今回は秋田新幹線「こまち号」がなぜ遅いのかについてまとめていきたいと思います。
各区間の最高速度についてもまとめています。
そもそも秋田新幹線「こまち」とはどんな列車?
そもそも秋田新幹線こまち号とはどんな列車でしょうか?
秋田新幹線こまちは東京~秋田までで運行している新幹線です。E6系新幹線が使用されています。
所要時間は4時間切りの3時間35分程度で結んでいます。
また、全席が指定で自由席はありません。
東京~盛岡間までの東北新幹線区間ではE5系新幹線「はやぶさ号」と連結をして320km/hで運転します。
盛岡で「はやぶさ号」を切り離し、盛岡から秋田までは単独で運転を行います。
こまち号の最高速度はどうなっているのでしょうか?最高速度について見ていきましょう。
各区間の最高速度・スピードは次の通りです。
高速運転は東京~盛岡のみ
最高速度 320km/h
https://www.jreast.co.jp/train/shinkan/e6.html
区間 | 最高速度 | 理由 |
東京~大宮 | 130km/h(110km/hから引き上げ) | 騒音対策・急カーブ |
大宮~宇都宮 | 275km/h | 住宅地が近いため |
宇都宮~盛岡 | 320km/h | 本気を出している最速区間 |
盛岡~秋田 | 130km/h | 在来線区間・山岳地帯を通過 |
東京~大宮間は130km/hでの運転、大宮~宇都宮は275km/hでの運転、宇都宮~盛岡間では320km/hでの運転が行われます。
これは東京~盛岡間がフル規格・新幹線規格で線路が建設されているためで高速運転が可能となっています。
しかしながら、盛岡~秋田間についてはどうでしょうか。
実は「新幹線」と名前はついていますが、高速運転をするとは限りません。
盛岡~秋田はノロノロ運転?!在来線特急扱い?
実は「秋田新幹線」区間である盛岡駅~秋田間はノロノロ運転をする区間もあり、「秋田新幹線遅い」と感じる人が多いきっかけとなっています。
秋田新幹線は「新幹線」と名前が付くものの実際には「在来線区間を走行」することとなっています。そのため、JR東日本の特急料金の体系でも「在来線特急」扱いとなっていて、最高速度が遅いことが分かるかと思います。
秋田新幹線が遅い理由はそれだけではありません。そのほかにはどんな事情があるでしょうか?
秋田新幹線が遅い理由は?一体なぜ?!
秋田新幹線が峠越えをする新幹線ということはご存じでしょうか?秋田新幹線は盛岡から田沢湖間で急カーブ・急勾配が連続する「仙岩峠」を通過しなくてはなりません。「仙岩峠」とは岩手県と秋田県の県境にある峠で交通の難所である奥羽山脈越えの区間となります。
この峠越えの区間では急カーブ・急勾配が連続するため速度を出すことができません。
最高速度は130km/hですが、車両性能の全ては発揮できない区間となっています。
またこの区間では列車によっては停車駅ではない駅に停車する列車もあり、「秋田新幹線遅い」と感じる人も多いようです。
一体なぜ、停車駅ではない駅に停車しなくてはならないのでしょうか?
それは「単線区間」にあります。単線とは上下線を1本の線路で運行することで、そのため、普通列車やこまちとの列車行き違いが必要となり停車駅にない駅で停車することがあります。
在来線区間は田沢湖線・奥羽本線区間の2つに分けられる
在来線区間は盛岡~大曲間の田沢湖線と奥羽本線の大曲~秋田間に分けることができます。
この区間のうち田沢湖線が先ほどの峠越えの区間、奥羽本線は比較的速度が出しやすい区間となっており、それぞれの区間を「在来線特急」として走行するため、秋田新幹線が遅く感じることが多いようです。
最高速度の引き上げも急勾配・急カーブが連続する区間があるため、難しいでしょう。
同じ理由で山形新幹線も遅い!
日本には二つのミニ新幹線が存在し、それは今回紹介した秋田新幹線と、山形までの新幹線である「山形新幹線」があります。
山形新幹線についてはこちらをご覧ください。
まとめ
秋田新幹線が遅い理由のまとめです。
- 秋田新幹線区間は盛岡~秋田
- 東北新幹線区間は盛岡~東京
- 東北新幹線区間では最高速度320km/h運転
- 秋田新幹線区間では最高速度130km/h運転
- 峠越えの区間や単線区間があるため遅い