【緊急時に車掌不在】JR東日本が社運をかけた｢サフィール踊り子｣の酷すぎる実態

｢サフィール踊り子｣は今年のダイヤ改正で｢スーパービュー踊り子｣に置き換わる形でデビューした観光特急です。JR東日本が社運をかけて作ったと言われていますが、それにしてはいかがなものかという点がいくつかあったので筆者の体験談を紹介していきます。

いつまでも改善されないシステム

筆者自身、｢サフィール踊り子｣はJR東日本の特急の中では好きな部類に入ります。そのため、これから紹介する問題点はあくまで直した方が良いと思う点なので、決して嫌っているという訳ではありません。｢サフィール踊り子｣自体は上記の記事にまとめてあります。

こちらの記事で紹介した｢サフィールpay｣の重大な欠陥。現行のシステムでは誰でも指定した席に料理を注文出来てしまうため、第三者により勝手に自分の席に注文されていたということが起こり得ます。支払い方法として事前決済の他に乗車時の決済も可能なので、簡単にイタズラができてしまうのです。

この仕様はデビューしてから3ヶ月以上経ちますが一向に改善されません。JR東日本はandroid向けモバイルSuicaアプリだったりえきねっと等のユーザーインターフェースが不親切な傾向にあるとおもいます。

コロナとはいえサービスの著しい低下

新型コロナウイルス感染防止の為、サフィール踊り子ではカフェテリアと車内販売を休止していました。この時期に観光目当てに乗る人は少ないのでそれに関しては妥当な判断だと思います。実際乗客も少なく、筆者を含め単なる移動手段として使っている人が数えられる程度でした。1両丸々空いている車両もあり、個室とプレミアムグリーンに関しては1人も居ませんでした。

こういった状況なので、乗務員も気が緩んだのでしょうか。車内改札のために巡回している車掌が、端まで行くことなく、奥を覗き込んだかと思いきや途中で引き返してしまったのです。これには少々驚きました。前面展望だったので端の方に乗客が集中していたのですが、車掌に用事があり待っていた人が居たかも知れません。そういったことを考えずマニュアルとは違う対応をするのは、人が少ないし特急料金の取りこぼしさえなければ良いとでも思っているのでしょうか。少し厳しい言い方になりましたが、普通列車のグリーン車でもきちんと車端部まで行き、お辞儀をして戻るといったことを欠かすことはないので、サフィール踊り子がこれでいいのかとは思ってしまいます。

車内改札の件は偶然気が緩んでいた程度で済ませれると思います。しかし、1番驚いたことは車掌がカフェテリアでアテンダントと雑談に没頭していたことです。乗客も少なく駅間が長いため暇だったのでしょう。カフェテリアと通り抜けようとしたら、営業を休止していることをいいことに、カウンターに寄りかかって車掌がアテンダント2人と寛いでいる光景を目の当たりにしました。通路を通る際もこちらに関心はなく、話に夢中な様子でした。多少思うところはありましたが、安全上問題がないならと気にしないようにしようと思いましたが、この後ある出来事が起こりました。

踏切の障害物検知装置が作動し、列車が緊急停車しました。停車後直ちに運転士は車掌に連絡を試みブザー合図を送ります。しかし、応答はありません。直接その瞬間を見ていないので断言はできませんが、停車時も車掌がカフェテリアに居たので、応答が遅れたのでしょう。車掌室を空にするなとは言いませんし、それこそ車内巡回中にこういった事態が起これば仕方の無いことですが、今回は本来正当に業務を行っていれば起こり得ないことです。

さすがにサービスの質が低すぎると感じ、JR東日本に一連の出来事を説明し見解を求めたところ、今のような旨の返答がありました。

当該列車の車掌に確認を行ったところ、乗客が少なかったため気が緩み業務の話とはいえグリーンアテンダントと長く話し込んでしまい、車内改札も雑になってしまったとのこと。指導を行い本人も反省している。日頃から教育を行っているが、今回のような意見により行き届いていない部分があると痛感する。

驚いたのは非常に対応が誠実だった点です。JR東日本ホームページにあるお問い合わせフォームを使いました。返答がなかったりコピペ対応の可能性もあるとあまり期待をしていませんでしたが、問い合わせ内容をよく読み、事実確認をしっかりとする点には驚かされました。

今回の件は悪意があった訳ではないですし、なにか責めようとは思いませんが、サービスの現状と対処法の紹介ということで掲載しました。JR東日本のサービスの質関連の不評はほとんど社内教育でどうにかなると思います。今後に期待したいです。