東武鉄道は2021年12月10日、ダイヤ改正を発表しました。今回のダイヤ改正は新型コロナウイルス感染拡大で、乗客の行動変化や需要減少に合わせたダイヤ改正が行われる形になっています。今回のダイヤ改正ではよくなる点はなく全体的に”ダイヤ改正ならぬダイヤ改悪”となっています。
【日光方面まで普通列車が不便に】日中の南栗橋行きが廃止・急行列車を普通に格下げし、所要時間が増加
今回のダイヤ改正で急行列車を乗り継いで東武日光方面へ行こうとしている方には悲報となるダイヤ改正となっており、日中の南栗橋行き急行列車が消滅、これにより所要時間が12分も増加するということになり不便になっています。
また、東武日光発においても今まで区間急行・急行として運転していた列車を上記にあるすべての列車が「普通列車に格下げ」となっています。普通列車に格下げになった影響で所要時間が10分~15分ほど拡大し、発車時刻が最大で30分繰り上げとなっています。
ローカル切り捨てへ ワンマン運転拡大・野岩鉄道・会津線直通廃止へ
東武日光線・宇都宮線・鬼怒川線では大幅なダイヤ改正が行われます。まず、ローカル各線(佐野線・小泉線も含む)で早朝深夜での運行本数の削減や一部路線で終電繰り上げが行われます。東武小泉線では異例の最大53分終電繰り上げが行われます。
乗務員の人件費削減のため、2022年3月のダイヤ改正からワンマン運転拡大が行われます。2021年12月現在東武宇都宮線に直通する列車のみ対象となっていますが、日光線・鬼怒川線の南栗橋~新藤原まで拡大されます。
また、特急列車や一部列車を除き、野岩鉄道・会津鉄道への直通運転を取りやめます。
【乗り得も改悪へ】東武特急リバティ無料が縮小 地元民には不便に
特急リバティを末端区間では特急券なしで乗車可能としていた制度が改悪されることが発表されました。現行では東武日光から下今市、下今市~会津田島まで特急料金無料とする制度が存在していました。
しかしながら、2022年3月のダイヤ改正から乗り得が改悪されます。下今市~東武日光までの特急券無料制度は廃止、下今市~鬼怒川温泉までの特急料金無料も廃止されます。ダイヤ改正後は鬼怒川温泉~会津田島までが特急料金無料の対象となります。
THライナーは夕方の時間帯の運行がシフト 深夜便は廃止に
東武鉄道ダイヤ改正2022ではTHライナーの夕方運行時間帯が1時間前倒しとなり、霞が関17時発を新設、深夜便の22時発を廃止にします。
東武鉄道は時差通勤・テレワーク等の働き方の多様化が進んだためとしています。
厳しい利用状況 朝ラッシュ・深夜利用が大幅減少
今回の新型コロナウイルスの影響で利用状況が大幅に変わっており、朝ラッシュの北千住駅は31%減少、22時以降の北千住駅65%減、太田駅69%減となっており苦しい状況が継続しています。そのため、今後もダイヤ改悪の傾向は維持される可能性があります。