われることがなく今に至ります。

今後行われる可能性も絶望的で、JR西日本のC56は引退してますし、大井川鐵道からは一切協力しないとされています。今はあおなみ線の経営はそこまで危うくないですし、上記の課題が解決できない限り難しいでしょう。

SLあおなみはかなり面白い列車だったので幻なってしまい少し残念ですね。

この記事は謎のチャンネル協力の元作成されました。動画の方も大変興味深いのでぜひご覧下さい。

気に入ったらシェアしよう!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です