2020年9月27日、JR東海道新幹線は13時13分ごろ発生した静岡県を震源とする地震の影響で運転を一時見合わせました。また、この影響でJR東海道線も熱海~浜松間で一時運転を見合わせました。
約40分間運転を見合わせ、14時頃に運転を再開しましたが、遅れや運休などの影響が約3時間にわたって発生しました。
【東海道新幹線】静岡県の地震で最大1時間程度列車が遅れる
気象庁によると13時13分ごろに静岡県西部を震源とする最大震度4の地震を観測しました。
この影響で東海道新幹線は新富士~三河安城間で「地震防災システム」が作動し、運転を見合わせました。
40分間運転を見合わせた理由としては「地震防災システム」の作動してしまったことが挙げられます。
JR東海の地震防災システム「テラス(TERRA-S)」とは?
地震防災システム「テラス」では、東海道新幹線では地震動のP波(初期微動)から新幹線の影響度を判断しています。
つまり、影響がないと判断できれば警報は発しませんが、影響があると今回判断されたので、送電停止・停電をさせることによって、早期に列車を安全に停車できるようにするような防災システムが採用されています。
しかも、東海道新幹線の防災システムの特徴的なところはSは(主要動)が沿線に到着する前に列車の速度を低下させることができることです。これにより主要動による脱線の可能性を低減・防止することができます。
また、今回の地震の影響で運転見合わせとなった東海道線「テラス」が活用されこちらについても影響度を判断して必要な場合は列車の運転士に情報を伝達する「地震早期伝達システム」が使用されています。
※JR東海は「東海道新幹線早期地震警報システム(テラス)」「沿線地震計」「気象庁からの緊急地震速報」の3点から構成されています。この3点を元に判断します。
【あまり知られていない】「JR東海の営業エリア外」にも地震計が設置されている
JR東海では「沿線地震計」を沿線の地震を細かく判断するために設置しています。その数は新幹線で50か所、在来線で39か所設置されています。
沿線地震計は「JR東海の営業エリア」にとどまらず、早期に大地震を検知するために淡路島や西茨城などに設置されていて、乗客の安全確保に向けて多額の投資をしていることが分かります。
今回の震度4の地震で約40分ほど運転を見合わせてしまいましたが、「乗客の安全を守るそれなりの理由があった」ということは覚えておいてもいいかもしれません。
今回の件とはあまり関連がありませんが、東海道新幹線が「4連休でも満席にならなかった理由」を掲載しています。「高速道路は渋滞、航空機はなぜ満席だったのか」という疑問を持っている方は読んでみてください。