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鉄道車両は大体15~20年程度使用されると、車両に使用されている部品の老朽化や、時代に合ったニーズに対応させるために改造工事が行われる場合があります。

改造、大規模なリニューアル時に先頭車両の前面が変わることによって、例えば。東武30000系のように、大きく印象が変わった車両も中には存在します。

今回はそんな改造車の中でも、「見た目が新車同然」「電車でも顔整形があるのか」というくらい印象に残るものを5つ選んでみたので、簡単に解説してみました。

【初のステンレス】京成3500形とは?

京成3500形は、輸送力増強や青電などと呼ばれている750形などの置き換えを目的に製造された。
1972年から1982年にかけて製造され、4両編成24本の計96両が製造されています。

京成で初めて外板をステンレスとし、内部の骨組みは従来通りの普通鋼製としたセミステンレス車体を京成で初めて採用しました。

また、京成の通勤車両で初めて冷房装置を搭載した形式でもあります。

京成3500形 ステンレス車体採用 一体なぜ?

ちなみに3500形におけるセミステンレス車体の採用は、当時押上線の荒川橋梁や本線の江戸川橋梁の強度が不足していて、3300形までの普通鋼製車体に冷房装置を取り付けると、重量が限界を超えてしまう危険があったためだと言われています。

このため、1両辺りの重量はそれまでの車両より抑えることができましたが、後に江戸川橋梁の架け替えや、橋梁の強度向上が行われると、3300形以前の鋼製車両も冷房化が行われていました。

なお、後の方に作られた編成の一部については、試作的に骨組みなどもステンレス化したオールステンレス車体となっています。

【改造後】京成3500形は新車同様に

その3500形の改造工事はかなり大規模に行われたものでした。

更新車は前面の形状が大幅に変更され、窓周りの縁取りが大きくなり、灯具は下部に角型・横並びで配置され、従来尾灯と共用だった急行灯も、窓上への独立配置に変更されています。

更に貫通扉も大型の窓と種別表示幕を備える新品に交換され、下部には障害物対策でスカートが設置されています。

京成3500形の改造前・改造後の比較(未更新車・更新車)

その結果、見た目が大きく変化しました。

こうやって見比べてみると、かなり前面のスタイルが変わっているのが分かるのではないかと思います。

この他にも側面窓サッシの全面交換や、内装材の全面交換なども行っているほか、床下機器に着目すると直通先の一つである京急の乗り入れ規定に合わせる形で、先頭台車がそれまで付随台車だったものがモーターを搭載する電動台車になり、その代わりそれまで電動台車を装着していた先頭車連結面寄りの台車が、モーターを搭載しない付随台車となっています。

この更新工事はかなり本格的な更新工事であり、1996年3月から2001年3月までの5年間で3556編成以前の14本に施工されました。

その後に3560編成以降の10本も更新する予定だったが、鉄材の腐食が京成の予想以上に進んだ結果、更新コストが高額となり、更新工事を施工するよりも直接新型車両に置き換えた方が得策であると判断されたためにこの更新工事は途中で中止に・・・。

2003年から2017年にかけて3000形の大量導入によって、3300形以前の形式共々3500形の未更新車は全て廃車となっているほか、3500形の更新車についてもまだしばらくの活躍が見込まれるとは思うが、3600形や3400形の廃車と並行して1編成だけ廃車となっています。

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【新幹線に近い内装に】国鉄特急電車485系3000番台 「リニューアル485系」

1950年代半ば以降、国鉄は地方線区の電化では地上設備の低廉性などから交流電化を推進し、各地に直流電化方式との接続点となるデッドセクションが生じました。

さらに特急列車の運転区間が地方線区に拡大され、上述の異電源方式区間への直通運転要求に応えるために製造されたのが485系特急電車です。

485系に至るまでには1964年から関西と北陸・九州の直通用に直流1500Vと交流20000V・60Hz対応の481系が、1965年には関東と東北の直通用に直流1500Vと交流20000V・50Hz対応の483系電車が製造されていて、この2形式から1968年からは交流20000Vの対応周波数が50Hzと60Hzの両対応となった485系へと発展しています。

その中でも485系3000番台は、1996年から2001年にかけてJR東日本が1000番台を中心とした485系の一部に、大幅なリニューアル工事を施工した車両に附番された番台区分となっています。

内装は座席を含め全面的に交換されていて、接客設備はリニューアル当時の新幹線の新型車両であるE3系などに準じた仕様となっています。

改造前と改造後の485系比較

これは本当に485系なのかと疑いたくなるほど、接客設備が改善されているが、それは車外においても同様です。

側面に目を向けると外板の塗装デザインが変更されたり、側面の方向幕がLED化されたり、側窓が下方に若干拡大されたなどの変化があるが、最大の変化ポイントはやはり前面ではないでしょうか?

従来の運転台屋根部分をすべて撤去したうえで、新しい屋根に載せ替えたりなどし、更にライト類も形状から変更、更に前面の列車名表示器もLED化、その周囲にはFRP(強化プラスチック)で作られたマスクも装備し、そのマスク内上部にLED式のテールライトを配置されています。

その結果、「これは本当に国鉄時代に作られた」あの電気釜スタイルの485系なのかと疑いたくなるような、見事な変貌っぷりをしていています。

ちなみに青森地区にを走る3000番台と新潟地区を走る3000番台とでは塗装が異なる、前面窓横の雪切りの有無などが差異がありますが、元々青森で走っていて、のちに新潟に転属してきたR28編成については、新潟地区の塗装ながら先頭車が雪切りを装備しているという特徴を持っています。

そんな485系3000番台は青森地区及び新潟地区などで、特急白鳥やいなほなどを中心に走っていたが、老朽化の波には勝てず、現在はジョイフルトレイン「ジパング」に改造された電動車ユニット2両を除いて全て廃車・解体となっています。

新潟車両センター所属は「青緑色」、青森車両センターは「黄色」で「485系」と前面に書かれていました。

【ボロが新車同然に】東武8000系(未更新車・更新車)

8000系は沿線住民の増加や、老朽化が激しかった旧型車両の置き換え用として開発された。

8000系は1963年から1983年まで、約20年もの長期にわたって712両が製造両数が多いのが特徴ではないでしょうか?

同一系列での712両という数は、国鉄とJRを除いた私鉄電車では最多両数で、この記録を1970年代以来保持しています。

この両数の多さと長期にわたる製造期間から、ほぼ同時期の約20年間に3447両も製造された国鉄の103系と比較する形で「私鉄の103系」と呼ばれることもあります。

そのため4桁だけで車両番号が収まりきらず、5桁の車両番号を持つ編成も存在します。

しかし、東武8000系は、初期車両の製造から20年ほどが経過した頃、車体や車内の各部に痛みや老朽化が目立つようになったため、1986年度から車両の延命対策として、修繕工事を行うことになりました。

内装の総取替によるデザインの変更、側面の方向幕新設と方向幕を自動化するなどの改造を行いましたが、1986年度に修繕された編成に関しては、車両前面の「顔整形」は行われませんでした。

1987年から東武8000系は前面改造を実施(更新車)

翌年1987年度以降に修繕工事を施工した編成では、前面形状を先に登場していた6050系に準じたデザインに変更を実施しました。

更に1997年度以降に修繕工事を施工した編成では、方向幕のLED化や当時製造が続いていた30000系と同様のHID式ヘッドライトに変更するなどの仕様変更が行われました。

ここまで「整形」にされると側面の窓の見付などこそ8000系の面影があるが、前面を見た限りではぱっと見1986年度修繕工事施工車と、それ以降の修繕工事施工車とでは、もはや別形式なのではと思うような変貌っぷりがうかがえます。

そんな8000系ですが、2008年度以降編成単位での廃車が進んでおり、2020年現在は8000系174両に、8000系8両編成から中間車2両を引っこ抜き、3両編成化した800型・850型各15両ずつの計204両の在籍となっています。

東武8000系はローカル線区でワンマンで活躍も 東武10000系に置き換えられる運命

走行路線としては、東武宇都宮線など一部を除いたワンマン運転線区各線と野田線でのみとなっており、ワンマン運転線区各線においては10000系列転入によって置き換えられる可能性があります。

既に10000系列は2両2編成が桐生線・小泉線・佐野線へ転用されているほか、他の線区においてもワンマン運転対応改造を施した10000系列が転用される可能性は否定できず、先行きはあまり長いものと言えないでしょう。

また、野田線においても60000系の追加増備や、更なる10000系列の転用などによって置き換えられる可能性が否定できない状況となっています。

阪急7000・7300系 (7007×8R・7008×8R・7320×8R)

阪急7000系は先代6000系をベースに1980年から1988年までに210両が製造され、現在、阪急の電車の中で製造数が最も多い形式です。

そして7300系は、その7000系を京都線仕様に改め、車体幅、車体長及び機器類の変更を行った形式となる。

どちらも界磁チョッパ制御を採用した形式ですが、阪急のそれまでの慣例に倣って主要機器メーカーが7000系は東芝製、7300系は東洋電機製造製となっています。

そんな7000系についてだが、1998年に施工された7001×8Rより、更新工事が施工されることになり、最初は内装内張りの交換や車いすスペースの設置などから始まりました。

その工事内容は徐々にアップグレード。扉開閉予告チャイムの追加、車内LED式案内表示器の設置、ドアガラスの大型化、床材の模様変更、扉及び妻面の内張りがこげ茶色のものになったり、アルミ製鎧戸だった日よけをフリーストップ式カーテンへ変更、標識灯が白色のものになるなど、「これでもか」というくらい改造された車両です。

そして2008年に出場した、7300系初の更新工事を施工した7320×8Rからは、魔改造とも呼ぶべき大幅なリニューアル工事へとなったわけです。

内装はそれまでの施行内容に加えて内装内張りの色調変更、座席間への仕切り板増設、ドア上部液晶ディスプレイ式案内表示器の新設などが施行内容であるが、やはり目立つのは前面の大幅な改造です。

リニューアル後は大きく変貌した阪急7000系 「シュッとした」見た目に

なんということでしょう。リニューアル後は「シュッとした」かっこいいデザインの前面となりました。

貫通扉付近にはステンレス製の飾り板が取り付けられ、窓ガラスは上に拡大され、窓ガラス内に方向幕を収めた形となっていて、その方向幕は側面含めて全てフルカラーLED化されています。

また、テールライトと標識灯は9300系及び9000系に準じた形の一体型に変更され、貫通扉の窓ガラスは下に拡大、車両番号表記は貫通扉部分から左側、助手席側の窓下に変更され、下部には大型の足掛け板も設置されています。

原型の車両と改造後の車両を見比べてみると、こんなにも変わっていて、これは「まるで別形式」のようです。

そして同様のスタイルで7000系の7007×8Rが2009年に、7008×8Rが2010年にこのメニューでのリニューアル工事を施工したが、それ以降の編成のリニューアルでは、このような前面の大幅な改造は施工されず、車番の移設及び足掛け板の設置こそ途中からあれど、概ね原型スタイルの前面を保ったリニューアル工事が、2020年現在においても続けられています。

【ヨコハマネイビーブルー】相鉄10000系(未更新車・更新車)

相鉄10000系は、製造から30年近く経過し老朽化が進む2100系、新6000系、5000系および7000系の置き換えを目的に投入されました。

相鉄10000系の大きな特徴としては、導入コストの低減を図るためJR東日本のE231系とほぼ共通設計となったことが挙げられ、前面のデザインなど細かい設備を除いて、ほぼそのままE231系の設備を導入していることが特徴です。

相鉄10000系は2002年から2005年にかけて、10両編成2本と8両編成5本が製造された後、2007年に8000系8707×10の事故廃車補填分として10両編成が1本追加製造されています。

そんな10000系は相鉄のブランドアップを見据えた計画により、2020年よりリニューアル工事が開始されています。

リニューアル後の相鉄10000系(更新車)高級車に変貌

リニューアル後は10000系というよりは、その後に製造された11000系に近いような前面スタイルとなっているように見えます。

具体的なリニューアルの内容であるが、外部の方向幕を3色LED式のものから、前面は8000系や9000系のリニューアル車とほぼ同じフルカラーLED式のものへ交換。

側面もフルカラーLED式のものであるが、表示内容は12000系に準じたものとなっています。

また、改造前は運用番号表示部分と種別・行先表示部分で分かれていた表示器も、一体型のものに纏められています。

そして、印象を変えた一番強い要因として挙げられるのが、何よりもライト類の移設です。

従来の10000系では下部にあったライト類であるが、これを前面窓の上部に移設したのです。

8000系及び9000系では初めから上部に移設することを示唆するイメージがあったのに対して、10000系ではそれがなかったため、初めて10000系のライト類が上部に移設された姿を見た人たちは、衝撃を受けた人も多いのではないでしょうか?

また、車体に関してはステンレス地肌にブルーとイエローの帯が貼り付けられ、前面は銀色メインだったものが、「ヨコハマネイビーブルー」と呼ばれる紺色一色に変更されていて、これはラッピングではなく実際に塗装されています。

その一方で、内装に関してはそこまで手は加えられておらず、つり革・座席・ステッカー類の交換程度にとどまっているのが特徴です。

【ヨコハマネイビーブルー】相鉄8000系

他の例としては先に紹介した相鉄において、8000系及び9000系もかなり前面の印象が変わった車種の1つです。

8000系はこのような前面をしていたのが、リニューアル時にこのような前面に変更となっています。

元々テールライトは上部にあったことや、プレスリリースなどの要因もあってか、10000系程のインパクトは薄れてしまったかもしれませんね。

他にも前面がリニューアルなどの機会で大幅に変わって、まるで別形式かと思うような車種はたくさんあると思うので、是非コメント欄にて教えてくだされば幸いです。みなさんの思う車種をぜひコメント欄へお寄せください。

詳しい詳細についてはこちらの動画でも解説されていますのでご覧ください。

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