2020年4月24日、東武宇都宮線を走る唯一の「特急しもつけ」が一旦運転を終了しました。6月6日をもって廃止となることが発表されていますが、新型コロナウイルス感染拡大のため当分の間「特急しもつけ」を含む一部特急列車が4月25日から運休になっています。
当分の間ということになっていますが、もしこのまま廃止となれば4月24日が「ラストラン」ということになります。もし、仮に最終日のみ運転してしまうと多くの人が集まることとなり、新型コロナウイルスの感染拡大となってしまう可能性があるため、今後の運行の実施はもちろん新型コロナウイルス次第ですが、現段階では難しいでしょう。
特急しもつけ4月24日のラストラン(?)には多くの人が乗車
特急しもつけはJR宇都宮線の方が早く都内に出ることができ、特急しもつけに使用される東武350系車両はリクライニング機能がないなど特急列車としての設備としては不十分で、東武宇都宮線自体も全線単線であるため、JR宇都宮線の普通列車と比較しても速度が遅いことが利用客の少ない理由として考えられます。
宇都宮市から都内へはJR宇都宮線または東北新幹線で向かう人が多く、東武鉄道の株主優待乗車証を持っていて安く済ませようという人以外は、乗らないと思われます。
このまま運転が再開とならなければ「ラストラン」となる特急しもつけに乗ろうと鉄オタと思われる人たちが多くが乗車しました。その証拠に発車の約3時間前にも関わらず、窓側の座席がほぼ埋まっている様子が分かります。
Twitterの投稿者も新型コロナウイルスを意識してか「密です」とツイートしています。
東武線内で特急が特急を追い抜く光景もこれで最後に
特急しもつけのうち浅草へ向かう特急しもつけ282号は新栃木駅で特急きぬ110号に追い越される光景が見られましたが、現在のダイヤでは東武線内での特急同士の追い抜きはなく、今後見られることは無くなりそうです。
特急しもつけ廃止で首都圏で唯一在来線特急が走らない県庁所在地へ
かつてJR宇都宮線にも特急列車が走っていて「特急おはようとちぎ」「特急ホームタウンとちぎ」が運転されており、寝台特急「北斗星」などが運転されていた時期もありました。しかし、現在では宇都宮市を発着するJRの在来線特急は全廃となっています。
今回東武宇都宮線の特急しもつけが廃止されると、宇都宮市は首都圏のなかで唯一在来線特急列車が発着しない県庁所在地となります。
栃木県宇都宮市以外の都庁・県庁所在地を発着する在来線特急列車は以下の通りです。
都庁・県庁所在地の駅(都道府県名) | 走っている在来線特急列車 |
新宿駅(東京都) 浦和駅(埼玉県) 横浜駅(神奈川県) 千葉駅(千葉県) 前橋駅(群馬県) 水戸駅(茨城県) |
成田エクスプレス・あずさなど スワローあかぎ・草津など 踊り子・サフィール踊り子など 富士回遊・あずさ・成田エクスプレスなど あかぎ・スワローあかぎ ひたち・ときわ |
宇都宮市を発着するJR宇都宮線の普通列車ですら、年々本数が減らされてきているのも現状で、近年では東京方面への17時台の快速が廃止となっているくらいですので、今後特急列車が宇都宮市を発着することは可能性としてほとんどないと考えていいと思います。
まだ栃木県内の在来線特急としては日光方面の特急がありますが、残念ながら宇都宮市は経由しないルートで運転がされています。
特急しもつけの廃止で首都圏の中で、唯一在来線特急の発着しない県庁所在地となると少し仲間外れという感じがして寂しいですね。