新型E353系の登場で特急スーパーあずさは何が変わるか

新型のE353系が2017年12月登場するがそれによって何が変わるか?

かっこがきが無ければ基本的に全車両共通である。

分かりやすく言えば

  • 乗り心地が改善される
  • 車両動揺防止装置の設置(運転台直下の台車とグリーン車のみ)
  • バリアフリー化が従来の車両よりさらに進む。
  • 照明がLED化
  • コンセントの設置
  • 空気清浄機の設置
  • 可動式枕の設置
  • 防犯カメラの設置
  • AEDの設置
  • 個別機能調節機能付き空調装置
  • 非常通話装置客室内とすべての洋式トイレに設置
  • 列車案内装置のフルカラー化
  • 回生ブレーキが失効する状況でも発電ブレーキ併用によって安定的なブレーキ力が得られ乗り心地が改善される

 

※わかりやすいツイートがあったのでよかったら見てほしい。

 

車体傾斜が制御付き振り子式から空気ばねへ

車体傾斜が空気ばね式とするのはJRにとってはあまりしたくなかったかもしれない。

従来の制御付き振り子より乗り心地が良くなる半面、製造コストがかかる。

製造コストもかさむことながら、走行する中央本線に対してもコストがかかる。

 

 

 

空気ばねというのは圧縮空気だ。それを車体が傾くと消費して元の水平に戻るときに空気を元に戻す。

 

高尾までは比較的直線であまりカーブがない。

しかし、高尾から先、山岳地帯を走行しカーブが連続したり、車体が傾く機会が多いため、多くの圧縮空気を消費する。

 

結果として製造コストも高くつくし、ランニングコストも高くつくということになる。

 

それを導入して挫折した例がJR四国2600系''量産車''である。

JR四国2600系は量産先行車(2両編成が2編成4両)を14億円かけて製造したものの、同系列の量産を断念した。

2600系団体臨時列車 高徳線 吉成-勝瑞間にて

 

その原因はカーブの連続する区間で圧縮空気を確保できないからである。

その結果、今後製造する車両には従来の制御付き振り子式が導入されるということだ。

 

このようにE353系とJR四国2600系の電気とディーゼルでエネルギー源こそ違うものの、空気容量の確保に課題がきっとあったに違いない。

 

 

 

E353系によってE351系は置き換え、スーパーあずさは快適に

これによって2017年11月現在、2018年3月までにE351系をすべて置き換える。

将来的にはE257系も置き換える。

2017年12月23日で定期列車のE351系スーパーあずさ4往復8本を置き換える。

 2018年3月ダイヤ改正ですべて置き換えられました。

 

なお、高速化については2017年の現段階では発表されておらず、ダイヤは2018年3月まで現在のダイヤをそのまま流用する予定である。

 

また引き続き回数券やえきねっとでの割引切符は販売されるとのこと。

 

 

 

 

E353 series set S201 Kami-Suwa Station 20150729.JPG

2017年12月23日から導入されるE353系

 

ほんとに高速バス差別化・対抗できるのか

これに関してはかなり疑問である。

 

まず、新宿から松本について考えてみよう。

特急あずさ・スーパーあずさ

  • 通常運賃と特急券で6380円
  • えきねっとで4610円
  • グリーン車の割引はなし

https://imgcp.aacdn.jp/img-a/550/auto/aa/gm/article/4/5/8/0/7/5/800__122_computer-tablet-on-table1600.JPG

 

高速バス

  • 京王電鉄バス、アルピコ交通 3500円(コンセントなし
  • +1000円で3列シート、フットレストが付いてJRで言うならグリーン車並みの設備。さらに枕やスリッパ、ブランケットも付いてくる

http://www.keio-bus.com/common/images/highway/setsubi_03.jpg

 

http://www.keio-bus.com/common/images/highway/setsubi_04.jpg

 

これについて考えると高速バスで普通席乗っている人ならあずさを使おうと考える人がいるかもしれないが、+1000円でグリーン車並みの設備に乗っている人は間違いなくあずさは選ばないだろう。

逆に言えばあずさの料金でワンランク上の座席にグレードアップできることになる。

 

なかなか、対抗するには厳しいものがあるかもしれない

標準でコンセントが付いている、パソコンの置ける大きめのテーブルが強みを生かせるか今後が楽しみだ。

 逆に言えばレジャー需要は拾えないということになる。

拾えるといってもビジネス客だけになってしまう。

ビジネス客をターゲットとしてしまっているので仕方のない部分はあると思う。

 

最近のトレンドはプレミアムだ。

プレミアムであれば多少割高でも乗客はそれを選ぶ。

 

しかし、今回の場合コスパで考えると高速バスの方が上になってしまう。

プレミアム感を出すときに重要なのは乗客の割高感を上回らないことが大切だ。

今回の場合、高速バスのブレミアム感の方が価格面と共に優位に立つ。

 

となるとかなりの苦戦になるかもしれない。

ビジネス客をどれだけ取り込めるか、そこが重要だと思う。

 

高速バスは満席の場合臨時便を出すと言っている。。。

恐るべし。。。

 

 

 

JR東日本の立場から考える特急スーパーあずさの重要性

先述の通りかなり高コストな車両であると言えるだろう。

 

21世紀前半は普通列車を中心にコストカットに走って乗客から車内設備が乗客にとってかなり不評だっただけにらしくないと言えばらしくない。

 

ただ、JR東日本という会社は本当に分かりやすい。

儲かっているまたは競合している路線は新車を導入する。

儲かってなったり競合していない路線は中古車を導入する。

 

つまり、高速バスにすこし苦戦こそしているもののそこそこ採算が取れてる路線といえるだろう。

だから、高コストでも値上げしないかもしれない

逆にこれを機に全席指定席にして実質値上げになるかもしれない。

まだ決まった話ではないので分かりませんが。

 

いずれにせよ、JR東日本が本気で集客しようと思っているのは間違いないでしょう。

値段以上のものを提供してもらっている感じはするかもしれませんね。

実際に乗るのが楽しみです。

 

 

 

 

もしスーパーあずさを全席指定席にするなら座席未指定券は廃止すべき

全席指定の近鉄特急のように指定席が満席なら発売しない方式にすべきだと思う。

 

http://imadegawa.typepad.jp/.a/6a0120a637d95a970b01b7c7c176ae970b-600wi

 

 

座席未指定券とか作るから指定席と値段は同じなのに効力は自由席と同じだから、ぼったくりだと利用者に思われる。(割増料金が存在するからこんな特急券が誕生したかもしれない)

 

他の事業者では導入している例はないし、座席未指定券と同じものを発売する場合、本来は車内に飛び乗った特急券を持たない客に対して発売するものである。

 

さらにJRは事前購入と車内で購入した場合サービスが同じにもかかわらず、割り増し料金(一部罰金と言っている人もいる)とっているから、さらにぼったくりだという印象を利用客に与えてしまう。

 

 

 

筆者の個人的な感想で申し訳ないがもしスーパーあずさを全席指定にするのであれば、座席未指定券は廃止にすべきだと思う。

利用客は正当な対価を払っているわけだし、割増料金を取るべきではないと思う。

 

全席指定にすれば車掌さんが端末で誰がどこに座っているかもわかるわけですし、ちゃんとお金を払っている人からも満足感を得られますし、何らかの理由で飛び乗る人がいても割増料金をとらなければ「また利用しよう」って思うだろうし、車掌さんも笑顔で接客すれば乗客も「はい、そうですか」と言って料金を支払うだろうと思います。

 

JR特急は最寄りが止まらないので使ったことありませんので分かりませんが、少なくとも近鉄特急の時は検札の時に「ありがとうございます。」と言いながら車内検札したのは覚えていますし、まあ関西は接客よくて関東が悪いみたいな印象がついてしまうのはそういうところかなって思います。(買わないで飛び乗って特急券見せろって言われたらクレーム付けて料金踏み倒してしまう乗客がいるのも事実で、それに乗務員さんが疲れて愛想悪いと乗客が感じてしまう面をあるとは思います。乗務員さんが全員悪いと言っているわけではありません。)

 

近鉄特急についてはこちらから

 

www.japan-railway.com

 

 

 

これについてはいろいろな議論がありますのでコメント欄にご意見がありましたら書いていってください。

 

自由席を廃止して全席指定を導入した結果、スワローあかぎは閑古鳥が鳴き一部列車が運行取りやめになったのも記憶にあたらしい。

スワローあかぎの二の舞にならないとは思いますが(そもそも需要が違うからね)。

 

 

最後に

実を言うとコストカットに走った結果、座席固い座席が多かったりした車両を乗ったことがあるのでJR東日本の車両は好きではありません。(21世紀の車両に和式トイレを設置したり座席が石のようなシートだったり)

 

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しかし今回のような車両であれば乗りたいなと、ものづくりの観点からも面白いと思いましたし、製造に携わった方にはほんとに頭が下がります。

 

E351系が引退してしまうのは悲しいですが、非常に楽しみです。

皆さんも一度は乗ってみてはいかがだろうか。

 

編集部からお知らせです!

 

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こんなこと言っといてバス派
こんなこと言っといてバス派
6 年 前に

実は私は高速バスとの競合に関してはもうある程度棲み分けができているのではないかと考えています。民営化直後に特企券を切り札に激しい値下げ競争が行われましたが、結局現在は(割引率はそこそこの)回数券とトクだ値の二種類に落ち着いているわけですから。
つまり値下げによる直接の減収はバスからの転移による増収より大きかったということ。旅客の大多数は価格に反応して交通手段を選択するという行動はとらなかったのでは。もっと言えば、一本当たり輸送力は鉄道とバスで10倍近い開きがあるわけで、鉄道側からすれば小さいパイを取るために従来からの鉄道利用客にまで割引運賃を適用することは不合理だったのでは。
その結果がこの高性能車の投入vs快適性向上というサービス競争・差別化志向というトレンドなのではないでしょうか。
最も、こと運輸に関しては、JRは特急料金収入で地方路線を維持し、バス各社は高速線で地方の路線バスを維持するスキームができているわけで、何より今までより便利になるわけですから、(例え値下げが進まないとしても)サービス競争は大いに結構なことだと思いますが。

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