今回は東京から大阪へ移動する際に、金沢に立ち寄ることができる奇策をご紹介します。

北陸新幹線を使って東京から大阪への移動ができる?

東京から大阪まで鉄道で行くなら、ほとんどの人は東海道新幹線を選ぶことでしょう。「のぞみ」なら2時間30分で東京と新大阪を結びます。出張のようにスピーディーな移動が求められる場合は東海道新幹線で往復するほうがよいでしょう。しかし、のんびり観光旅行をするのなら、北陸新幹線で大阪へ向かうのも悪くないのではないでしょうか?

「北陸新幹線はその名の通り、東京から北陸方面へ向かう列車で、大阪には程遠いではないか!」、とツッコミを入れたくなりますが、冗談を言っているわけではありません。

確かに、北陸新幹線で東京から大阪を移動するのは、遠回りです。ですが、東京―大阪間の往復に掛かる交通費にプラス数百円で金沢にも立ち寄ることができる。行きは立山連峰、帰りは富士山を車窓から見ることができる。そんな風に発想を転換してみてください。大阪旅の思い出作りに、金沢観光をプラスアルファなんていうのもなかなか乙なものですよね。

北陸新幹線で東京から大阪間で移動する方法

では、ここからは、東京―大阪間の往復にプラス数百円で金沢に立ち寄る方法について説明します。東京から大阪へ行く場合、ふつうは「東京―大阪間」の乗車券を2枚 (往復分) 購入します。ですが、今回ご紹介する裏ワザを使うためには「東京発、東京着の乗車券」を購入します。
何を言っているかよくわかりませんよね。詳しく説明します。

JRの乗車券は経路が重複せず、一筆書きの経路であれば、1枚の乗車券として発券されます。そのため、それらの条件に合致していれば、発着駅が同じでも問題ありません。今回の場合だと、東京から金沢まで北陸新幹線、その先は北陸線と湖西線で滋賀県の山科まで、山科からは東海道線で東京まで戻ると一筆書きが成立します。なお、山科駅は京都駅のひとつ東の駅です。そのため、山科―大阪間の足らない乗車券は別途購入しましょう。
そんなわけで、今回の旅で必要となる乗車券は3枚です。具体的には、東京発、東京着の乗車券と山科―大阪間の乗車券が往復分で2枚の合計3枚です。
もちろん、新幹線や特急列車を利用する場合にはこれとは別に特急券が必要となります。そちらも忘れないでくださいね。

ちなみに、この方法は北陸新幹線が開通して以降、マニアの間では人気となりました。そのため、JRの職員さんの間でも知れ渡っています。なので、切符を購入する際や改札を入出場する際にわざわざ煩わしい説明をしなくてもスムーズな対応をしてくれることがほとんどです。

 なお、この東京発、東京着の乗車券は途中下車ができます。途中下車とは、きっぷの有効区間内で改札を出る行為を指します。そのため、途中の金沢駅などで改札の外に出られます。
また、金沢から大阪へ移動する際には、さきほどの東京発、東京着の乗車券と足らずの山科―大阪間の乗車券の2枚を利用します。大阪駅で改札を出る際に、それらの2枚のきっぷを渡せば問題なく改札を通ることができます。1枚目の東京発、東京着のきっぷは途中山科で途中下車したとみなされます。そして、そこから2枚目の山科―大阪間のきっぷを利用したことになり、2枚目のきっぷは回収されます。
復路も同じように大阪―山科間の乗車券と東京発、東京着の乗車券を提示することで、問題なく東京へ帰ることができます。

東京大阪間の交通費比較

では、費用面を見ていきましょう。まず、東京と大阪を東海道新幹線で往復した場合 (のぞみ号指定席利用) で片道当たり14,720円です。そのため往復では×2の29,440円となります。
一方金沢を経由した場合は以下の通りです。まず、東京発、東京着の乗車券は14,080円です。そして、追加で購入した山科―大阪間の片道は860円です。これが往復必要なので2枚購入して1,720円です。そのため、乗車券の総額が15,800円です。ちなみに、東京―大阪間の乗車券は片道当たり8,910円ですので、往復だと17,820円です。乗車券だけ見ても2,200円の差が出ていますよね。JRの運賃は「遠距離逓減制度 (えんきょりていげんせいど) が採用されており、1枚のきっぷの区間が長くなるほど、1キロあたりの運賃が安くなるのです。

続いて特急券です。往路は北陸新幹線と特急「サンダーバード」を利用することになります。この場合、セットで同時購入すると乗継割引が適用されて安くなります。金沢駅で当日中に北陸新幹線から特急「サンダーバード」に乗り継げば、「サンダーバード」の特急料金が半額になります。料金は、東京―金沢間の北陸新幹線の特急券 (普通車指定席) が6,900円です。また、金沢―大阪間の特急「サンダーバード」 (普通車指定席) の特急券は乗継割引適用時で1,470円となります。そのため、往路の特急料金は8,370円となりました。また、復路の東海道新幹線 (のぞみ普通車指定席) は5,810円です。特急券と乗車券をすべて合計すると29,980円になります。東海道新幹線で往復する場合と比べて差額はたったの540円です。

この方法を使えば、東京―大阪間の往復にプラス540円で金沢に立ち寄ることができます。今回は先に金沢を経由するルートで紹介しましたが、逆ルートでも全く問題ありません。お好きな順番で観光を楽しんでください。

まとめ

今回は東京と大阪を往復する際に北陸新幹線を利用して金沢へ立ち寄るルートをご紹介しました。遠距離逓減制度を活用して距離の長い乗車券を購入することで、運賃を安く抑えることができます。そのため、往路と復路で経路を変えることで一筆書きを成立させてみましょう。そうすると、思いもよらない金沢観光といった副賞を手に入れることができますよ。

このほかにもJRのきっぷにはお得なルールがたくさんあります。
うまく活用して賢く旅をしましょう。

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