近鉄は公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「2020年度グッドデザイン・ベスト100」に選出されたことを発表しました。

グッドデザイン賞は2020年度の受賞件数は1395件ありますが、今回受賞したのは「グッドデザイン賞・ベスト100」で他業種を含めベスト100に選出されたことは「快挙」と言えるでしょう。

「ひのとり」は「くつろぎのアップグレード」をコンセプトに、日本で初めて全席にバックシェルを採用し、座席間隔を日本最大級とするなどお客さまの快適性を追求した特急車両で、観光特急しまかぜと並び「近鉄史に残る最高傑作の車両」といっても過言ではないのではないでしょうか?

新型名阪特急「ひのとり」がグッドデザイン賞100に選出された理由とは?

2019年度は西武鉄道の「ラビュー」が受賞していましたが、一体なぜ新型名阪特急「ひのとり」がベストデザイン100に選出されたのでしょうか?

今回グッドデザイン賞審査委員による評価コメントをここで紹介します。

グッドデザイン賞審査委員による評価コメント

近鉄特急は、都市間特急の新しいスタンダードを再定義したと言えよう。

都市間特急において乗客の多くは「寝る」。リクライニング座席を倒すと、その後ろの乗客が不快に思うことが多かった。

逆に気を使って、十分にリクライニングを倒すことができない乗客も多かった。

そんなきめ細かいニーズ分析から生まれたバックシェル座席が、全座席に展開されている。

そのぶん定員が減ったが、これは経営側も相当に覚悟しただろう。

近鉄は車両を30年以上、末永く大事に使い続ける会社だ。

長く飽きられない普遍的なデザインと空間、経営が一体になって、未来に向かって覚悟を決めたフラッグシップを高く評価したい。

今回の評価委員のコメントからも新型名阪特急「ひのとり」はこれまで従来の在来線特急にはない「寝れる都市間特急」として新しいスタンダードを定義したことが評価されていることが分かります。

近鉄は「ひのとり」導入で「安さの近鉄特急」から「プレミアム感」に転換

確かに大阪~名古屋の都市間移動では東海道新幹線が一番速く移動することができます。逆に言うと近鉄はスピード面では劣っているのは事実でしょう。

そのため、今までの名阪特急「アーバンライナー」では価格の安さを売りにすることが多く、割引切符も発売してきました。

しかしながら、今回の「ひのとり」では特急券のほかに「ひのとり特別車両料金」というのを設けて、大阪難波~近鉄名古屋を利用した場合、レギュラー車両で200円、プレミアム車両で900円が別途必要となっています。

導入当初は今まで「安さ」を売りにしていたことから、乗る人が減ってしまうのではないかという懸念もありました。

ですが、予想に反して大型のテーブルで作業をしたい「ビジネス客」、900円で味わえるグリーン車以上の「プレミアム感を求める人」の双方を取り込むことができ、特にプレミアムシートは連休を中心に連日満席になることも多いようです。

「ひのとり」は全席バックシェル構造となっていて、後ろの人を気にすることなる座席を倒すことができるのが他社にはない強みでしょう。

まだ2020年3月にデビューしたばかりの車両ですが、今後30年以上車両を大切に使うことをするのであれば、「古さを感じさせない」ということが今後の課題になってくるのではないでしょうか?

今後「ひのとり」がどういう評価を受けていくかも注目されます。

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