和歌山県知事の「特急くろしお減便はJRの努力不足」という発言に考察してみる
本当に特急くろしお減便はJRの努力不足なのか。
- 和歌山県知事の「特急くろしお減便はJRの努力不足」という発言に考察してみる
- 最近こんな自治体多くないですか?
- 路線を維持しろと言ったり、特急を本数を減らすなと言ったり、新幹線の速達種別を止めたいとかいうだけ言って何もしない自治体に声を大きくして言いたい。
- 口を出し金を出さなかった結果
- 結論
そうではないと思う。
このツイートを見てもらいたい。
和歌山県知事が「特急くろしおの減便はJRの努力不足」と怒ったそうだけど、この結果は和歌山県の努力の賜物じゃないか。 pic.twitter.com/OoPTClytWp
— けんたろう (@ken_ta_rou) 2017年10月26日
ぐうの音も出ない正論である。
和歌山県が推進した高速道路がくろしおの乗客を奪っていっただけである。(もちろん人口減もあると思うが。)
グラフを見ると、1988年と比較して半分の輸送量になっている。
モータリゼーションを推進した和歌山県がJRの努力不足と発言するのはお門違いにもほどがあると思う。
県が鉄道に対して敵対する勢力に補助をしていて、いう言葉ではないと思う。
最近こんな自治体多くないですか?
夕張市「地域の公共交通機関守るために夕張線廃止を提案します」
札沼線沿線自治体「利用してはいないけど廃止すんな」
日高本線沿線自治体「金出さねぇけどJRの手で復旧しろ」
宗谷本線沿線自治体「旭川空港まで繋げ存続させよう」
夕張市以外これとかもうアレ
— kotori@太平洋フェリー (@ktr_11667f) 2017年10月31日
自治体に将来性がなく、人口減少に歯止めがかからなければ路線を廃止し、バス転換もやむを得ない。
国道は国によって維持されているから自治体は痛くも痒くもないから(災害時は除く)、鉄道は被害を受ければ鉄道事業者が修復するのは当たり前だと、きっと感覚が麻痺してしまっているのだろう。(国で災害時には補助金を出すなり、自治体が一定の負担をすべきだと思う。)
鉄道好きな筆者からすれば、悲しいことだが、鉄道の大きなメリットは高速大量輸送機関、安定した輸送(天候面に強い)があるが、特に北海道の自治体ではそれを果たせそうにない。
バスの輸送で間に合ってしまったり、車の保有率が高く鉄道が必要ない地域に鉄道は走る必要はない。
もし、自治体が観光資源として必要なのであれば自治体でお金を出すべきであろう。(只見線がその例の一つ。上下分離方式をとることで全線の復旧が決まっている。)
路線を維持しろと言ったり、特急を本数を減らすなと言ったり、新幹線の速達種別を止めたいとかいうだけ言って何もしない自治体に声を大きくして言いたい。
そんなことをいう自治体に言いたい。
とりあえず、口を出す前に金を出せ。
お金を出さないということは地域に本当は必要ないわがままであると言わざるを得ないと筆者は思う。
和歌山県知事の発言にしても、別に特急を廃止するとは言ってない。
JRとしてはこのまま赤字を垂れ流すより、減便して少しでも長く路線を維持しようとしているだけでJR側に全く非はない。
特急を本数減らすなというなら
- 高速道路と対抗できる所要時間になるように路線を改良する(高速化に必要な設備は自治体が持つ)
- 特急くろしおの利用促進
- 公共交通の利用促進
特急の本数を減らすなというなら、これくらいのことをするだけのお金くらい自治体が出してはどうだろうか。
そうすれば地域によるが車を持たなくてもいいだろうし、JRの利用促進につながるかもしれない。
口を出し金を出さなかった結果
口は出すが金を出さなかった結果が津山線で運転されていた「急行 つやま」である。
もともと鳥取方面に智頭急行線が開通するまでは津山線を経由し鳥取に抜ける、「急行 砂丘」が運転されていた。
その後、智頭急行線が開通し、岡山から鳥取に移動する場合智頭急行線がメインルートになり「急行 砂丘」は廃止になった。
それに伴い現在も走る「快速 ことぶき」に統合ざれる予定だった。
しかし、津山市は急行がなくなると地域がイメージダウンにつながるという理由で1往復のみ「急行 つやま」と名前を変えて岡山~智頭間で(しかし、2年後岡山~津山に短縮)存続。
結局、「急行 砂丘」のダイヤを流用した「快速 ことぶき」と「急行 つやま」が存在するという形になり、当然2列車の所要時間はほとんど変わらなかった。
晩年、「ぼったくり 急行」と揶揄され、寝台特急の消滅の影となり2009年ひっそり姿を消した。(日本最後の昼間定期急行列車だった)
このように自治体のわがままが誰も得しない状況を作り上げて10年間も存続させてしまった。
自治体もイメージダウンとは別に人口減少に歯止めがかかっていない。
たしか駅前の商店街はシャッターが多かった。(模型屋さんまだやってるかな)
結論
いい加減自治体の生産性のないわがままはやめるべきだ。
わがままを聞けば鉄道路線早々に鉄道の役目を終えるか、維持できなくなるだろう。
わがままを聞く前に鉄道会社は路線維持ができず、自治体でお金を出さなければ廃止になるくらい強気に出てもいいと思う。
もっと自治体は鉄道の恩恵についてもっと向き合うべきであると思う。
- 人口の維持
- 公共交通としての価値
- 悪天候時に最後に止まるのは大体鉄道
- 鉄道がなくなったらバスで代替できるか
- 鉄道があるから生まれる雇用
高速道路を発達させるのもよろしいが、鉄道が地域へどれくらい貢献しているのか、今一度考えてほしい。