JR各社では一度にまとめて買うことで1枚あたりの価格が定価より若干安くなる新幹線回数券を発売しています。金券ショップなどでよく売っており、場合によっては定価より大幅に安く買えたりします。新幹線回数券は特別企画乗車券という扱いで、通常の切符とは取り扱いが異なります。
制約が多く乗車変更や乗り越しは不可
新幹線回数券はJR東日本の場合指定席のみとなり、グリーン車やグランクラスに対しては特急券が無効となり乗車券のみ有効となります。つまり新幹線回数券でグリーン車に乗る場合は特急券ごと買いなおさなくてはいけないことになり非常にもったいないです。しかしある方法でグリーン車に指定席料金との差額で乗れてしまうのです。
車内で車掌に頼んで精算するだけ
窓口でグリーン車に乗りたいと言っても特急料金は無効になってしまいます。しかし、車内でグリーン車に移動し車掌に席の移動を申し出れば差額で乗れてしまうのです。車掌は定期的に巡回しているので車掌室に行かなくとも、グリーン車に座っていれば本来発売されていないことは車掌からわかるので、指定席券の確認を求められます。その時に指定席からグリーン車に移動したい旨を伝えれば処理してくれるので特に難しいことではありません。
例えば東京から仙台乗るとして乗車前にグリーン車に変更となると特急料金が無効になるのではやぶさの場合追加で9020円を払わなければなりません。そこまでするならグリーン車変更することはまずないでしょう。しかし車内で変更の場合差額ですから差額の3660円で済みます。
しかし規則上どうなのか疑問だと思います。窓口ではダメなのに車内では良いというのがグレーと思われがちですが、完全に規則に則った方法です。
車内における設備の変更で、自由席タイプは、自由席と指定席との差額をお支払いいただき、普通車指定席への変更ができます。また、指定席タイプ(普通車用)および自由席タイプは、所定のグリーン料金をお支払いいただき、グリーン車(個室は除く。)への変更ができます。(料金券のみのトクトクきっぷ、および駅プランタイプについてはこの取り扱いはいたしません。また、乗車後車内に余席があり、運輸上支障がない場合に限ります。)
JRおでかけネットより
JR東日本はホームページに記載がなく、係員へお尋ねくださいとのことなのでJR西日本が運営するおでかけネットから引用しました。JR東日本の窓口で確認を取りましたが基本的に取り扱いは同じでした。
トクトクきっぷ=特別企画乗車券について使用開始後の取り扱いという部分には上記のような説明があります。これによると自由席や指定席でも所定のグリーン料金を払えばグリーン車に変更できるということです。そういった取り扱いが規則として存在しているので、決してグリーン車に座ってるから仕方がなく差額精算という対応をしているわけではありません。
ただし規則にあるから無条件に変更できるのかというとそうではありません。あくまで車内に余席があり運輸上支障がない場合に限ります。車内では座席指定ができないため変更した段階では空席でも、後から座席指定をした乗客が来るかもしれません。トラブルにはならないにしろあまりいい思いはしません。
なので変更するにしても、よっぽど空席があり後から乗ってくる可能性が低い場合に限定しましょう。筆者が変更した時はグリーン車に乗客が数人といった時だったので車掌も快く処理してくれました。あくまで車掌の裁量で行えることなのでその点は十分注意した方がよさそうです。またグランクラスは軽食有りの場合準備があるのでやめておきましょう。
普通車の長旅に飽きてしまったり体が痛くなってしまったら、この方法を試してみてはいかがでしょうか。もちろん新幹線回数券に限らず、普通の特急券でも可能です。
なるほどいい方法…だけど車掌の処理時点で発券済にはならない?
→席の移動の可能性があるとすると嫌だな…
昔土日きっぷがある頃にこの方法で常磐線の特急のグリーン車に乗車しました。その時は疲れていて定価の3300円払っても良いからと思って乗車しましたが検札が来て車掌さんに土日きっぷなんですがと説明したら指定席との差額1490円請求で済んで得した気分でしたが、今さらながらこういう制度があるのかと納得しました。