JR篠ノ井線の松本〜塩尻間には「特急あずさ」と「特急しなの」の2種類の特急が走っています。どちらも同じ特急ですが、同一区間でも一方の指定席よりももう一方のグリーン車の方が安いと話題になっています。そこには「特急あずさ」の特殊な料金設定が深く関わっていました。
グリーン車より普通車の方が高い
鉄道系YouTuberの謎のチャンネルさんは「特急しなの」と「特急あずさ」の料金設定に疑問を呈しました。松本〜塩尻間の「特急しなの」の指定席特急料金が1490円に対して同一区間の「特急あずさ」の指定席特急料金は760円です。さらに「特急あずさ」のグリーン車と比較しても1280円と「特急しなの」の指定席の方が高いのです。これには多くの人の反響を呼びました。
どちらも松本〜塩尻間での停車はありませんので所要時間はほとんど変わりません。「特急あずさ」は一部に列車がそもそも塩尻に停車しませんし車両が最新鋭な上全車指定席なので格上に思えるのですが料金は安いのです。なぜこのような現象が起こるのか解説していきます。
50kmまで | 100kmまで | 150kmまで | 200kmまで | 300kmまで | 400kmまで | |
しなの指定席特急料金 | 1290円 | 1730円 | 2390円 | 2730円 | 2950円 | 3170円 |
あずさ指定席特急料金 | 760円 | 1020円 | 1580円 | 2240円 | 2550円 | 2900円 |
「特急しなの」と「特急あずさ」の指定席特急料金を比較するとその違いがわかると思います。JR東海はしなのをA特急としている一方、JR東日本はあずさをB特急としていることも料金差の理由の一つですが、グリーン車と比較しても料金が逆転しているのにはあずさの全車指定席化が大きく影響しています。
ダイヤ改正により乗客は今まで50kmまで自由席を520円で利用できていたものが、指定席しか選択出来なくなったことにより短距離でも指定席1050円を払わざるを得なくなりました。そのためJR東日本ではあずさを含む全車指定席の在来線特急は独自の料金設定にして、「自由席から値上がりした」ではなく「指定席が安くなった」としています。
営業キロ13.3kmの松本〜塩尻間は特急料金50kmまでが適用されます。しなのには繁忙期料金があるので200円加算してそれぞれ1490円と760円です。あずさはグリーン車でも1260円で、繁忙期料金がないのに加え、現在チケットレス割があるのでえきねっとからチケットレスで申し込むと普通車460円になります。
以上のような背景から、同じ区間でも「特急しなの」と「特急あずさ」では料金が大きく変わってくるのです。またあずさの料金表をみると200kmまでより100kmまで×2の料金の方が安いことがわかります。短距離で乗る人に割高感を感じさせないように料金設定した結果ですね。なので区間によっては分割して購入したほうが安くなる場合があります。
まあ…
その区間なら普通列車も本数がそれなりにあり、特急の乗客は名古屋方面⇔松本・長野、新宿方面⇔松本・大糸 の乗客ばかりで
松本⇔塩尻 だけ特急に乗る物好きも、まずいないだろうから、金額差など有意の問題にはならない区間だろうが…