JR東日本は複数路線での車両変更・ワンマン化で、首都圏の列車にこの数年で大きな変化が起こりそうです。今後の変化をプレスリリースや労働組合からの情報、関係者による非公開情報を元にまとめました。この情報は公式情報との整合性があり、信用性の非常に高いものとなっています。
人手不足ではなく単なるコストカットか
- 京浜東北線:E233系1000番台→E235系0番台
- 高崎線特急:651系→E259系
- 両毛,上越,信越,吾妻線:211系3000番台→E233系1000番台
- 八高線:キハ110系200番台→新型ハイブリッド車両
- 成田エクスプレス:E259系→新型車両
- 高崎支社所属機関車の全廃
- SLの今後の在り方の検討
上記の項目は既に記事でまとめてあるので詳しくはそちらをご確認ください。今回はそれ以外について紹介していきます。
まず千葉支社についてですが、こちらは新車が導入されることがプレスリリースで既に発表されています。ワンマンに対応した2両編成のE131系が2021年より房総(外房線上総一ノ宮以南、内房線君津以南)、鹿島線で導入されます。
また労働組合によると会社側が2024年以降、房総エリアに中編成(3両~6両)のワンマン対応のE233系を導入するとしています。番台について言及されていませんが、京浜東北線の新車導入が2024年とされているので1000番台で間違えないでしょう。
そうなってくると209系はどうなるのでしょうか。ワンマン化はあくまで日中で朝夕は従来通りであることと、E131系は209系を全て置き換えられるほど製造されません。
延期にはなってしまいましたが、東京オリンピックでの輸送力確保のため、209系10両編成が投入される予定です。よって来年新車が導入されてもすぐに姿を消すというわけではなさそうですが、老朽化が進んでいるので引退のカウンドダウンは始まっています。
ところが、千葉支社の労働組合はワンマン化に猛反発しています。会社が理由とする人手不足はコストカットに過ぎず、ZOZOタウンが時給を上げたら応募枠があっという間に埋まったことを例に指摘しています。
JR東日本の明らかな委託増加を背景に、会社は「鉄道業務はすべて別会社化し、低賃金にする」つもりだと批難しています運転士は約7千人、車掌は約6千人弱居る中大規模なワンマン化を進めれば大異動が起こり、職場環境の崩壊も危惧されています。
東京支社からも京浜東北線のワンマン化には反発があり、やはり雇用関係で不安になっています。緊急時の対応等、膨大な乗客を運転士1人で裁かなければならないのは酷だと思います。
水戸線のワンマン化は円滑に進行
水戸線小山~友部間、常磐線友部~勝田間でもワンマン化が進められており、今年8月からはハンドル訓練が行われます。またそれに伴う車両の変更はなくE531系5両編成にホーム検知装置や運転室に車載ホームモニタシステム(車両完結型)が整備されます。
千葉支社とは対極にワンマン化には、「地域交通を守るために、効率的な体制の構築にも取り組まなければならない」と積極的な姿勢です。運輸区の役割に変化がある訳ではないとし、地元住民の理解が得られていることからこの路線のワンマン化は問題なさそうです。ワンマン化は2020年度末としています。
最近になって急に浮上してきたワンマン化ですが、会社と現場の対立はさらに広がりそうです。メトロとかでもワンマン運転を行っていることから、不可能なことではなさそうですが、安全確保とサービスクオリティの維持、車掌の立場を充分守る必要がありそうです。