近鉄1253系のVC60編成とVC53編成に「フルカラーLED」の方向幕が取りつけられた編成が近鉄線で運転されています。

近鉄の電車は古い車両が多く、方向幕と呼ばれる行先を表示するところには特急列車を含め、アナログの方向幕が多く使用されています。

しかし、近鉄の1253系VC60編成、VC53編成にはLEDの方向幕が取り付けられています。一体なぜでしょうか?実は目的がありました。

【フルカラーLED】近鉄1253系VC60編成・VC53編成

 

こちらが実際にLEDが取り付けられた近鉄1253系VC60編成・VC53編成です。

近鉄1253系というと1桁まで形式番号がついていてあまり慣れないかもしれませんが、1220系列の中で「路面清掃装置」がついている形式が近鉄1253系という形式となります。

確かに通常は方向幕がこの見た目の車両には多いですが、これらの編成にはフルカラーLEDが取り付けられているのが分かります。

なぜ近鉄はフルカラーLEDを設置したのでしょうか?

近鉄がフルカラーLEDを設置した理由は?

近鉄なぜフルカラーLEDをわざわざ導入したのでしょうか?それにはきちんとした理由がありました。

VC60編成はほかの車両にはない重要な役割があります。

それは軌道計測車という役割です。

軌道計測車と聞くとドクターイエローとかを思い出されると思います。

軌道計測車としても、営業列車としても利用できるこのVC60編成がこの役割を持っている関係で、近鉄名古屋線など名古屋側の路線のほかに近鉄大阪線・近鉄信貴線に定期的に入ることとなりました。

VC60編成は冨吉所属の編成で近鉄名古屋線を主に走っている列車ですが、軌道計測車として走る際には近鉄名古屋線側で編成の不足が発生し、高安所属の2両が代わりに名古屋側に入線するということになっていました。

通常大阪線系統で運転されている車両が名古屋線に入らなくてはならないということが、「フルカラーLED」を使用しているという理由になります。

以前は計測のため乗り入れ時は方向幕を交換していた

先述の通り、軌道計測車としてVC60編成が「トレード」される際は行先方向幕をわざわざ交換していたといいます。

その理由としては名古屋側と大阪側の行先方向幕が異なるということです。

それぞれ名古屋側に入る列車の行先方向幕がそれぞれ違うものとなっています。

近鉄で使われている行先方向幕は全部で4種類ありますが、そのうち2種類が今回のフルカラーLEDの取り付け理由となった原因があります。今回原因となったのは4種類のうち2種類です。

(1)大阪側の全車両と名古屋側の4両編成の急行系統の車両に使用されているもの、(2)名古屋側の3両編成・2両編成といった車両に使われているものです。

今回フルカラーLEDとなった1253系VC60編成とVC53編成はどちらも2両編成で、使用している行先方向幕は(2)の種類のものを搭載していました。(2)の種類の方向幕は「山越え」をしないことを前提にしているため、大阪側が行先となる方向幕がついていません。

そのため、先述のVC60編成が「トレード」となった際には行先方向幕を交換する必要がありました。その手間が面倒だったということもあり、継続的に今後も軌道計測車として走行する機会があるため、「フルカラーLED化」が行われたということになります。

【動向】近鉄フルカラーLEDは今後は?

結論から言うと近鉄フルカラーLEDが今後増えていく可能性は低いでしょう。全く増えないというわけではありませんが、近鉄で今運行している車両が全てLED化されていくというわけではありません。全て変えるとなると相当数ありますし、お金もそれなりにかかるので難しいのではないでしょうか?

恐らくですが、近鉄の性格的にも「古いものでも大切に使う」ということだと思いますので、特に行先方向幕を交換が必要ではない車両は今後もそのままなのではないでしょうか?

「名局」「大局」というのは非公式な名称?

余談ですが、近鉄では名古屋側と大阪側で運転系統や会社の部署が分かれていて、もはや別会社になっています。昔の近鉄部署では南大阪線・吉野線系統の路線が「天王寺営業局(天局)」、大阪線を中心とする天局以外の路線が「上本町営業局(上局)」、近鉄名古屋線を中心とする路線が「名古屋営業局(名局)」という3つの部署に分かれていました。

その後、近鉄は名古屋統括部、大阪統括部に変更となり、天局と上局が合併した形となります。

現在は近鉄で「名局」・「大局」という名称は使っておらず部署も存在しないため、非公式な名称となっていますが、単純に統括部というよりは、名古屋側を「名局」大阪側「大局」の方が言いやすいため、近鉄の鉄道ファンの間ではそう呼ばれています。

また、近鉄は日本最大の私鉄ネットワークを持つ路線で約630kmもの距離になります。単純に近鉄の持っている線路を全部繋げた場合、東京~西明石間よりも長い距離に相当します。この区間ではJRですらJR東日本・東海・西日本の3社に分かれるわけですから、路線規模がかなり大きいことが分かります。

また、近鉄は通勤車と特急車両で形式が多数存在するほか、元々別会社だったということもあり、「標準軌」「狭軌」の2種類の線路幅も持つ鉄道会社であることも、近鉄の鉄道ファンが多い理由ではないでしょうか?

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