静岡県にある三島駅から修善寺駅を結ぶ駿豆線を走る伊豆箱根鉄道7000系。伊豆箱根鉄道自体かなり面白い路線ですが、今回は7000系の魅力を紹介していきたいと思います。
JR東海に直通拒否され製造が2編成で打ち切りに
伊豆箱根鉄道7000系は、1991年と1992年にそれぞれ1編成ずつ計2編成が東急車輛製造(実際は東急車輛の委託により新潟鐵工所が担当)によって製造されました。元々JR東海と直通するためにハイスペックに設計されましたが、車両によってドア数が違うことや全席転換クロスシートなど扱いにくい点があり、JR東海側が直通を拒否したため宝の持ち腐れと化してしまいました。製造費が高い等の理由で、製造は2編成で打ち切られてしまい3000系が増備されることになりました。そんな悲惨な出来事があった7000系ですが、直通を目指したのもあって数々の面白い点あります。
車両性能は211系に勝る
JR東海との直通用に製造されたため、方向幕には熱海や沼津、富士などもありましたが現在では撤去されています。先頭車の屋根にJR列車無線用アンテナ取付座や、JR東海のATS-ST形への対応のため運転室にATS切替スイッチがありましたが、同様に撤去されています。運転台も既存車両の3000系のワンハンドル式ではなく、211系と配置が同じ縦横軸併用ツインレバー式が採用されてるなど、直通する気満々だったことが伺えます。窓配置も当時JR東海が増備中だった311系と同じです。
車両性能は211系より高性能です。加速切替装置がついており、「低」が自社線内で「高」がJR線内といった使い分けです。
起動加速度
- 低…2.4km/h/s
- 高…3.0km/h/s
JR東海211系(2M1T)の起動加速度が2.5km/h/sなので、7000系の方が性能が高いです。それだけ気合いが入っていたということだと思いますが、スイッチを「高」にする日が訪れることはないでしょう。駿豆線の最高速度が85km/hなので最高運転速度100km/hというのも過剰ですね。性能以外にも車内を紹介していきます。
3両編成で車内は静岡地区では珍しい全席転換クロスシートになっています。座り心地は割と良く211系はもちろん、唯一JR東海と直通している185系よりも良いと思う人もいるかもしれません。
中間車は元々指定席車両でしたが利用客が少なかったことから1998年に廃止され全車普通車自由席となりました。指定席として設計されたこともあり、全国的にも普通列車では珍しい2ドアとなっています。よって7000系が来た時は、2号車真ん中の乗車位置で待っていた人が乗れないという事態も発生してしまいます。
指定席とだけあって中間車は造りが他の車両とは異なります。先述の2ドアということ以外にもシートピッチが一部異なり、固定席を含む部分だけ明らかに違います。転換クロスシートとはいえ普通列車ですからボックスにすると足が少々狭いですが、中間車の一部の席はとても広々としていて違いは一目瞭然です。
その他にも特徴はありますが、もっと知りたいと思う人は動画を見てください。当記事の画像は全て謎のチャンネルさんから提供して頂きました。