2023年2月28日、北海道新聞は根室本線(富良野〜新得)について、沿線4市町村が3月上旬に首長会議を開く方向で調整していると報じました。
既に鉄路存続を断念しており、バス転換協議を行っている沿線自治体。代替バス路線や転換費用で大筋合意すれば、2023年3月中にJR北海道と鉄路廃止の正式合意の可能性が高まります。廃止時期は2024年4月向けて準備が進む見通しです。
関係者によると合意後にバスを新規購入した場合、納期は2023年秋以降が見込まれるとのこと。新規路線であれば試運転や乗務員の訓練機関などが必要で、23年度中のバス転換は難しい見方が強いです。
27日に開かれた南富良野町議会全員協議会では、廃線とバス転換について2023年度内の正式合意を目指し、遅くとも24年4月までにバス転換するとの見通しを提示。他の自治体からも23年度は困難といった声が出ているようです。
廃線後のバス路線については、2路線を組み合わせる以下の案が出ています。
北海道拓殖バス・十勝バス・道北バス3社が旭川〜帯広で1日3往復運行する、都市間バスノースライナーの狩勝峠経由を増便。現在停車していない国道38号沿いの落合駅(南富良野町)周辺で乗降可能にします。それに加え、ノースライナーが通らない国道247号沿いの金山地区(南富良野町)と富良野市街地を結ぶバス路線の拡充が検討されています。
根室本線は2016年8月末の台風10号で被災し、富良野〜東鹿越は鉄道により輸送されている一方、東鹿越〜新得ではバスによる代行輸送が続いています。6年半に渡って続いたJR北海道の代行バスも、路線廃止により運行を終える方向です。
一方で鉄道ファン的目線から言えば、この区間が廃止になることで最長片道切符のルートが変更になり、現在出発駅の稚内駅を通らなくなります。変更後は大村線竹松駅をスタート地点とし、道内に入った後は長万部駅から北海道を一周して、長万部駅がゴールです。
2022年秋の西九州新幹線開業でゴールが新大村駅になりましたが、1年半程度で発着地両方が変更になりそうです。