東武鉄道は、普通回数乗車券、時差回数乗車券、土・休日割引回数乗車券を9月30日をもって発売を終了し、10月1日から「トブポマイル」に移行します。
現行の普通回数券は券売機で購入でき、乗車区間の普通運賃10回分で11枚、時差回数券は10回分で12枚、土・休日割引乗車券については14枚分となり、3か月間有効です。それに対し、「トブポマイル」は、「TOBU POINT」に登録したモバイルPASMOとApple PayのPASMOのみの制度となります。
「トブポマイル」の制度について
「トブポマイル」は、「おでかけマイル」と「リピートマイル」の二つにわかれています。
「おでかけマイル」は、登録したPASMOで定期券区間外に乗車すると、運賃の3%のマイルが付与されるものです。
「リピートマイル」は、「おでかけマイル」に加えて、同一月内に同一運賃区間を繰り返し乗車するとたまるマイルです。同一運賃区間を8回以上の乗車で4%、16回以上で8%、24回以上で12%付加されます。全く異なる区間でも、北千住~草加、船橋~高柳、池袋~和光市(いずれもIC運賃251 円)のように、運賃が同じであればこの回数に換算されます。
この「トブポマイル」は、1マイル=1ポイントとしてTOBU POINTに交換するか、セブン銀行ATMで1マイル=1円としてPASMOにチャージすることができます。TOBU POINTは東武特急券や、東武グループの店舗での買い物に使用でき、また交換時に10%上乗せされるとのことです。
スマホのみでの制度になり、回数券のように複数人でのシェアが不可能になります。また、スマホのサービスであるのに、PASMOにチャージするには、アプリかWebでの申し込みのうえ、セブン銀行まで行かなければならないという点で、かなり面倒です。月に普通回数券一綴りを使用している人がトブポマイルに移行すると仮定すると、現在割引率は約10%弱です。これがトブポマイルになると、7回目までは3%、8~11回目が7%の割引ということになり、全体の割引率は約5%弱となります。
東武沿線の観光地やイベントへのおでかけで東武線を利用するとマイルがたまるキャンペーンの展開や、2022年春から、オフピーク乗車でマイルがたまる制度の開始などが予告されていますが、全体としてお得感の減少、手間の増加など、全体として改悪と言えましょう。なお、身体障がい者用回数乗車券、知的障がい者用回数乗車券、通学用割引回数乗車券は、引き続き発売されます。