今回は通常路面電車は種別がありませんが、なんと路面電車が急行運転を行い、しかも電車線と直通運転するという光景が見られる珍しい路線を紹介していきたいと思います。最高時速は70km/hでおそらく路面電車としては日本最速ではないでしょうか?
日本最速の路面電車は福井県のえちぜん鉄道と福井鉄道
今回紹介する日本最速の路面電車は福井県のえちぜん鉄道と福井鉄道の路線のうち、鷲塚針原~田原町間の間で路面電車が直通運転を行い、かつ急行運転を行うという全国でも珍しい路線です。同区間には「フェニックス田原町ライン」の愛称が付けられています。
路面電車が急行運転を行っていたといえば岐阜市内を走っていた名鉄美濃町線が急行運転を行っていましたが、現在は廃止されています。
路面電車の車両は2社がそれぞれ所有しているのも珍しい
面白いのはそれだけではありません。時刻表を見てみると時刻が黄色のものは路面電車の車両で運転されています。また、えちぜん鉄道所有の路面電車車両(キーボ)のマークが書かれています。
では、残りのキーボではないものはというと福井鉄道が所有しているフクラムという車両で運行されています。つまり、路面電車についても1社のものではなく、2社のものを使用しているというのもこれまた全国でも珍しい光景です。
電車が普通種別なのに路面電車は急行運転 種別が逆転
左側のMC6100形車両と比較しても車両の大きさは一目瞭然で、ホームについても路面電車用と電車用で高さが異なっています。また、路面電車が急行運転を行うのに対して、電車は普通列車として運転するため、路面電車の方が種別が上という点も面白いですね。
路面電車車両なのに約70km/h運転
路面電車規格の車両ですが、このように電車線内は70km/h程度で、全国的にもここまでスピードを出す車両はないでしょう。ちなみにえちぜん鉄道所有のキーボは設計速度が72km/hで作られています。
元名鉄美濃町線の車両も福井鉄道が現存
また、冒頭で名鉄美濃町線の話をしましたが、ここ福井鉄道に現存しています。形式は福井鉄道880形で元々の名鉄モ880形の形式番号をそのまま受け継いでいます。しかし、この形式は直通運転には使用されないため急行運転を行う姿が見れないのが少し残念ですね。
JR東海119系を改造した車両も現存 JNRのマークも
JR東海の飯田線で活躍した119系電車がえちぜん鉄道MC7000形として活躍していています。ただし、JR東海の119系電車とは機器類が異なり、従来の抵抗制御からVVVFに換装し、車内に設置されていたトイレは廃止されていて、パンタグラフについてもシングルアームに交換されているなどしています。
しかし、多くのものが交換されている中、国鉄時代からの扇風機は現存しておりその証拠に「JNR」のマークが残っています。JNRとはJapanese National Railwaysの頭文字をとったもので、日本国有鉄道(国鉄)でも活躍していた名残が今でも残っています。
もし、この記事を見て面白いと思った方は実際に福井に足を運んでいただき実際に福井鉄道とえちぜん鉄道にも乗車して頂けたら筆者としてもうれしく思います。最後に福井鉄道とえちぜん鉄道を乗車できるお得な切符の紹介です。
今回紹介した福井鉄道とえちぜん鉄道では1日1400円で、乗り放題になる1日フリー切符が発売されています。ただし、使用できるのは土日祝日のみとなっているほか三国花火大会の日には使用ができませんので注意が必要です。
今回の記事は鉄道系youtuberのがみさんに許可を頂き記事化を行っています。路面電車が駅を通過する光景など文章では伝わらなかった部分も収録されていますので是非ご覧ください。