2021年3月15日から運行開始となる全席指定席特急「湘南」。特急湘南とはどんな列車なのか、停車駅・時刻表・ダイヤ・料金はどうなっているのかについてまとめました。
また、特急湘南に安く乗る方法もまとめました。
特急湘南とはどんな列車? 平日のみ運転・土休日は運休
特急湘南は東京・新宿~平塚・小田原間で運転される特急列車です。
今まで走っていた「湘南ライナー」「おはようライナー新宿」「ホームライナー小田原」の代わりに運転される列車となっています。ライナー券は520円で発売されており、グリーン車には普通列車グリーン車で乗車することができました。
しかしながら今回の「ライナー」から「特急」となることで、「ライナー券」から「特急券」に変更となります。また、全席指定席なので「指定席特急券」と「座席未指定特急券」が発売されることになります。
また、通勤ライナーという性質上から、平日のみ運転で土休日は運休します。
特急湘南の停車駅 各駅タイプと速達タイプが運転
特急湘南の停車駅は東京駅発着か新宿発着で停車駅が違うので注意しましょう。
【各駅タイプ】停車駅
小田原⇔(国府津※1)⇔(二宮※1)⇔平塚⇔茅ヶ崎⇔(辻堂※2)⇔藤沢⇔(大船※2)⇔(品川・新橋※3・東京、渋谷・新宿)
※1国府津・二宮に停車する列車は辻堂・大船は通過します。
※2辻堂・大船に停車する各駅タイプは国府津・二宮は通過します。一部平塚始発で運転されます。
※3一部列車は朝ラッシュ時に新橋駅に停車します。
【速達タイプ】停車駅
小田原⇔茅ヶ崎⇔平塚⇔品川⇔(新橋)⇔東京
※一部品川止まりで運転される列車があります。
※一部列車は朝ラッシュ時に新橋駅に停車します。
特急湘南の時刻表・ダイヤ一覧・
特急湘南の時刻表・ダイヤについてまとめました。特急湘南を利用する時に参考になれば幸いです。(時刻は2021年3月13日現在の情報です。)
【小田原・平塚始発】東京・新宿・品川行き 上り列車
特急湘南2~14号までの偶数番号は東京・品川行き、22~26号までは新宿行きです。
特急湘南2号 9両
平塚6時25分発→茅ヶ崎6時30分発→辻堂6時34分発→藤沢6時38分発→大船6時42分発→品川7時12分着→東京7時20分着
特急湘南4号 14両
小田原6時20分発→平塚6時40分発→茅ヶ崎6時45分発→藤沢6時55分発→大船7時00分発→品川7時30分着→東京7時38分着
特急湘南6号 9両
小田原6時37分発→茅ヶ崎6時56分→藤沢7時23分発→品川7時47分着
特急湘南8号 9両
小田原6時58分発→茅ヶ崎6時56分発→藤沢7時03分発→品川8時03分着→新橋8時09分着→東京8時13分着
※新橋・東京駅は総武地下ホームに到着します。
特急湘南10号 14両
小田原7時22分→国府津7時30分発→二宮7時36分発→平塚7時45分発→茅ヶ崎7時50分発→藤沢7時59分発→品川8時38分着→新橋8時44分着→東京8時13分着
※新橋・東京駅は総武地下ホームに到着します。
特急湘南12号 14両
小田原7時59分→平塚8時16分発→茅ヶ崎8時21分発→辻堂8時26分発→藤沢8時30分発→大船8時36分発→品川9時07分着→東京9時16分着
特急湘南14号 9両
小田原8時19分発→平塚8時37分発→茅ヶ崎8時42分発→辻堂8時46分発→藤沢8時50分発→大船8時55分発→品川9時24分着→東京9時33分着
特急湘南22号 9両
小田原6時25分発→茅ヶ崎6時44分発→藤沢6時51分発→渋谷7時39分着→新宿7時45分着
特急湘南24号 9両
小田原7時09分発→国府津7時15分発→二宮7時20分着→平塚7時32分発→茅ヶ崎7時38分発→藤沢7時45分発→渋谷8時27分着→新宿8時33分着
特急湘南26号 9両
小田原7時42分発→茅ヶ崎8時03分発→藤沢8時11分発→渋谷8時56分着→新宿9時02分着
【東京・新宿始発】小田原行き 下り列車
特急湘南は1~17号までの奇数は東京発小田原行き、21・23号は新宿発小田原行きです。
ポイントとしては品川始発や平塚止まりは運転されない点と、新宿始発21・23号は渋谷を出ると藤沢まで止まりません。大船と辻堂は通過します。
また、一部列車が二宮駅に停車します。
東京始発は帰宅時に30分~1時間間隔で運転します。
特急湘南1号 9両
東京発18時00分発→品川18時10分発→大船18時38分着→藤沢18時42分着→辻堂18時46着→茅ヶ崎18時50分着→平塚18時55分着→国府津19時05分着→小田原19時12分着
特急湘南3号 9両
東京発18時30分発→品川18時39分着→大船19時09分着→藤沢19時14分着→辻堂19時18分着→茅ヶ崎19時22分着→平塚19時26分着→国府津19時36分着→小田原19時46分着
特急湘南5号 14両
東京発19時00分発→品川19時09分着→大船19時35分着→藤沢19時40分着→辻堂19時44分着→茅ヶ崎19時48分着→平塚19時53分着→国府津20時03分着→小田原20時09分着
特急湘南7号 14両
東京発19時30分発→品川発19時39分発→大船20時06分着→藤沢20時11分発→辻堂20時15分発→茅ヶ崎20時19分着→平塚20時24分着→国府津20時34分着→小田原20時41分着
特急湘南9号 9両
東京20時00分発→品川駅20時09分発→大船20時35分発→藤沢20時40分発→辻堂20時44分着→茅ヶ崎20時48分着→平塚20時53分着→二宮21時00分着→国府津21時05分着→小田原21時11分着
特急湘南11号 14両
東京発20時30分発→品川20時39分発→大船21時06分着→藤沢21時10分着→辻堂21時14分着→茅ヶ崎21時18分着→平塚21時23分着→国府津21時34分着→小田原21時40分着
特急湘南13号 9両
東京21時00分発→品川21時09分発→大船21時37分着→藤沢21時42分着→辻堂21時46分着→茅ヶ崎21時50分着→平塚21時55分着→国府津22時05分着→小田原22時11分着
特急湘南15号 9両
東京22時00分発→品川22時09分発→大船22時36分着→藤沢22時41分着→辻堂22時45分着→茅ヶ崎22時49分着→平塚22時54分着→国府津23時04分着→小田原23時10分着
特急湘南17号 9両
東京23時00分発→品川23時09分発→大船23時36分着→藤沢23時40分着→辻堂23時44分着→茅ヶ崎23時49分着→平塚23時53分着→国府津0時04分着→小田原0時12分着
特急湘南21号 9両
新宿発19時30分発→渋谷19時36分発→藤沢20時21分着→茅ヶ崎20時27分着→平塚20時33分着→二宮20時40分着→国府津20時44分着→小田原20時51分着
特急湘南23号 9両
新宿21時30分発→渋谷21時36発→藤沢22時18分着→茅ヶ崎22時24分発→平塚22時30分着→二宮22時38分着→国府津22時43分着→小田原22時49分着
【普通車指定席特急料金】値段・料金 約2倍に値上げされる区間も
こちらが2021年3月13日から運行開始となる特急湘南の料金表です。
値段はライナー券が520円だったのに対し、760円、1020円、1580円にそれぞれ値上げが行われます。新宿・東京~藤沢間など、多くの人が利用する100キロまでの区間でほぼ2倍に値上げとなり、負担が大きいと感じている人もいるかもしれません。
【グリーン車指定席特急料金】値段・料金
グリーン車に乗る場合の特急料金は次の通りです。ただし、定期券の併用は不可ということで、通勤利用で使っている人にはあまり使えないものになります。
旅行などで使おうと思っている人は乗ってみてもいいかもしれません。
座席指定券と座席未指定券の違い
今回全席指定席となり、新たに「座席未指定券」というのが登場します。「全席指定席だけど自由席みたいなきっぷ」となっており、列車が決まったら座席指定してもいいし、座席指定しなくてもいいよというきっぷです。
2倍値上げで得られるのは窓際コンセント・荷物置き場
2倍の値上げで得られるものは何でしょうか?
そこまでサービスがアップするというわけでもありません。
各座席の窓際のみコンセントが設置されています。通路側にはコンセントの設置がない点は注意が必要です。
スーツケースを持ち運ぶときに便利な荷物置き場が追加となります。しかしながら、普段通勤で使うような人にはあるに越したことはないですが、基本的に不要な設備ですよね。
料金は2倍に値上げ、でも時刻表・速度はほぼそのまま
「特急料金が2倍に値上げになるのだから、時刻表も変わって速くなる」というのが、一般の人の考えだと思いますが、残念ながら速くなりません。
例外的に特急湘南4号が小田原発東京駅7時49分着→7時38分着に変更となります。これについては所要時間が10分短縮されています。
【車両】東海道線踊り子にも使用されるE257系リニューアル車が使用 9両・または14両で運転
実は今回特急湘南に使用されるE257系という形式は「新車ではなく改造車(リニューアル車)」となっています。
元々中央線の特急「かいじ」などに使用されてきましたが、新型特急E353系に置き換えられることになり、中央線での役目を失いました。
そのため、E257系の一部車両を「リニューアル車」として改造し、東海道線で再利用することになりました。
よく言えばリニューアル車、悪く言えば中古車を改造した車両ということになります。
この関係で、湘南ライナーと比較して運転両数が変更となり、14両・9両編成という見慣れない両数で運転されます。
特急湘南に安く乗る方法
最後に特急湘南に安く乗る方法を紹介します。これを知っておくだけで数百円得をすることになるので、ぜひ活用してみてください。
【期間限定】えきねっとチケットレス300円割引キャンペーン
湘南ライナーから特急湘南に変わるため、急に約2倍の値上げが今回実施されることになります。
JR東日本ではその緩和措置として、チケットレスで購入した場合300円引きにするキャンペーンを実施します。
対象列車は特急「踊り子」「湘南」で、サフィール踊り子は対象外となります。指定席を利用する際に割引になります。
値段・料金表
例えば通常料金が760円の区間では460円に割引となります。これにより湘南ライナーの値段より安く利用できる期間も存在します。
ただし、あくまで期間限定です。利用期間は2021年3月13日からで、2021年9月30日までに申し込み・変更操作分が割引対象となります。
【通年発売】えきねっとチケットレス100円割引
2021年9月30日以降の予約申し込みをした場合、例えば通常760円の区間を660円で乗車することができます。また、普通車指定席の他、普通車グリーン車に乗車した場合にも割引を受けることができます。
少し手前で下りると特急料金が安くなる駅 まとめ
特急料金が安くなる方法は先ほどの2つですが、利用区間をちょっと変えるだけでいつもの特急料金を安く乗る方法を紹介します。
今までの湘南ライナーは区間問わず、料金は一定でした。しかしながら、特急湘南運転開始後は区間によって特急料金が変動することになります。
ここで書いている内容は、特急料金が上がる手前の駅で降りると、少し安くなりますという話です。
東京~藤沢・辻堂は品川で下りると260円引き
東京~藤沢間を利用する場合は手前の新橋・品川で乗り降りすると少し安くなります。
藤沢~新橋・品川で乗車した場合は「50キロまでの特急料金」が適用となります。
しかし、藤沢~東京で利用すると営業キロが51.1kmとなるため、「100キロまでの特急料金」が適用となります。
この違いによって260円の差が生まれることになります。往復で520円の差が生まれるので差が大きいですよね。行きは東京まで乗り、帰りは品川駅から乗るというのもいいかもしれませんね。
同様に辻堂から乗車する人も品川駅で乗り降りすると260円引きとなります。(新橋まで乗ると料金が上がります。)
特急湘南まとめ
特急湘南についてまとめました。今回のポイントは次の通りです。
- 特急湘南は2021年3月15日デビュー 平日のみ運転
- 特急化で料金は2倍値上げ・全席指定席に
- 使用車両が変更、新車ではなく「リニューアル車」で運転
- 東京・品川発着、新宿発着が運転
- 一部平塚始発も運転
- チケットレスで100円割引
- 東京~藤沢は新橋・品川で降りると安い
東京・品川~小田原通勤で特急湘南2倍値上げでお困りの方へ 東海道新幹線をおすすめします
小田原~品川・東京まで定期券を持っている人は「新幹線の方が高く、通勤ライナーの方が安い」というのが今までの常識でした。
しかし、特急湘南が運転されることによって2倍値上げになり、その関係で「特急湘南を使うよりも新幹線の方が安い」というのが2021年3月以降は新しい常識となります。
確かに定期券がテレワークの関係で定期券が廃止になり、実費支給の人もいるので、この話はそういった人向けではありません。
負担増の具体的な金額としては実際に湘南ライナーが運転されていたころはライナー券は一律520円でしたが、特急湘南に変わったことによって1020円の負担となります。往復2040円負担増となります。
毎日使っている人にとってこの負担は大きいですし、湘南ライナーが今までコスパが良かったのに無くなってしまう。かといって普通列車グリーン車で通勤もコスパが悪いと感じられているかもしれません。
そこでおすすめなのは東海道新幹線です。自己負担額はほぼ同じで、所要時間短縮をすることができます。特急湘南と比較して最大月1万1000円の自己負担を減らすことができます。
特急湘南より安く、家で過ごせる時間が増える東海道新幹線 なんと1日あたり1時間半
微々たる金額ですが、特急湘南より東海道新幹線が安くなります。
特急湘南の特急料金は1020円ですが、東海道新幹線を使うと990円です。
普通の自由席特急券は1760円では?と思う人もいるかもしれません。確かに「きっぷ」の場合はその通りで、新幹線の方が高いです。
しかし、「定期券」を持っている人に対しては毎日利用してくれるので、定期券専用の特急料金が用意されています。その値段が990円です。
正直値段自体は30円しか差がないですが、ほぼ同じ料金で所要時間を短縮できるのが大きなメリットです。
東京~小田原だと、特急湘南は約1時間20分かかりますが、東海道新幹線だとわずか33分です。片道約50分短縮されます。1日あたり往復だと約1時間30分も通勤時間が無くなるわけなので、家で過ごす時間を長くすることができます。22日出勤したとすると33時間も節約することができます。
逆に言うと今まで通勤時間に1か月に1日分の時間を取られていたということになります。
東海道新幹線が770円で乗れる!新幹線定期券(FREX)切り替えで
定期券代は会社負担なので、通勤している人にはあまり関係のない数字かもしれませんが、改めて今まで1か月にかかっている定期代を見てみましょう。
東京~小田原まで普通列車の定期券:1か月あたり40050円
東京~小田原までの新幹線定期(FREX):1か月あたり73930円
普通列車と新幹線の差額(定期券):1か月あたり33880円
「3万3880円も差額があるの?」と思われる方も多いかと思います。これを1回乗車あたりに直すとなんと769円になり、湘南ライナーの料金に250円多く支払うだけで「50分もの時間」と「着席しながら快適な通勤」を手に入れることができます。
それだけではありません。特急湘南よりも東海道新幹線の方が月1万1000円も負担を軽くすることができます。
特急湘南の料金と東海道新幹線の自己負担額比較してみましょう。
特急湘南を1往復22日利用した場合:1020×2×22=44880円
新幹線定期用特急券を1往復22日利用した場合:980×2×22=43120円
新幹線定期券代の実質自己負担金額:769×2×22=33880円
特急湘南と東海道新幹線定期券の差額:月1万1000円割引、1日あたり500円、年間13万2000円
【交通費】新幹線定期に切り替えできるか?会社との交渉次第でできる可能性も
結論からいうと新幹線定期に切り替えられるかは会社次第です。会社で交通費に関する規定があるはずなので、上限金額などを聞いてみてそれから判断するのがいいと思います。
ダメと言われればそれまでですが、とりあえず言うだけ言ってみましょう。
勤務している会社側・通勤している人の立場に立ってメリット・デメリットをまとめてみました。会社によって異なるのであくまで参考程度に。会社との交渉に役立ててくれれば幸いです。
メリット
- 通勤時間が1日あたり1時間半短くなる
- 家を遅く出て、家に早く帰れる
- 列車に乗っている時間が短いので体も疲れにくい
デメリットはなし(しいて言えば自己負担額が300円程度上がるということ)
従業員側として考慮してほしい点、会社に理解をしてほしい点
- 定期券切り替えは従業員側が原因ではなく、JR東日本が2倍値上げをしたことが原因
- ライナー通勤を今まで想定していたけど、その前提が崩れた
- 特急湘南を利用しても東海道新幹線を利用しても自己負担額は一緒
- 一番安く乗るには新幹線定期 1回乗車770円で乗れて通勤時間も短縮
- 東海道新幹線が一番安くて快適に移動できる交通手段になること
- 2021年ダイヤ改正後は東海道新幹線が最も安い着席サービスになるということ
提案の仕方としては「今まで湘南ライナーを通勤で使っていましたが、2倍も値上げになって自己負担が増えてしまいます。」
「新幹線定期にするのは決して贅沢をするというわけではなく、色々自己負担を計算した結果、東海道新幹線定期で通勤することが一番最適であることが分かりました。特急湘南よりも自己負担が1日500円も安くなり、22日出勤の場合、月1万1000円も節約できます。」
こういったことを言えば、新幹線定期券に切り替えてくれる可能性は上がります。先ほどの会社側と従業員側のメリット・デメリットを照らし合わせて提案をしてみてくださいね。
交通費を会社がどこまで負担するのか(新幹線定期全額負担・在来線定期との差額は自己負担)についても聞いてみた方がいいと思います。
少なくとも東京・品川~小田原まで特急湘南を利用・通勤し続けるのは、デメリットしかないのでお勧めしません。
もし、新幹線定期券に切り替えられた場合、どうなったのかできれば教えていただきたく思います。東京~小田原を通勤している人がいたら、ぜひこの方法を教えてあげてください。
メリット
デメリット