2021年11月20日、近鉄12200系スナックカーが最後の運転となるラストランが行われました。ラストランが行われたのは大阪上本町発・近鉄名古屋~賢島までの往復です。
最終の名古屋行きは「ノンストップ名古屋」の方向幕でラストランを迎えました。
【ラストランの様子】ラストランヘッドマークも付けられる
1969年にデビューした特急列車で大阪万博・高度成長期をを経験した列車である他、近鉄特急と言えばこの車両をイメージされる方も多いのではないでしょうか?それもそのはず、この形式は166両製造され、近鉄特急車両としては当時最多でした。
当時はスナックコーナーが設置され、列車内で飲食物の提供などが行われていました。(のちに客室等に改造)そこからスナックカーと呼ばれています。
賢島駅での式典では「ノンストップ名古屋」幕に
こちらは近鉄賢島駅の様子です。ラストランのヘッドマークが取り付けれられているほか、二度と営業列車で使われることがなかった”ノンストップ名古屋”の方向幕が団体専用列車で復活しました。
まさしくラストランにふさわしい演出でしょう。
大阪上本町行きラストランも”ノンストップ”幕に
こちらは賢島駅で撮影されたスナックカーラストランの様子です。名阪ノンストップ特急が運転されていたころに使用されていた「ノンストップ大阪上本町」の方向幕がラストランで使用されました。
名阪ノンストップ特急は伊勢中川短絡線で運転士がハンドルを持ちながら交代する様子が印象的な列車で、2012年3月20日ダイヤ改正まで運転されており、約50年もの歴史があった列車です。
また、「ノンストップ」と書かれた方向幕は他に「ノンストップ宇治山田」の方向幕も存在し、少なくともアーバンライナー車両には搭載されていました。
最後に見たかったかも?「湯の山温泉行き」スナックカー
「名古屋・湯の山温泉行き」と書かれた方向幕を見たことがある人は多いのではないでしょうか?
これはスナックカーの方向幕を変更する際に一番最初に収録されている方向幕「名古屋・湯の山温泉行き」に戻す仕様となっており、そのため、始発駅では行先方向幕が変更するまでかなり時間がかかっていたことも懐かしい思い出です。
方向幕が切り替わる音が車内に響き渡っていた音もいつかは効けなくなるのでしょうか・・・。
近鉄スナックカーラストラン時刻表
近鉄スナックカーのラストランは2021年11月20日です。
駅名 | 時刻 |
近鉄名古屋 | 9時36分発 |
賢島 | 11時51分着、12時42分発 |
近鉄名古屋 | 15時28分着 |
駅名 | 時刻 |
大阪上本町 | 11時53分発 |
賢島 | 14時35分着 16時42分発 |
大阪上本町 | 19時42分着 |
旅行商品専用列車で、大阪上本町発が片道大人1万2200円、こども9040円。近鉄名古屋発が片道1万1520円。こども6700円で発売されていました。
近年では格差特急の代名詞 「ボロ」だと揶揄されるように
鉄道ファンにとって「ボロ」というのは決して悪口ではなく、誉め言葉であると思っていますが、一般の人にとってはそうではなかったようです。
時代が進むにつれて、近年では「格差特急」の代名詞車両となってしまい、近鉄特急では8両編成にする際に(4+4等)他の形式の車両と連結することが良くありますが、一方はコンセント付きの車両、もう一方は年代物のボロでコンセントは無し。
しかも2020年のダイヤ改正までは「喫煙車」というのが存在し、タバコを敬遠する人からも嫌われていたという話も聞いたことがあります。(今でも喫煙ルームから遠い席を指定する人が多いのもそのような理由と思われます。)
さらに、スナックカーが来ると怒る乗客・特急券を払い戻させようとする乗客も実際にいたという話も聞かれています。
そういった乗客とのトラブルや老朽化もあり、今回引退・ラストランになったと思われます。
【まだ使うの?】スナックカーリノベーション車両「あをによし」が運行開始
スナックカーラストランということですが、あくまでオレンジと紺のラインカラーの車両、古い内装の車両のみの話で、実は2022年4月29日から、「リノベ車両・あをによし号」が運転されます。
改造費に3.3億円をかけているため、「ボロだけどまだまだ使うぞ」という意気込みが伝わってきます。これぞ、「近鉄クオリティ」といった感じです。一般の人からは「あのボロまだ使うの?」という声が聞こえてきそうですが・・・。
ですので、内装などは変更されますが、車両自体はまだ生き残っていくということになりますので、12200系が好きな方は2022年以降も乗車してみてはいかがでしょうか?