JR西日本の一部の駅で時刻表が撤去されていることが、ネット上で話題になっています。不便だという声の他に、法令違反ではないかという指摘もあります。

乗換案内へのQRコードに置き換え

JR西日本の一部の駅ではホームに設置してある時刻表が撤去されています。代わりに駅情報や列車走行位置がわかるサイトへのQRコードが掲示されているのですが、使い勝手はあまり良くないそうです。例えば駅情報は時刻表や駅のバリアフリー状況がわかるのですが、JR西日本のサイトではないうえトップページが表示されるので、自分で駅名を入力しなければならないので手間がかかります。

おかしいと思った利用客が係員に問い合せたところ、JR西日本では共通のQRコードで駅名は自分で入力しなければならないとのことです。

このQRコード化は前から一部の駅ではありましたが、ダイヤ改正で数を増やしたため話題になったものと思われます。合わせてJR西日本お問い合わせセンターの電話番号が書かれていましたが、問い合わせが殺到したのか現在ではシールで隠されてしまっています。

またJR東日本の南武線の一部駅でも時刻表が廃止されています。ツイッターの情報によると、日本共産党の地方議員が八王子支社に異議を唱えたそうですが、却下され広告スペースとなったとのことです。

鉄道運輸規程違反なのか

時刻表が掲示されていないのは法令違反という指摘がいくつかありますが、どうなのでしょうか。

鉄道ハ停車場ニ当該停車場ヨリノ旅客運賃表及当該停車場ニ於ケル旅客列車ノ出発時刻表ノ摘要ヲ掲示スベシ

鉄道運輸規程第二章旅客運送第8条

鉄道運輸規程とは国土交通省所管の鉄道に関する法律である鉄道営業法の下位法令です。運賃やその他運送条件が定められています。

上記規程をわかりやすく要約すると「停車場(駅)には旅客運賃表と旅客列車の出発時刻表を掲示しなさい」ということです。

つまりQRコードは時刻表ではない、というのが法令違反だという根拠です。しかしこの規程は昭和17年の当時の鉄道省が定めたもので、最終改定が平成15年とはいえ時代に合わない部分もあります。そのため現代では発車標が時刻表の代わりとなる、という解釈もあります。筆者は法律家ではないので真相はわかりませんが、おそらく法令関連で問題となることはないでしょう。

スマートフォン所持が前提

撤去されて不便という声がある一方で、スマートフォンがあるので見る人は少ないという声も。確かに様々な乗換案内アプリがあり、そちらの方が便利だという人は多いと思います。しかし高齢者などのスマートフォンを使わない人や、通信制限やバッテリー切れを考慮すればあった方がいいとは思います。また時刻表には、アプリを開いて検索をしなくてもパッと見れる利点あります。

電子マネーなど電子化が進んでいますが、まだまだ追いついてはいないと思います。切符も当面は磁気券が消えることはないでしょうし、スマートフォン所持率も100%ではありません。公共交通機関なので誰でも便利に利用出来ることを目指すべきだと思います。

どういう意図かは定かではないですが、QRコード化は鉄道会社側が手を抜いたといった印象で利用客に丸投げ感は否めません。バリアフリーなど物理的なものもそうですが、システムといった目に見えないものにも配慮が必要なのではないでしょうか。

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はらぴー
はらぴー
4 年 前に

まあ『維持管理コスト削減の一環』といえばそうなんだけど、今回の場合で言えばQRコードを読めて、Web接続できる機器がないと時刻表が利用できないわけで、いくらコスト削減といえども、サービスダウンではなく(一部顧客とはいえ)サービス『停止』は流石にダメだと思うわけですが、間違ってますかね?

網干電車区
網干電車区
4 年 前に

コスト軽減とはいえ時刻表は貼り付けておくべき。JR西日本には利用者に対するサービス向上にもっと取り組んでいただきたい。

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