JR東日本は、乗務点検時に乗務員が行っている酒気帯び確認を、賃金発生対象外に変更するとしました。突然の変更に労働組合からは不満の声があがっています。

国交省が定める業務なのに無賃金に

JR東日本輸送サービス労働組合より

JR東日本輸送サービス労働組合(JTSU-E)は、JR東日本で働く労働者のための労働組合です。組合によると会社側が突如、現行乗務点検で行われているアルコール検知器による酒気帯び確認を、職場で出勤確認をする時点に行うように変更するとのことです。

この酒気帯び確認は労働者が任意で行っているものではなく、国土交通省が定めていることです。問題なのは賃金の減少ではなく、現行の取り扱いからわざわざ反感を買うような様に変更ことです。

両者にとって数分の賃金を削ったところでそこまで大きな影響はありません。しかし、安全に関わる重要な業務を無賃金にしようとする会社の方針には疑問を抱きます。「出勤点検」から「出勤確認」と言葉を変えるのも不審な点ではあります。

以前に、自動車メーカーのスズキでも似たようなことがありました。始業前の約5分間に体操を行っていたのですが、賃金は払われていませんでした。会社は任意としていましたが、一部部署では事実上強制だったため労働基準監督署が是正勧告をし未払いの賃金が支払われました。

厚生労働省は労働時間を、「使用者の指揮命令下に置かれている時間であり、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たる」としています。またガイドラインにも「参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示により業務に必要な学習等を行っていた時間」は 労働時間として扱わなければならないとあります。

今回の場合、問題が大きくなれば労働基準監督署の立入検査も有り得るのではないでしょうか。

https://japan-railway.com/entry/2020/03/24/121047
0 0
Article Rating
申し込む
注目する
guest
0 Comments
インラインフィードバック
すべてのコメントを見る

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事