近鉄名古屋線の一部区間で制限速度が引き上げられていたことが分かりました。今回の速度向上工事は2019年内に行われたものと思われ、タイミング的にも新型名阪特急「ひのとり」導入に際して工事されたものと思われます。
他に速度向上した区間をご存じの方がいらっしゃいましたら、サイトにコメントしていただくか、またはTwitterで情報を募集しています。
※速度向上に関する工事がされたのは事実ですが、現段階で「ひのとり」との因果関係に裏が取れた話ではないので「うわさ」程度で見ていただけると幸いです。ただ、工事のタイミングや意図を考えると可能性は高いと考え、今回記事にしました。
※また、今回は近鉄を知っている人向けの内容になっています。近鉄を知らない人や一般人が見られていましたら、「ひのとりに合わせてスピードアップした可能性があるんだ。ふーん。」程度に見ていただければいいと思います。(アイキャッチ画像は近鉄より引用 https://www.kintetsu.co.jp/senden/hinotori/)
近鉄名古屋線 近鉄富田~川越富洲原間のカーブの通過速度が10km/hアップ
近鉄名古屋線の速度向上工事された区間の一部、近鉄富田~川越富洲原間の速度制限変更について紹介したいと思います。今回の速度向上工事で45km/hから55km/hに変更されました。
今回赤丸のATS照査から白丸のATS照査なしの制限に変わりました。これにより、運転時分が短縮されるほか、運転士さんの負担軽減になる可能性があります。
この区間は2018年ごろまでは45km/h制限で、同時に近鉄ATSによる速度照査があり、45km/h区間を抜けるまではATSによる制限がかかっていました。
※今回資料として近鉄名古屋線の運転シミュレーターの映像を使っていますが、撮影は2012年夏ごろと思われますが、他の前面展望の映像を調べた結果2018年まではこの制限は存在していたことが分かっています。(とはいえ、分かるのはアップロード日のみなので正確な日時はわからないです。参考程度に。)
運転士にとっては集中力を使う区間だった?(推測)
この区間の制限速度が上がった恩恵を受けたのは、運転士さんかもしれません。それはどういうことか説明していきます。
近鉄ATSは「1km/hオーバーで非常ブレーキ」がかかり、「日本一厳しいATS」と言われています。実はこの区間は近鉄名古屋側から近鉄富田へ走行するとATSが45km/hの制限がかかった状態で、下り坂に差し掛かります。
余裕をもって40km/h付近まで減速したとしても、下り勾配で46km/hになり運転士ATSを引っ掛けて非常ブレーキをかけてしまうということも、「もしかしたらあったかも」しれませんね。それが推測できるくらい運転士さんにとっては難しい区間だったと思います。
また、かつて45km/h前に80km/hのATS照査が存在しました。赤い丸なので、81km/hで地上子(線路と線路の間にある白い四角いやつ)を踏むと非常ブレーキがかかる仕組みになっています。これもギリギリまでブレーキを詰めたい運転士さんにとっては神経を使っていたかもしれません。
しかし、今回55km/hに変更後、現地で確認したところATS80km/hの速度照査は確認できなかったため、撤去されたものと思われます。(この区間の最高時速は90km/hだったと思うのであまり変わらないかもしれませんが、遅延時にはブレーキを詰めることができそうですね。)
その他の区間でも制限速度の変更があったようなので、情報を知っている方は是非教えてください。(Twitter)
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文中で紹介していた近鉄名古屋線のシミュレーターはこちらから(とてもよくできているので紹介しておきます。近鉄を深く知るきっかけになるかも?個人的には近鉄大阪線欲しかったのですが、発売終了してしまいました。)