2020年3月13日ラストランとなる251系「スーパービュー踊り子」。今回はそのグリーン車とグリーン個室について乗車してみたのでその様子をレポートしていきたいと思います。また、グリーン車以外の車内の様子についても紹介していきます。
スーパービュー踊り子グリーン車・グリーン個室に乗ってみた
今回は伊東駅から東京駅までグリーン車とグリーン個室を利用してきました。まず、乗車する前にアテンダントさんに特急券を見せなくてはなりません。全席指定席の特急のため特急券を持っていない人は車内に立ち入れないようにするためだと思われます。
普通車とグリーン車で乗車する位置が異なり、グリーン車を利用する乗客に対して配慮がされている。今回はグリーン車利用なので2号車の扉から乗車していきます。
まずはグリーン車と普通車でどう違うのか比較するため、普通車から紹介していきます。
まずはスーパービュー踊り子の普通車など車内を散策
時系列がずれていますが、まずは普通車から紹介していきます。普通車は先頭車両のグリーン車と同じでハイデッカー構造となっています。座席についてはリクライニング機能と座面が動く機能がついていました。
座席の後ろ側には座席のリクライニングについての説明が書いてありました。座席後ろにはテーブルがついていないのが、このスーパービュー踊り子普通車の特徴です。個人的には座席後ろにテーブルがついているとお弁当を食べたりということができてよかったのではないかなと思いました。
普通車指定席には頭上に荷物を入れるための荷棚が設置されています。伊豆へ宿泊のために旅行する人はやはりキャリーケースなどの大きな荷物は必須ですので、2+2の座席配置のため2人分のスーツケースが入るような大きさになっていました。
スーパービュー踊り子に使われる251系は乗降できる扉がいくつかありますが、先ほど乗車の時にアテンダントさんが特急券を確認する2つの出口のみ扉が開きます。
ただし、湘南ライナーに使用される時と終着駅に到着したときにはこの扉が開きます。あまり、こういった方式で運転している列車はあまりないので珍しいと感じました。
普通車でも前面展望が楽しめる10号車へ
展望車となっている10号車の指定席は1列目から3列目までは座ったままでも前面展望を楽しめます。車体がカーブしている関係で天井の部分がカーブしていることがお分かりいただけると思います。ただし、この車両には荷棚が設置されていないので大きな荷物を持った人にとっては中間車の普通席の方がいいと思う人もいたかもしれません。
指定席の10号車はダブルデッカー構造となっており、車両の後部から下に行くと普通の階段ですが・・・
10号車の前側から降りるとらせん状の階段で降りることができます。らせん状の階段がある特急車両は全国でも珍しいのではないでしょうか?
10号車の1階部分はプレイルームと多目的室になっていた
今考えると1階部分を子供用のプレイルームとして設置するのはなかなか贅沢な使い方だと思いました。
ちなみに柔らかそうな見た目をしていますが、実はそんなにソファーのような柔らかさではありません。画像に写っている「大きなお友達」は思いっきりヒップドロップをかましてお尻を痛めていました。
同じ1階部分には多目的室が設けられていて、使用する時には窓のカーテンが閉められるほかプレイルームからも見られないように遮蔽できるような仕組みになっています。おむつの交換などもできるように代が設置されているほか、ごみ箱も設置されていて乗車した子連れの乗客に配慮された作りになっています。
実は同じ普通車でも座席の色が異なり青系の配色の座席と、赤色の配色の座席があります。視覚的にも飽きさせないようにという意図があったのかもしれません。
スーパービュー踊り子のグリーン車の座席から紹介
グリーン車の1号車は前面展望が見られるようになっており、東京・新宿発では進行方向、伊豆急下田発では進行方向と逆方向の景色を楽しむことができます。JR東日本昼行特急としては最後のダブルデッカー・ハイデッカー車である「スーパービュー踊り子」ですが、後継となる「サフィール踊り子」ではハイデッカーが採用されていないため、この景色を見れるのも過去のものとなります。
こちらが、「スーパービュー踊り子」のグリーン車の座席です。窓枠の柱にはテーブルが設置されているのが分かります。引退間近の座席とあってずいぶん使い古された感じがありますが、1990年代に誕生した特急の座席としてはかなりハイグレードな座席だったのではないでしょうか?
また、座席配列は1+2となっており、夫婦旅行やカップルでの旅行と一人旅のニーズを意識した座席配置になっています。
また、1号車はダブルデッカーとなっており、1階部分はサロン室となっています。テレビもブラウン管テレビとなっており、「調整中」となっていましたが、二度と動くことはないでしょう。ブラウン管テレビの下には「VHS」のビデオデッキが設置されていました。見た目的には新しいと感じる方もいると思いますが、やはりこういったものや車内の至る所で「結構古い列車なんだな」という印象は受けました。
スーパービュー踊り子のグリーン車個室に乗ってみた
今回はグリーン車だけではなくグリーン個室にも乗車してきました。一人で乗ることにはお金がかかってしまうので他の方にも乗車してもらいました。やはり個室とあって静粛性が保たれているほか、1階部分は個室利用者のための通路となっているので、他の利用者が個室の前を通り過ぎることはあまりないです。
個人的にはスーパービュー踊り子のグリーン個室はかなりいい設備だと思いました。リクライニングは背中のところは固定されていますが、腰の部分と座面については動く仕組みになっていました。
グリーン個室に腰を下ろしてすぐに「おしぼり」が人数分配布されました。これは東海道新幹線のグリーン車でも使われる「めんです」という日清紡が作っているもので、大判のおしぼりという特徴の他、洗えば繰り返し使えるという特徴も持っています。「スーパービュー踊り子」のおしぼりということもあり「SVO」の文字とスーパービュー踊り子のロゴも印刷されています。
グリーン個室にはインターフォンがついていましたが、かなり年式の古いもので「National:現パナソニック」の文字が書いてあります。押すと呼び出し音が鳴りますが、今にも壊れそうな音でした。「サフィール踊り子」のグリーン車個室にはインターフォンはついているのでしょうか?
ちなみにスーパービュー踊り子のグリーン車・グリーン個室に乗車するとドリンクの無料サービスがあります。これは「踊り子」のB特急料金と比較して高額なA特急料金が「スーパービュー踊り子」に適用されているということが一つの理由かもしれません。今回伊東~東京間を乗車しましたが、ドリンクのサービスは横浜到着前に「これで最後です」とアテンダントさんから言われました。
「サフィール踊り子」でドリンクのサービスは引き継がれているのかも気になる点ですね。
途中駅ではスーパービュー踊り子同士のすれ違いが行われていました。このアングルからスーパービュー踊り子を見る機会ももうないと思います。
列車から見える綺麗な景色
スーパービュー踊り子から見える伊豆の景色は綺麗でした。「スーパービュー踊り子」が無くなってもまた伊豆には行ってみたいなと思える素敵な列車だったと思います。是非伊豆に旅行へ行った際には「サフィール踊り子」にも乗車してみてはいかがでしょうか?