大宮から東京を通り桜木町へ至る京浜東北線。通勤ラッシュも激しいため「普通列車グリーン車が欲しい」と思っている方も多いのではないでしょうか?
今回は京浜東北線にグリーン車はあるのか?ないのか?一体なぜなのかについてまとめています。
京浜東北線にグリーン車はない!一体なぜ?理由は10両編成?
結論としては京浜東北線にグリーン車はありません。
一体なぜなのでしょうか?
京浜東北線は10両編成で運転されています。そのため、グリーン車を設置するとなると、混雑を考慮しなくてはなりません。
中央線でグリーン車が設置される際には12両編成に長くした上でグリーン車が設置されており、普通車の混雑を激化させない工夫がされています。
そのため、仮に京浜東北線にグリーン車を導入した場合には12両編成化が必要となってくるでしょう。
中央線は12両化した上で京浜東北線と同型車両E233系で運行予定のため、技術的には京浜東北線グリーン車は可能と思われます。
しかしながら、京浜東北線グリーン車が実現しない理由はどこにあるのでしょうか?
ホーム延伸工事の問題と駅間の短さが問題
問題点としては大きく2点存在します。
1点はホームの問題です。
先ほど挙げた通り京浜東北線グリーン車を実現する際に必要なこととして12両編成化を紹介しました。
京浜東北線12両編成化を行うためにはホームの12両編成対応が必要となります。しかしながら、特に東京都心部の区間(主に日暮里~品川間)で12両編成対応に必要なスペースがそもそもない場合や、京浜東北線を止めてホームの延伸工事を行う必要があります。
しかしこれらは現実的ではありません。そのため、京浜東北線グリーン車実現は難しいでしょう。
もう一つの問題として京浜東北線の駅間の短さにあります。先ほどの中央線と異なり、駅間の短さが特徴の京浜東北線。
グリーン車を連結してしまうと、車両重量の関係や動力比が下がるため、加速性能が鈍り、ダイヤの遅延が発生することになります。
そうすると、並行する山手線との交互発車ができないことになるため、ホームの混雑が激化し、乗客をさばけないことにもつながります。
以上のことから、京浜東北線グリーン車は実現が難しいという結論となります。
近距離利用だけなので、利用する人はほぼいない?
そもそもの根本的な話ではありますが、近距離利用だけなので、利用する人はほとんどいないことも京浜東北線グリーン車が設置されない理由の一つではないでしょうか?
京浜東北線を利用する人はせいぜい乗っても上野~品川間、場合によっては赤羽まで京浜東北線単独駅があるためそこまで
かつてはグリーン車が連結されていた時期も
意外かもしれませんが、京浜東北線にはかつてグリーン車(2等車)が連結されていました。
期間は1938年までの間に設置されていました。
しかしながらこの期間は京浜東北線というよりは東北本線の電車線・東海道線の電車線という意味合いでした。
まとめ
ここまでの京浜東北線グリーン車のまとめです。
- 京浜東北線にグリーン車は存在しない
- 京浜東北線グリーン車を実現するためには12両編成化が必須
- 12両編成化をするためにホームの延伸工事ができない
- 12両編成化で車両性能が低下
- 山手線との交互発車が出来なくなるため、ホームの混雑が激化する
- 1938年までは京浜東北線グリーン車が設置されていた