上下分離方式で負担額年4億円

2022年夏の豪雨被害以降、旅客列車が普通となっている蟹田〜三厩。JR津軽線の今後と地域交通のあり方などを検討する2回目の会議が、外ヶ浜町役場で開かれました。

JR東日本盛岡支社は、JR津軽線を維持するため沿線自治体や県が線路設備を保有する「上下分離方式」を採用した場合、負担額は4億円余りにのぼる可能性があるとの試算を示しました。

JR只見線

2022年10月に上下分離方式での復旧を果たしたJR只見線の場合、自治体負担額は年間3億円です。鉄路での復旧の場合従来どおりとは行かず、少なくとも上下分離方式での復旧が必要不可欠と予想されます。JR津軽線の方が被害が小さく復旧費用が抑えられるとは言え、これを負担しても維持する意味が見いだせるかが焦点です。

これに対し、県交通政策課の奥田昌範課長は「自治体の負担となれば住民への説明も必要となる。他の選択肢も提示してもらい、丁寧な説明をお願いしたい」としました。

JR東日本は今回の試算はあくまで一例だとしたうえで、ほかの選択肢についても具体的に検討を進める、利用者へのニーズ調査なども行っていくとしています。

代替交通が浸透

鉄道が運休中のJR津軽線、代行バスの他に乗合タクシー「わんタク」が代替輸送を担っています。

https://www.google.com/url?sa=t&source=web&rct=j&url=https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kikaku/kotsu/files/R4wantaxi.pdf&ved=2ahUKEwiI7u_rs739AhVO-WEKHcCyAK4QFnoECBMQAQ&usg=AOvVaw2dEv86Ldxoyz4yoZcFbEP9より

「わんタク」は蟹田・大平・今別・三厩の各エリアでオンデマンドで運行。津軽半島の観光地として名高い龍飛崎まで行くこともできます。

既存の公共交通機関として外ヶ浜町営バス(三厩駅~竜飛崎、蟹田駅~大平駅)や今別町巡回バス(奥津軽いまべつ駅~三厩駅)が運行されていますが、「わんタク」はこれらを補完する役割を担っています。

元々は2022年7月〜9月の実証実験を予定していましたが、JR津軽線(蟹田~三厩)が長期運休となり現在まで延長されてきました。JR東日本は実証実験をさらに1年延長すると発表しています。

2023年4月からは営業時間を、10~16時から9~17時へ2時間拡大。さらに、奥津軽いまべつ駅や蟹田駅で列車接続を考慮した「わんタク定時便」が1日3往復設定されます。

配車時間は10時から16時までの30分間隔で、運賃は500円。地域住民や「大人の休日倶楽部パス」「青春18きっぷ」利用者などは、割引の300円で利用可能です。

利用には事前に予約が必要で、Web予約は前日まで、電話予約は当日の乗車60分前までです。支払い方法はQRコード決済やクレジットカード、交通系ICカード(PiTaPa以外)が利用できます。

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