JR東日本で導入が検討されている「特急おだわら」。JR東日本は導入に対して正式な表明をしていないものの、商標登録出願がされ、JR東日本の計画としてあるのは事実であると考えられます。(商標出願は後に却下となっています。訂正いたします。)踊り子用に改造されたE257系2000番台の行き先表示にも「特急おだわら」は搭載されています。

正式な発表がないのであくまで予想ということで見て頂きたいのですが、もし「特急おだわら」が湘南ライナーと新宿発着のホームライナーを置き換えるとしたらどうなるでしょうか?

「特急おだわら」になったらどうなる?ホームライナーと比べて料金は2倍に!

現在小田原~東京間で運転されている「湘南ライナー」と小田原~新宿間で運転されている「おはようライナー新宿・ホームライナー小田原」があります。

この2列車は「特急おだわら」導入で廃止になると噂されており、国鉄車両の185系全廃のタイミングで従来のホームライナーから「全席指定席の特急列車」に格上げすることで、JR東日本としては高付加価値化・増収を目論んでいると思われます。

もしも、「特急おだわら」が湘南ライナー・おはようライナー新宿を置き換えた場合、小田原~東京・新宿間の料金は現行と比較していくら値上げになるでしょうか?

特急料金は「あずさ」「スワローあかぎ」「ひたち」などの同様の全席指定席特急料金になることを想定して算出しています。

  現在のホームライナーの料金 「特急おだわら」になった時の料金
東京~小田原間「湘南ライナー」 一律520円 事前料金1020円 車内料金1280円
新宿~小田原間「おはようライナー新宿」 一律520円 事前料金1020円 車内料金1280円

なんと!ホームライナーから特急おだわらになると500円も値上げされます!特急化することは「2倍に値上げしますよ」と言っているようなものですね。普段湘南ライナー・新宿発着のホームライナーを利用している人にとっては痛い出費となりそうですね。

料金を500円上げるなら当然設備とスピードも上がる?

「特急おだわら」になった場合に500円も値上げしているのだからそれに見合ったサービスが提供されるんでしょ?と普通は思いますが、残念ながら設備としては「窓側コンセント」「荷物置き場」のみ追加となります。正直これだけに500円多く払うかは微妙です。

「ホームライナー」というと座席定員制の快速列車という扱いですが、「特急おだわら」になれば全席指定席の特急列車となります。快速列車から特急列車になるんだから当然速度も速くなると思いたいですよね。

しかし、残念ながら過去に「ホームライナー→全席指定席化した特急列車」で速度が速くなった列車はありませんから「特急おだわら」になってもそこは変わらないでしょう。「500円値上げするけど、時間は変わらないよ」ということになり、単なる値上げとなります。

「特急おだわら」にすることで東海道新幹線・小田急に客を奪われる可能性 JR東日本は単なる自爆になるかも

「特急おだわら」にすることで得をするのは最終的にはJR東日本ではない可能性もあります。小田原~東京間は東海道新幹線、小田原~新宿間は小田急と競合しています。現在運転されている「湘南ライナー」「ホームライナー」は一律520円で乗ることができるため、利用している人も多いでしょう。

しかしながら小田原~東京・新宿間が特急料金1020円になった場合、果たしてそのままJR東日本を利用するのが賢いかと言われるとそうではないと思います。実際に特急料金と時間を比較してみましょう。

【東京~小田原間】「特急おだわら」と「東海道新幹線こだま」はどっちが勝つか比較

  料金(乗車券を除く) 所要時間 朝の時間帯の本数
特急おだわら 1020円 東京まで1時間15分/
東海道新幹線 990円(定期用自由席特急券) 34分
普通列車グリーン車 1000円 1時間40分

まずは小田急~東京間を見てみましょう。東海道新幹線を通常料金で利用すると1760円ですが、定期券を利用する人に限って990円で乗れる定期用の回数券を発売していて、「湘南ライナー」も定期利用者がほとんどだと思いますのでその値段で比較をします。

東海道新幹線は朝の時間帯に10分に1本、こだまが走っているので本数的には全く問題はないでしょう。

  • 特急おだわらの場合は1020円払って所要時間は1時間15分。
  • 東海道新幹線は990円払って所要時間は34分。

まさかの東海道新幹線が安くて速いという結果が出ました。あえて「特急おだわら」に乗車する必要性は全くないといってもいいでしょう。東京~小田原間は東海道新幹線に客を奪われても仕方がありません。

普通列車グリーン車を使うという手もありますが、1000円払って片道1時間40分かかる方を選ぶ人は少ないでしょう。「特急おだわら」は東京~小田原間ではまったく勝ち目がありません。2倍の値上げをしない方がいいという見方もできそうですね。

では、新宿~小田原間ではどうでしょうか?

【新宿~小田原間】「特急おだわら」と「小田急」はどっちが勝つか比較

  料金 所要時間 朝の運転本数
特急おだわら 1020円 1時間25分
小田急(特急) 910円 1時間25分 ×
普通列車グリーン車(乗り換えが必要) 1000円 1時間40分

特急おだわらの運転本数は1時間に2本程度で本数としては微妙なので△としました。所要時間は1時間25分で、小田急の特急とほとんど差がありません。

一方で小田急はどうでしょうか?朝の時間の本数では料金が110円安いですが、朝の時間帯の本数が絶望的です。小田急で6時台に特急列車はなく、7時台に1本のみ。これでは本数の面で「特急おだわら」に太刀打ちすることができません。ただ、増発すれば「特急おだわら」の乗客を奪える可能性はあります。

普通列車で小田原~新宿間を移動しようとすると、湘南新宿ライン系統の列車が少なく平塚駅での乗り換えとなります。乗り換えがある時点で選択肢としては消えますが、本数は用意されています。

結論として現在の本数であれば、値上げしたとしても「特急おだわら」には勝算があります。ただし、小田急が特急列車の増発をしてくるとなれば話は別でしょう。また、先ほどの東海道新幹線を使い東京まで行って中央線で行くと新宿駅には55分程度で着いてしまうので、同じお金がかかるならそちらを利用する人が出てきてもおかしくはありません。

ただ、可能性としては低いですが小田急が早朝に特急を増発した場合、定期券を「JR→小田急」に乗り換えられることです。JR東日本としては「特急おだわら」の500円の値上げのために、一人が乗り換えすれば東京~新宿間の定期券収入4万円を毎月を失うことになります。これはJR東日本としては大きなダメージになるでしょう。果たして「特急おだわら」の実質値上げ自体が全体で見たらプラスになるかどうかは考えなくてはなりません。

「特急おだわら」の勝算は?利用客もJRもあまり得しない結果に

「特急おだわら」の勝算についてまとめると、東京~小田原間については東海道新幹線に客を奪われる可能性があり、勝算はほぼゼロでしょう。

しかしながら、新宿~小田原間については小田急の特急列車が本数が少ないため、値上げしたとしても勝算はありそうで、現在の利用客がそのまま利用する可能性も十分考えられます。ただし、小田急が特急列車の増発など対抗策を行ってきた場合は価格差が110円あるため、乗客が流れる可能性もあります。定期券が小田急になることで月4万円の収入が無くなることは大きなマイナスになりそうです。

いずれにしても今までの利用客にとって500円の値上げは大きなマイナスになりますし、JR東日本としても他の東海道新幹線・小田急に奪われる可能性があります。このまま湘南ライナー・ホームライナーとして運転を継続した方が、全体で見ればプラスの話ではないでしょうか?

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