鶴見線の海芝浦駅。
横浜市鶴見区末広町にある、鶴見線海芝浦支線の終着駅です。
関東の駅百選にも認定されている景色が素晴らしい駅ですが、独特の性格を有する駅でもあります。
首都圏の駅ながらホームから海(運河)を眺めることができるという立地から、通勤客のみならず観光客も多く訪れる海芝浦駅。
今回はそんな海芝浦駅の歴史などを紐解きながら、その魅力に迫っていきたいと思います。
鶴見線海芝浦駅とは
まずは、海芝浦駅の概要について調べてみました。
海芝浦駅は、1940年11月に開業した、鶴見線海芝浦支線の終着駅にあたる駅です。
駅ナンバリングはJI52。
東芝の前身である芝浦製作所と、この駅が海に接していることから「海芝浦」と名付けられました。
単式ホーム1面1線の駅で、ホームのすぐ横には海(田辺運河)が広がる、首都圏で最も海に近い駅です。
駅の出口は東芝エネルギーシステムズの京浜事業所入り口と直結しており、同社の従業員や入社許可証を持った人しか事業所に入ることができないため、一般の乗客は駅から出ることができません。
そのような立地の影響で、海芝浦駅に到着する列車は朝夕の通勤時間帯に集中しており、日中はあまり列車がやってこないのが特徴です。
ICカードの簡易改札機が設置されているので、下車した際には出場改札機にタッチして、帰る際には入場改札機に再びタッチする必要があります。
また、自動券売機やICカードチャージ機は設置されていないため、ICカードで下車予定の方は事前のチャージを忘れないようにしてください。
乗車券で乗車の際は乗車駅証明書発行機で乗車証明書を発行して、車内か下車駅で精算する必要があります。
トイレは男女別の水洗式ですが、バリアフリートイレは設置されていません。
駅の敷地内には「海芝公園」という公園があり、一般の乗客も公園内で休むことができます。
公園からは鶴見つばさ橋がよく見えるほか、遠くには横浜ベイブリッジも見える眺望の良さ。
ベンチなども設置されているため、カップルの隠れたデートスポットにもなっています。
開園時間は9時から20時半(元日のみ初日の出を見る乗客に対応するため始発列車到着時より開園)です。
先述の海に面した立地と改札外に出られず、電車に乗らないと到着できないという特殊な駅の性格からたびたびメディアに取り上げられ、観光客やカップルも多く訪れる首都圏の隠れた人気スポットとしての地位を確立しています。
Instagramで海芝浦駅を検索すると5,000件以上の写真がヒットするなど、フォトジェニックなスポットとしても人気なようです。
海芝浦駅についての前提知識がついたところで、次は海芝浦駅の歴史について学んでいきましょう。
海芝浦駅の歴史
ここからは、海芝浦駅の歴史について学んでいきましょう。
海芝浦駅は1940年11月1日、鶴見臨海鉄道の駅として開業しました。
当初から旅客営業のみで、貨物の営業はなかったようです。
1943年7月1日に鶴見臨海鉄道が国有化され、海芝浦駅は鉄道省鶴見線の駅となります。
1971年3月1日に無人駅化。
1987年4月1日、海芝浦駅は国鉄民営化に伴って東日本旅客鉄道(JR東日本)に承継されました。
2000年、関東の駅百選に選定されます。理由は「近くに鶴見つばさ橋、遠くに横浜ベイブリッジを望むことのできる景観抜群な海に一番近い駅」であることからなんだとか。
2002年3月22日にSuicaのサービスを開始。
2016年9月30日に自動券売機での切符の販売と、ICカードへのチャージサービスが終了となりました。
支線の終着駅ということもあって、鶴見線の駅の中では比較的遅くに開業した海芝浦駅ですが、現在では鶴見線の中でも屈指の人気駅となりました。
乗車人員は最後に公開されている2008年度で3,250人でしたが、前述の通り通勤利用と観光利用で平日・土休日共に一定の乗客がいることがわかります。
海のそばで景観がきれいなことで関東の駅百選にも認定されている海芝浦駅。
SNSの普及でその魅力が拡散されているため、今後も乗客は増えていくことが予想されます。
今後も目が離せない駅となりそうですね。
まとめ
鶴見線の海芝浦駅は、降りた瞬間誰もが「あ、いい」と思える魅力がある、素敵な駅だと思います。
電車の中や駅のホームから見える海と、ホームに降り立つと感じる潮の香り。
周りを見渡せば鶴見つばさ橋や工場群、開けた空が皆さんを待っています。
個人的には、冬の夕方に訪れるのがおすすめ。
澄んだ空気の中、夕焼けに染まる海と列車の組み合わせはなんとも素敵です。
横浜という大都会にありながら、非日常を体感できる不思議な立地が、多くの人を虜にする秘密なのではないでしょうか。
是非一度、訪れてみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。