ある路線の景色が「アニメの世界」のようだということで、話題となっています。
景色がいいのには理由があり「全国でも珍しい景色」を見ることができます。
今回は「近鉄奈良線とは?」「景色がいい理由は?」「どうやって行くの?」ということについて解説していきたいと思います。
景色がいいと話題になった近鉄奈良線
近鉄奈良線、噂には聞いてたけど優れすぎているにも程があるやろ……アニメの世界だった pic.twitter.com/4zQa778FKX
— ソラシド (@yunyeungcha) November 29, 2020
「近鉄奈良線の景色が(中略)アニメの世界だった」というのがTwitterで話題となっていて、リツイートが約1万件、いいねが4.4万件ついています。
Twitter上では「ここマジで景色いい」「この景色が見られるなら、電車生活したかった」という共感の声が上がっています。
「景色はいいけど、近鉄奈良線ってどこ?」と思っている人もいるかと思いますので、そういう方のために解説していきたいと思います。
近鉄奈良線ってそもそもどういう路線なの?
近鉄奈良線とはどういう路線なのか、大阪や奈良に住んだことがない人に向けて解説します。(鉄道が詳しい人は細かいところには突っ込まないでください。)
簡単に説明すると、奈良から大阪難波まで結ぶ路線です。奈良県の生駒というところを出ると「急行」「快速急行」は次の鶴橋まで止まらない列車が運転されているほど、奈良から大阪まで移動する人が多い路線です。
緑色の線で説明しているところが、生駒山地と呼ばれている「山の壁」があります。
既に現在のJR大和路線があったため、近鉄としては「山を最短距離で突き抜けないとJRに勝てない」「よっしゃ、生駒山地ぶち抜いたろ」ということで、奈良と大阪を最短距離で結ぶことにしました。
水色の線で示したところが、今回Twitterで話題となった光景は、この方角で見ているということになります。
S字のカーブになっている理由は、当時の建設技術では遠回りして、急斜面を下っていくしかなかったからです。車好きの方は「暗峠(くらがりとうげ)」と聞けば、その急斜面のすごさは分かっていただけると思います。鉄道系・旅行系youtuberのスーツさんもここを訪れています。(画像の掲載許可はいただいています。)
ちなみに、水色の区間だけで、高低差が133mあります。もはや「登山鉄道と言ってもいい」のではないでしょうか?
この高低差が、近鉄奈良線の「アニメの世界」のような景色を生み出しているというわけです。
昼間と夕方だけじゃない 夜景もきれい
今回Twitterで話題となったのは「夕方」の近鉄奈良線ですが、夜の近鉄奈良線も非常におすすめです。
理由としては大阪平野を見下ろして、夜景を見ることができるからです。
近鉄奈良線の急な坂は瓢箪山~石切の間に存在しますが、石切まで行き、山のある方向へ歩いてもらうとこのような景色が見える場所があります。
この景色を見るために移り住んだ人がいるというくらい絶景で、地元の方でこの景色が好きな方が写真を撮っていました。
言葉で伝えるのも難しいので、動画を見てもらうと分かるかと思います。生駒~鶴橋の約15分間でまとめています。
景色がいいところは普通列車しか停車しない 特急・快速急行は通過
「近鉄奈良線の景色がいいところに行きたい」と思っている方に注意点です。「赤い枠」で囲んだところが、山登りをする区間です。
実は景色がいい区間は「快速急行・特急」は通過となります。約10分~15分に1本、停車駅が少ない快速急行が走っていますので、それに乗ってしまうとたどり着くことができません。
石切までなら「急行」「準急」、それ以外の駅なら「区間準急」「普通」に乗車しましょう。石切や大和西大寺などで、乗り換えさせてくれる列車もあるので、そちらも臨機応変に利用しましょう。
大阪難波、鶴橋から行く場合には石切まで「普通」または「準急」「区間準急」を利用しましょう。先に到着する列車は駅の案内放送で教えてくれます。
駅の案内放送では、「石切へはあとの準急が先に到着します」などの放送で、どの列車を使うか決めるのがいいかと思います。
運賃は鶴橋~石切で300円、大阪難波~石切で360円、奈良~石切で360円です。
興味がある方は停車駅がややこしいので注意していただきたいですが、ぜひ一度行ってみることをお勧めします。
これをきっかけに近鉄奈良線をもっと知っていただければと思います。