山手線(※)はJR東日本が運営する鉄道路線です。
東京の都心部で環状運転を行っており、都心から各方面へと伸びる多くの路線と接続しています。
新宿駅、池袋駅、東京駅、品川駅などの世界トップクラスの利用者数を誇る複数の駅を結んでいることから、東京における最も重要な交通機関の一つとなっています。
1日の平均通過人員(1kmあたりの利用者数)は100万人を超えており、これも日本でトップクラスの数字です。
これらの事情から、東京のみならず全国的にも知名度の高い路線です。
本記事では、そんな山手線にちなんだゲームを紹介します。
※「山手線」という言葉にはいくつかの意味がありますが、この記事では最も一般的に使われているであろう意味合い、すなわち「ウグイス色の電車が東京都区部内を環状運転している路線」のことを指します。
山手線ゲームとは?
山手線ゲームは、古今東西ゲームとも呼ばれます。
宴会や合コン、キャンプファイアーなどの場でも定番の、ルールは単純でも盛り上がるゲームです。
遊び方は簡単で、参加者が輪になって座り、リズムに合わせてお題に該当する言葉を順番に回答していき、自分の番のタイミングで回答できなかった人、お題に該当しない言葉を回答した人、または既に出された言葉を回答してしまった人が負けというゲームです。
若干しりとりと似ていますが、リズムに乗れなかったら負けという、要するに時間制限があります。
リズムの取り方は、拍手を2回して回答して、また拍手を2回したら次の人が回答する、という形態が一般的だと思います。
山手線ゲームの重要な要素「お題」
お題としては、例えば国名、都道府県名、県庁所在地名、果物の名前、鉄道路線の名前などが考えられます。
そして古今東西ゲームでよく使われるお題の一つが「山手線の駅名」だったことが、山手線ゲームとも呼ばれる由来になったとのことです。
該当する言葉がある程度多いお題、ストックの多いお題の方が、ゲームをする上では楽しいでしょう。
「山手線の駅名」ならば30あります。
「都道府県名」「県庁所在地名」ならば47あります。
「国名」ならば、現存する国だけでも200近くもあります。
むしろ「現存する」国名に限定しないと、東ドイツ(正式にはドイツ民主共和国)……ぐらいならばまだよいですが、ムガール帝国やローマ帝国、ラピュタ帝国(架空の国)なども対象になってしまい、収拾がつかなくなります。
また、お題に該当する言葉なのかを、他の参加者が容易に判断できるお題とすることも重要でしょう。
例えば「素数」ならば該当する数字は無限にありますが、参加者が提示した数字が本当に素数なのかの確認は、桁が増えてきたら簡単ではありません。
対戦相手は選んでお題にした方がよいでしょう……
一方で、2つ3つしか該当する物がないようなお題、例えば「手にはめる物」などというお題を設定して、特定の参加者が負けるように仕向けるといったことも、状況によっては行われるとか……
山手線のゲーム
山手線ゲームに関する説明を終えたところで、続いて山手線「の」ゲームの話に移ります。
山手線は全国的に有名な路線ということもあって、しばしば鉄道運転シミュレーションゲームの題材になっています。
山手線の電車を運転できるゲームをいくつか紹介します。
Train Simulator JR東日本 山手線内回り
Train Simulatorシリーズは、音楽館が制作した、運転シミュレーションソフトの老舗シリーズです。
実写映像の使用、保安装置の正確な再現など、音楽館のシミュレーターの品質は大変高いです。
そのため、現在では実際の運転士を養成するためのシミュレーターも制作しています。
この「JR東日本 山手線内回り」はMacintoshおよびWindows用ソフトとして1998年12月18日に発売されました。
THE山手線 Train Simulator Real
こちらは2001年10月4日にソニー・コンピュータエンターテイメントから発売されたPlayStation 2用のゲームです。
このゲームは、ドアに荷物が挟まる、多客による混雑で遅延する、後続列車が遅れているため待たされる、車内で急病人が発生するなど、さまざまなハプニングが用意されていることが特徴です。
防護無線を受信したため非常停車を指示される
PS2用なので、現在プレイするのはなかなか難しいと思いますが、同種の他作品にはない面白さを持ったゲームと言えるでしょう。
鉄道博物館のシミュレーター
厳密にはゲームとは言い難いのですがあえて紹介します。
埼玉県さいたま市の鉄道博物館には、複数の運転シミュレーターが設置されています。
その中の一つが、三菱プレシジョン製の山手線205系シミュレーターです。
映像は実写で、1987年頃撮影とのことです。
0系新幹線などの大変懐かしい車両が多数登場しますが、沿線風景もとても懐かしいです。
昭和末期を感じられます。
以前は、鉄道博物館に同じく三菱プレシジョン製の200系新幹線のシミュレーターが設置されていましたが、こちらは老朽化のため既に撤去されています。
山手線シミュレーターについても、いつまでも安泰ではないと考えられますので、興味のある方は早めに運転することをお薦めします。
電車でGO! シリーズ
現在おそらく最も有名な運転シミュレーターゲームのシリーズが「電車でGO!」シリーズです。
アーケードゲームはタイトーが制作しており、家庭用ゲームについてはシリーズ当初の作品は同じくタイトーから発売されています。
2010年にタイトーの家庭用ゲーム部門がスクウェア・エニックスに吸収合併されてからはスクウェア・エニックスから発売されています。
実写映像を使用しているTrain Simulatorシリーズとは対照的に、電車でGO!シリーズはCGで風景を再現しています。
1997年にアーケードゲームとして稼働した第1作から山手線が登場します。
第1作では内回りの渋谷駅から東京駅まで、205系電車を運転することができました。
そして最新作はその名も「電車でGO!! はしろう山手線」です。
PlayStation4版が2020年12月3日に、Nintendo Switch版が2021年3月18日に、スクウェア・エニックスから発売されました。
このゲームでは内回り(反時計回り)のみですが、山手線の全区間を運転することができます。
一周することも、フリー走行ならば何周も運転することもできます(実際にやるかは別として)。
また、現在の山手線の電車は全てE235系ですが、過去に山手線を走っていた電車も運転できます。
山手線内回りと並走する各種路線、上野東京ライン、埼京線、京浜東北線なども、並走している区間のみ運転することができます。
2020年に開業したばかりの高輪ゲートウェイ駅も登場します。
一方で、渋谷駅の貨物線ホーム(埼京線、湘南新宿ライン、成田エクスプレスなどのホーム)は、同じく2020年に電車線(山手線)のホームと並びましたが、このゲームでは並んでいないです。
また、山手線と並走する路線には、発売時点で引退済みの車両も登場します。
あまり気にする人はいないかもしれませんが、これらの点は「そういうもの」と理解してプレイした方がよいでしょう。
ともあれ、第1作の画像と比較すると、映像技術の大きな進歩を実感できます。
シリーズからしばらく離れていた人も、一度プレイしてみる価値はあると思います。
渋谷駅を出発(第1作の画像とほぼ同じ場所)
まとめ
山手線にちなんだゲームについて述べてみました。
改めて日本の鉄道における山手線の存在感の大きさを実感しました。
一人で運転シミュレーションをするもよし、家族や友人と山手線ゲームを楽しむのもよし。様々な方法で山手線にちなんだゲームを楽しんでみましょう!