11月12日、JR東日本は来年のダイヤ改正で既存の湘南ライナーを格上げし特急湘南にすると発表しました。明らかに値上げなのですが、一部では「ぼったくり」との声があり、実際に東海道新幹線より割高になっているので解説をします。

特急湘南とは?料金は倍額値上げ・全席指定席に改悪

まず使用される車両ですが元々中央線特急として使われていたE257系0番台を2000番台に改造したものです。車両は2001年製でそこそこ古いのですが、改造費用を安く抑えて工期も短くしたいという本社の意向が裏目に出て、車両が劣悪になった他現場にも負担を与えてしまいました。

実際に改造計画もかなり混乱し、改造途中のまま入出場を繰り返したり故障をしたりしました。記事を見ればわかりますが、営業運転している車両も傷の修繕や塗装などがいい加減だったり、デッキやフリースペースは全く手をつけられていません。これを大々的に「リニューアル踊り子」と宣伝している訳ですから一部から不満が出るのは致し方がないことです。

今走っている湘南ライナーは185系が使われており1981年製の国鉄車両です。最近の車両よりは頑丈な作りをしているとはいえ経年劣化が目立つ部分もあったりモーター音はかなりうるさいです。

ライナー料金の割にコストがかかっていた面も

乗車するにはホーム上の券売機で号車が指定されているライナー券を買う必要があるのですが、毎日長蛇の列ができます。不正乗車防止のためドアコックを使って特定のドアを開けて乗車時に切符の拝見を行うので、駅員の負担はかなりあります。

今回の改正ですが、全車指定席化ということで従来の指定席特急料金よりは安くなるのですが、自由席と比べたら割高になります。湘南ライナーは520円のライナー券で乗れていたのですが、来年からは指定席特急券が必要です。距離によって料金が異なり、東京から小田原だと1020円します。

全車指定席化することによって事前に予約できたり確実に座れるなどメリットがあるとは思いますが、「中央ライナー」「青梅ライナー」が特急「はちおうじ」「おうめ」に改正した時はあるトラブルが多発しました。

JR東日本が湘南ライナーを廃止した理由は?

全車指定席なので事前の予約が必要なのですが、ダイヤ改正と同時にホーム上の券売機の数を意図的に減らしたのです。JR東日本としては意地でもえきねっとを使って欲しいという意図があるのでしょうが、使いやすさがいまひとつな上に何らかの事情で使えない人がいます。

そのため解消されると思われた券売機の列は悪化して、発車時刻までに買えないという自体が起こりました。仕方なく券なしで乗った乗客が多数居たのですが、車内では「車内料金」という罰金のようなものが200円程度上乗せされるため、車掌とトラブルになるケースがありました。

また中央線では距離が短かったためあまり気になりませんでしたが、東京から小田原は51kmを超えるため従来のライナー券と比べて料金が約2倍になってしまいます。

結局乗客にとって大事なのは値段です。いくら利便性や乗り心地がと言われても今までより最大2倍になってしまっては乗る人がかなり限られるのではないでしょうか。

実際中央線の場合ほぼ満席だったライナーが特急になったことにより、8割程度になりました。東海道線では他の競合路線や普通列車グリーン車もあるのでさらに減るのではないでしょうか。

東海道新幹線の方が値段・利便性 JR東日本はどう対応していくか

致命的な点が東海道新幹線よりも特急「湘南」の方が高いという点です。東海道新幹線では当該区間の定期券を持っている人専用の料金が設けられており、東京から小田原が自由席で980円です。同区間が最新鋭N700Sで約30分、お下がりのE257系で約1時間20分で値段が高くて遅くなっています。

どんなに理由をつけようが、「従来より2倍になっている」「東海道新幹線より高い」というのは致命的ではないでしょうか。マニアックな観点から指摘するとE257系の改造は質素なのではなく明らかに適当です。サフィールとの差別化を図りたいのでしょうが、座りたいという乗客の気持ちに少々付け込み過ぎでは無いでしょうか?

まだ、特急「湘南」としてデビューはしていませんが、「単なる値上げ列車」ということで残念に感じられた人も多いのではないでしょうか?

鉄道コムのブログランキングに参加しています。1日1回投票をお願い致します。
鉄道コム
コメント一覧
  1. 鉄分補給処 より:

    直接競合になるのは小田急ロマンスカーが走る新宿〜藤沢・小田原間。で、JR東E257系と小田急GSE.VSEを並べて選ばせれば料金が安く設備も充実した(当然見た目も良い)小田急になるのは必至でしょう。東京・品川発着はE257系一択なだけに足下を見られたと思われても仕方ないかと。更に危惧すべきは無札乗車の増加。車内検札廃止で本来利用できない青春18きっぷでの乗車多発が話題になったが、例えば上りは小田原〜新宿間の乗車券を使い下りは新宿からは140円区間の乗車券で入場して小田原は自動改札のない早川や終日係員無配置の根府川からの乗車券で出場する、というケースも考えられる。それではコストカットどころか大幅減収を招くだけでしかない。

  2. tendon より:

    リニューアル車両とはいえe257も20年選手ですから2倍の値上げで、新幹線より高い値段で乗るほどの車両ではないですよね。
    車掌業務などが大変なのはわかりますが、自社の都合ばかり考えて乗客をないがしろにするのはどうかと。
    記事のとおりえきねっとも正直使いにくいですし。
    ここはJR東海のホームライナーを見習ってほしいですね。

  3. buschan より:

    私の場合は、今までは大船までロザ利用でしたが、指定席化されJR-Eポイントが貯まるのはメリットだと思います。

  4. 足柄平野は出し殻平野 より:

    特急湘南になり、別途料金がライナー料金520円から特急料金1000円前後(買い方によって異なる)に値上げされたのはまあ仕方ないと思いますが、値上げするのならば、スピードアップしてほしいです。
    東京~藤沢51.1km35分
    東京~茅ヶ崎58.6km41分
    東京~平塚63.8km45分
    東京~国府津77.7km54分
    東京~小田原83.9km59分
    くらいに。
    現行の特急湘南の東京~小田原間83.9km上り74~86分、下り69~72分という所要時間は特急料金の割には長すぎます。

    JR西日本の神戸線(東海道・山陽線)の特急「らくラクはりま」は
    大阪~明石52.5kmを34~40分
    大阪~加古川72.2kmを49~56分
    大阪~姫路87.9kmを60~67分
    で結んでいますし、同じくR西日本の神戸線(東海道・山陽線)の新快速は
    大阪~明石52.5kmを40分(朝通勤時上り43~44分)
    大阪~加古川72.2kmを52分(朝通勤時上り58~60分)
    大阪~姫路87.9kmを64分(朝通勤時上り68~72分)
    で結んでいます。
    時間的・精神的距離は大阪~姫路間87.9kmの方が東京~小田原間83.9kmより短く、姫路からの大阪市内通勤通学者は新幹線を使わないのが主流となっています(姫路は在来線による大阪通勤圏)。
    JR東日本の東海道線の通勤電車(普通、快速アクティー、特急湘南)もJR西日本の神戸線(東海道・山陽線)の新快速や特急らくラクはりまのペースを見習って、小田原を「新幹線を使わない、在来線の通勤電車だけによる東京通勤圏」としてメジャーにしてほしいです。

  5. 足柄平野は出し殻平野 より:

    特急湘南と快速アクティーは
    ・東京~藤沢51.1km35分
    ・東京~茅ヶ崎58.6km41分
    ・東京~平塚63.8km45分
    ・東京~国府津77.7km54分
    ・東京~小田原83.9km59分
    で結んでほしいですが、それだけでなく、朝通勤時間帯上り以外の普通電車のペースも現行の最速普通電車(小田原22:31発→東京23:46着の75分、詳細は※)のペースに揃えてほしい(朝通勤時上りは小田原~東京で85分以内)。

    ※最速普通電車の時刻:熱海22:09(97分)→湯河原22:14(92分)→真鶴22:18(88分)→根府川22:23(83分)→早川22:28(78分)→小田原22:31(75分)→鴨宮22:34(72分)→国府津22:39(67分)→二宮22:42(64分)→大磯22:47(59分)→平塚22:51(55分)→茅ヶ崎22:56(50分)→辻堂22:59(47分)→藤沢23:03(43分)→大船23:07(39分)→戸塚23:12(34分)→横浜23:22(24分)→川崎23:30(16分)→品川23:39(7分)→新橋23:43(3分)→東京23:46着、()内は東京までの所要時間

wp-puzzle.com logo
関連キーワード
JR東日本の関連記事

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事