東武鉄道は2020年11月9日から東武伊勢崎線で運行している「特急りょうもう」について一部列車の使用車両を従来の200系から500系「リバティ」に変更すると発表しました。

200系りょうもうの車両の中には車齢が60年を超えている「ボロ車両」があり、今回その目的も兼ねている可能性が出てきました。

一体なぜ特急りょうもうで「リバティ」が使われることになったのでしょうか?

特急りょうもうを「リバティ車両」で運転 変更になる列車は?

東武鉄道は11月9日、11月10日に「リバティ」での運行を増やします。

2020年11月9日(月)からりょうもう25号(浅草15時50分発 赤城行) ⇒ リバティりょうもう25号に変更

りょうもう44号(赤城18時00分発 浅草行) ⇒ リバティりょうもう44号に変更

りょうもう47号(浅草20時19分発 赤城行) ⇒ リバティりょうもう47号に変更

2020年11月10日(火)から
りょうもう 8号(赤城 6時56分発 浅草行) ⇒ リバティりょうもう8号に変更

特急りょうもう200系車両はなぜ置き換え? 特急列車なのに和式トイレという問題点も

特急りょうもうの従来車両(200系)はなぜ今回「リバティ車両」(500系)に置き換えられることになったのでしょうか?

実は東武鉄道の特急列車としてはサービスがやや低い列車で、現在も特急列車にもかかわらず、3号車以外のトイレは「和式」トイレとなっています。

リバティ車両は洋式トイレですから、東武鉄道としても従来型車両を置き換えることはサービス向上をするという目的がありそうです。

座席背面にはテーブルがなし 窓際に「よくわからないテーブル」が設置されている

従来型の特急りょうもうは座席背面にテーブルの設置がありません。そのため、窓際の座席のみテーブルがあります。

窓際のテーブルについてはかなり使いづらく、テーブルを出すのは簡単なのですが、戻し方がよくわからないと評判です。

リバティ車両に置き換えることによってテーブルは新幹線と同じように座席背面に設置されることになるのでサービス向上につながると思われます。

【全国屈指のボロ車両】200系の製造は1990年だけど、実は車齢が64年を超える車両も

東武200系車両は1990年に製造が開始された車両ですが、中には車齢が60年を超えており、「全国屈指のボロ車両」となっています。

人間でいうと64歳はまだまだ現役と思うかもしれませんが、鉄道車両では通常13年~50年程度で、60年以上走るケースは比較的珍しいと言えます。

読者の方には「1990年に製造なのだから、2020年現在で車齢は30年だよね。」「ちょっと何言ってるかわからない」と思っている人も多いかもしれません。

ただ、車体本体は車齢が30年で、台車と制御機器などの足回りは60年を超えている車両があります。

国鉄車両で例えるなら、165系急行型車両の足回りを流用した点で言えば107系電車と似ていますね。

では、「種車」となった改造元の車両は一体どんな車両だったのでしょうか?

改造元の「種車」はなんと東武DRC(1700・1720系) かつては「けごん・きぬ」などで活躍

現在運行されている特急りょうもうの車両の改造元の車両は「種車」は、なんと東武1700系・1720系の「DRC(Deluxe Romance Car)」という車両になります。

製造は1960年からで、日光・鬼怒川温泉方面の特急列車「けごん・きぬ」の主力車両として1990年まで活躍しました。

現在は東武鉄道とJRが直通運転をしていますが、2000年代初頭までは都内から日光方面の客を東武鉄道とJRが奪い合っていました。

運転系統としては東武鉄道は現在も運転されている浅草~東武日光・鬼怒川温泉方面、国鉄・JRは東北本線・日光線経由で新宿~宇都宮~日光で運転していました。

その熾烈な争いから「日光戦争」と当時は呼ばれていたようです。

話は東武200系に戻しますが、往年の特急列車の足回りを現在も流用しており、車齢が60年を超えることから、東武鉄道としてもリバティ車両で「引退させなくてはならない」と考えているのではないでしょうか?

りょうもうから「リバティりょうもう」に変更で特急料金が一部実質値上げへ 

特急りょうもうについては「リバティりょうもう」に変更されることに伴い、一部区間で「実質値上げ」が行われます。

1km~40kmまでの区間(浅草~久喜間を含む)では特急料金は520円で据え置きとなります。

41km~60km、61km区間については、それぞれ通常780円のところを950円、1050円のところを1250円に値上げをします。

「リバティ車両」に変更で午後割・夜割が一部区間で適用対象外へ

赤城駅17時以降発車・浅草駅を12:00~16:59までに発車する列車は午後割・夜割の特急料金が適用となりますが、「リバティ」は対象外となります。

ただし、リバティになっても特急料金の据え置きが行われる浅草~久喜間と通常特急料金520円区間については午後割・夜割特急料金320円が適用されます。

長距離の利用をする方は特急料金が変更となる場合がありますので、ご注意ください。

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