10月20日、国土交通省中部運輸局は西濃鉄道に対し、安全管理体制が構築されていないとして改善指示を発出しました。

JR貨物とも連携

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西濃鉄道はJR東海道本線美濃赤坂支線の終点である美濃赤坂~猿岩の2.0kmを結ぶ市橋線を運営しています。実際に定期貨物列車の設定があるのはは美濃赤坂~乙女坂間の1.3kmのみです。

中部運輸局によると、西濃鉄道で規定通りの運行が行われていないとの情報が寄せられたのを受け、7月に保安監査を実施したところ、鉄道事業法に基づく手続きが行われていなかったとのことです。実施基準で定められた規定も実施されていないなどの問題が確認されました。

中部運輸局は西濃鉄道に対し安全管理体制が構築されているとはいえないとし、現場の状況を的確に把握する体制の整備や、現場の業務の実施状況の定期的な検証、鉄道係員への必要な教育・訓練を適切に行うなどの改善を指示しました。

なお、同じく岐阜県大垣市に本社のある大手運輸会社の西濃運輸とは資本的、人的ともに一切の関係はありません。今回の一件で風評被害が出ています。

確認された問題点は以下の通りです。

  • 乙女坂駅構内で実施された分岐器交換や枕木のプレストレストコンクリート化で、鉄道事業法に基づく施設変更の手続きが行われていなかった。
  • 2018年から2021年にかけ3件の輸送障害が発生しているにもかかわらず、届出書を提出していなかった。
  • 線路変位検査で整備基準値を超えている部分について、内規に基づく必要な整備を行っていなかった。
  • 線路の巡視は4日に1回以上実施することが実施基準で定められているが、実際には一部の区間で巡視の間隔が4日を超えていた。
  • 実施基準で規定されている運転専用電話を撤去、廃止していた。
  • 2日を超えない範囲で列車検査を行うものとしていたが、一部の列車は検査周期が2日を超えていた。
  • 重要部検査で動力発生装置の機関本体の分解検査と探傷検査を行っていなかった。
  • 運行計画に定められた運転時刻どおり運転していなかった。
  • 駅長などによる出発合図を行っておらず、機関士も出発合図を受けずに列車を出発させていた。
  • ブレーキテストでJR貨物の機関車から西濃鉄道の機関車に付け替えた際に行っていなかった。
  • 市橋線の閉そく方式はスタフ閉そく式だが、2005年4月頃から今年2021年4月12日までのあいだ、ほとんど施行していなかった。
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