国土交通省から政府発行の旅行クーポン(通称Go To Travel・Eat・Eventキャンペーン)が県内向けでは7月下旬、県内をまたぐ移動に向けたクーポンが8月から検討されているが発表されました。
しかしながら、旅行者・宿泊業者・飲食店によっても問題を抱えている政府発行の旅行クーポン。筆者は今回の旅行クーポンには疑問を感じ、また果たして旅行クーポンに我々の税金が投入されていくのを黙ってみていていいのかという疑問を感じました。
今回の旅行クーポンは実は一部の宿泊施設・飲食店側にとっては恩恵を受けない所も出てきてしまうのではないかという懸念もあります。
一見、旅行者も宿泊施設・飲食店も喜べそうな「旅行クーポン」。一体何が問題なのかまとめていきます。
あくまで検討の段階のため今後政府の発表により内容が変わる可能性があります
政府発行の旅行クーポンは個人旅行には適用されない 宿泊業者より旅行業者が儲かる可能性も
今回約1兆7000億円を投じて行われるこのGoToキャンペーン。旅行者(消費者)にとっては知らないと損する仕組みになっており、分かりづらい仕組みになっています。
宿泊では最大50%、飲食・イベントでは20%還元されますが、最も恩恵を受けるのは宿泊施設や飲食店ではなく、予約サイトの仲介業者ではないかという見方もあります。
イベントクーポンに関して 大手は影響がないが中小の主催者にも影響 手数料による収益性悪化も懸念
イベントクーポンについては、ライブチケットを購入する際に「チケットぴあ」などの仲介業者を経由しないと実質購入ができないというのが一般的ということを記載しておりました。
例えば「いきものがかり」などの大手のアーティストのライブであれば、確かに「チケットぴあ」の仲介が原則であるというのも確かに事実ではあります。大手のライブにしか行ったことのない方では確かに、そういった印象を受けられると思います。
しかしながら、この記事を読んだ方から「中小の主催者だと、主催事務所へのメールでの予約が多い」「世界的アーティストの主催ライブでもメールで直接予約をしていることもある」との声を頂きました。
その方によると、「劇場などの事業者も、大手事業者のサイトに中間マージンばかり取られる構造」「ホテル・レストランと同じ構造になっている」ということをおっしゃっていました。
劇場や中小の主催者の中間マージンに関して理解が足りなかった点についてはお詫びして訂正いたします。
このあとの記事の中で「Go To Travel 各種クーポン」について、中間マージンが取られてしまう問題点があり、果たしてそれは本当に主催者・事業者側にとって良いことなのか、皆さんに考えて頂きたいと思っています。どういった中間マージンの取り方になっているのでしょうか?
旅行クーポン・飲食店クーポンについて、中間マージンなどの問題点を解説していきます。
旅行者(消費者)自ら主体的に動かないと損する仕組み 個人旅行は対象外
まず初めに知っておかないといけないのは、「個人で手配したものについては割引されない」という点です。
例えば、
- 新幹線に乗るための切符代
- 飛行機の航空券
- 自家用車で移動した場合の燃料代・高速料金
- 宿泊施設の公式ページから予約した宿泊(アパホテルでいえばアパ直は対象外)
以上は「個人で手配したもの」に該当し、今回のクーポンでは対象外です。
一体どういったものが対象になるのでしょうか?
例えば
- じゃらんなど旅行業者を介した宿泊の予約
- 旅行業者がパッケージ化した旅行プラン
- 旅行業者を介した航空券などの予約
このようになっており、おそらく一般の方が想像される「旅行」とは大きく異なっていると思います。
クーポンの対象になっているものについては全て「旅行業者」が間に入っていますが、これにはどういった意味があるのでしょうか?
宿泊業者にとっては旅行業者が介入すると利益を持っていかれてしまっている現状があります。それについて少し解説したいと思います。(送客手数料など知っている方は飛ばしてください)