最近ニュースなどでもよく聞く「MaaS」という言葉。しかし、導入されたからといって公共交通機関で生活できるようになるかどうかは疑問です。今回はこれについて解説していきたいと思います。
MaaSとは何か?
MaaSとは「Mobility as a Service」の略で 「マース」と呼びます。
簡単に説明すれば、今まで鉄道やバス・タクシーといった交通手段を使うとき別々の料金で払ったものを、MaaSの導入でインターネットを通じて出発地点から到着地までの交通機関の料金をまとめて支払えることができるようになります。
現時点で導入にはJR東日本と小田急が名乗りを上げていて、計画についても公表されていますが、これから他の事業者も参入していくものと思われます。
しかしながら、現在公共交通が乗り放題になるという計画はありませんが、もし導入されたらどのようなメリットと課題があるのか考えてみました。
MaaS導入でできること
ルート検索と決済の一体化
想像しやすい例としては、Yahoo乗換検索のようなアプリを使ってその場でルートを検索し、電車・バス・タクシーなどの公共交通機関の運賃の決済が同時にできるようになり、この方法は現在JR東日本と小田急が検討しています。
また、小田急電鉄ではこれらの他に宿泊施設を同時に予約・決済できるようにすることも検討されています。
MaaSが導入されて公共交通機関が乗り放題のヘルシンキ市ではどんなことができるのか
MaaSが実際に導入されているヘルシンキ市では「Whim」というアプリを使って
- 鉄道・バスなどの公共交通
- シティバイク
- タクシー
- レンタカー
- カーシェアリング
の検索や決済ができるようになっています。
ただし、月額料金によって使える交通機関が異なってきます。
月額料金が日本円で約6000円場合、公共交通機関のみ乗り放題になっており、そのほかのサービスはタクシーとレンタカー割引価格で利用することができます。
月額料金が日本円で約6万円の場合、全てのサービスが乗り放題になります。
しかし、これらを日本で導入できるのでしょうか?
日本で公共交通機関を乗り放題にするのは可能か?
まだまだMaaS自体が研究段階ですが、筆者は可能だと考えています。
ここからは筆者の考えるMaaSの導入されたときの問題点と課題について解説していきたいと思います。ぜひ、皆さんも一緒に考えて頂けたら幸いです。
公共交通機関が乗り放題のMaaSの月額料金はいくらだったら車を持つより得なのか
一般的に言われている車の維持費(1台当たり)は以下の通りです。
一見すると車を買った方が安いと思われる方もいるかとは思いますが、この計算には車の車両代が入っていません。
なので、下の表に車を13年間使用したら買い替えるとして車の価格を月々の計算に上乗せします。※取得にかかる税金などは無視することにします
車両代(大体の値段で、一番安い車種を購入したと仮定)は
- SUZUKI ワゴンR(FA)108万円(月々7000円)
- マツダ デミオ(XD) 182万円(月々12000円)
- 日産セレナ 244万円(月々16000円)
- 三菱アウトランダー 267万円(月々16000円)
これに先ほどの表にある、燃料代などを足した月々の維持費は
- SUZUKI ワゴンR(FA)・・・14685円
- マツダ デミオ(XD)・・・23270円
- 日産セレナ・・・30645円
- 三菱アウトランダー・・・ 31255円
となるのでもし公共交通機関が乗り放題になるMaaSを導入するのであれば1か月あたり25000円~30000円前後なら多くの人が車から公共交通にシフトするかもしれませんね。
MaaSで公共交通機関が乗り放題になった場合のメリット
また、これらを会社や財政が一部または全部支給すれば、その分市民は貯蓄や買い物に回すことができますし、経済の活性化にはなるのではないでしょうか?特に車を2台持ちしている家庭に対しては効果が高いかもしれませんね。
現在の定期券の制度では記名した人のみしか使えませんから、子供のいる人に対しては小児運賃の他に中学生以上は学割定期券並みで使えると、安心して子育てをできるんじゃないでしょうか?
実は大阪(osaka metro・大阪シティバス)には公共交通が乗り放題になるMaaSに近いものがある?
実は大阪では、すでに地下鉄(osaka metro)とバス(大阪シティバス)が全線が利用できる「共通全線定期券」があります。
もしこれに各私鉄や阪堺電車(路面電車)などが月3万円程度で家族全員が乗れるようになれば、多くの人が公共交通機関を利用するようになるのではないでしょうか?
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