JR西日本によりますと、JR伯備線・山陽線・山陰線経由して岡山~出雲市間を走行する特急やくもに新型特急を導入する計画が明らかになりました。

今回新型コロナウイルスの影響で、当初JR西日本が掲げる事業計画案の修正がされ、そこに特急やくも新型特急計画・国鉄時代からの振り子特急引退が盛り込まれています。

また、事業計画書や各種報道などの情報から現在運行されている国鉄振り子特急「381系」は2023年頃から順次置き換えが開始となり、それ以降引退していくと思われます。

【2023年以降順次引退へ】国鉄時代からの40年経過 振り子特急381系やくも

今回の事業計画では国鉄381系の引退時期について明確に記載があったわけではありませんが、事業計画書によるとJR西日本は2023年から2期目となる変革・復興期を実行するということが発表されています。

特急やくもの新型特急導入の時期は2023年以降から実行されるという見方が濃厚となっています。

今回発表された事業計画書の一部です。2023年から「変革期・復興期」の第二期が実行される予定で、新型特急やくもの導入計画は「2.地域共生の深耕と新たな価値観創造への挑戦」という計画の一部に盛り込まれています。

「特急やくも」新型車両は四国8600系がベースとなる可能性

かつて2019年2月17日に運行された旅行商品で、四国8600系を使用した実績があり、高松~岡山~備中高梁まで乗り入れたという実績があります。

また、報道で四国8600系をベースにやくもが製造されるというのは2017年頃から報道・試運転がされており、2019年に運転された団体列車についても当時のプレスリリースで「乗り心地を体験していただく貴重な機会」と書かれているため、試験走行も兼ねたデータ取りとして企画された旅行商品という可能性も今思えばあったのかもしれません。

【廃止?】特急やくものパノラマグリーン車はどうなる?

もし、四国8600系ベースで製造され、2両・3両編成単位で需要に合わせて両数を変更するとすれば運転席に貫通扉を設けなくてはならないため、「パノラマグリーン車」は廃止となる可能性が高いです。

ただし、岡山~出雲市間は高速バスとの競争にさらされているため、パノラマグリーン車を残して「あえて乗ってもらう列車」とする可能性もあります。

いずれにしても、現在出ている情報は2022年以降新型車両を導入する・四国8600系ベースで新型車両を製造するという情報のみで、パノラマグリーンが無くなるかどうかについては定かではありません。

パノラマグリーンといえば、1+2の座席配置でかなり大型のシートが使われていますが、これが継承されるかというのは鉄道ファンとしては気になるところではないでしょうか?

新型車両で特急やくもから「エチケット袋」は消える? 

現在国鉄車両で運転されている381系「やくも」の最大の問題点は乗り心地です。

特に伯備線内は急カーブが連続する区間を高速走行するために「振り子式特急」となっています。子の振り子式が遠心力によって傾斜するため、実際のカーブより遅れて車体が傾き、振動が生まれます。

この遠心力によって発生する振動によって、乗り物酔いで吐いてしまう人がいるため、「エチケット袋」が車内に設置されています。また、「ゆったりやくも」というのが車体に塗装されていますが、エチケット袋から「ぐったりして・吐く」という様子が連想されるため、鉄道ファンからは「ぐったりはくも」という嫌なあだ名を付けられてしまっています。

どれくらい深刻化というと、別に気分が悪くなくてもトイレが長かった場合に車掌さんから「あの人、気分悪そうに(乗り物酔い)してました?」と確認するほど、トイレが長いだけで気分が悪いことを車掌さんから疑われてしまうレベルです。

【振り子式から空気ばね式に変更】JR四国では乗り心地が改善した実績も

同様に振り子特急として酔いやすい列車といえば、四国の特急「南風」「宇和海」で使用される四国2000系があります。

この特急車両も急カーブを高速走行するために振り子式特急であり、遠心力によって車体が傾斜する車両です。

特に「南風」で運転される場合には、土讃線内での高加減速に加えて、急カーブによって何度も傾斜するため、国鉄時代・JR時代から酔ってしまう人が続出してしまったことで、土讃線内に並行する高速道路開通後は「酔うのが嫌で客離れ」を起こしてしまった残念な実績は高知の方にとっては有名な話だと聞いたことがあります。(キハ185形時代を含みます。)

そこでJR四国は2600系という従来の遠心力から空気ばねによる制御を行う新型車両2600系を導入する計画を打ち立てました。(のちに空気容量の問題から制御付き自然振り子2700系が量産)

行きはJR四国2000系に乗車しましたが、遅延していたということもあり、遅れ回復運転の「高加減速」と「振り子」で酔い止めを服用するほどの乗り物酔いをして高知の一つ手前の特急停車駅の後免で下車、そこから四国2700系で折り返したことがあります。

四国2000系の乗り心地には正直「KO負け」にされましたが、新型特急である2600系は同じ区間を走っているのに乗り心地が全く異なり、乗り物酔いをすることなく快適に土讃線内を過ごすことができました。この点はJR四国もアピールしており、「南風、覚醒」という広告を出すくらい全く異なる特急列車に変貌したという広告を出しているくらいです。同じ制御振り子装置がついている車両でも時代とともに乗り心地が改善していることを実感する体験でした。

話を元に戻しますが、JR西日本で問題になっていた381系の振り子の「振り遅れ」の問題点から四国2000系以降の車両開発に生かされており、JR西日本の特急やくもでも381系と比較して乗り心地が改善し、新型車両導入時に「エチケット袋」が消える可能性もありそうですね。

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