JR西日本は最終電車を繰り上げするなどダイヤの見直しを行うと発表しました。開始時期は2021年度春から、次の3月のダイヤ改正から実施されるものと思われます。
ただ、今回の発表はあくまで「検討します」ということで、必ず行われるとは限らないということはご承知いただきたいと思います。
なぜ最終電車繰り上げなどダイヤを見直すのか?
今回、JR西日本は「最終電車繰り上げ」などダイヤ変更をすると発表しました。ダイヤ変更の内容は次の通りです。
- 近畿エリアの主要線区を対象に10~30分程度の終電繰り上げ
- これにより運転本数を約50本削減する予定
- 東京発の最終「のぞみ」との接続を可能な限り確保する
- 最終のぞみは新大阪23時45分着
- 可能な限りと書いてあるので今後接続しない列車も
- 詳細は9月頃の発表を予定している。
【理由】深夜帯に線路を保守点検する作業員が確保できない現状・利用時間帯の変化
JR西日本が今回の最終電車繰り上げが行われる理由は「保守点検の人員が確保できない」「利用客の帰宅時間が早まっていて深夜帯の利用が少ない」ということが挙げられています。
特に線路保守の作業員の確保の問題が深刻で建設業全体では12%減に対して、JR西日本は23%減となっています。
JR西日本は土休日に休みが取りにくい線路保守業務に携わる人の労働環境を改善したいという考えです。
また、乗客の利用時間帯にも変化が出ています。2013年度の利用と2019年度の利用を比較した場合、22時以降の利用が減少しており、24時台は特に15%減となっています。
【乗客側から考える】利用者の20~30%は終電繰り上げに反対も実際に利用している人は限局的
JR西日本は終電繰り上げについてアンケートを実施しました。
その結果によると終電繰り上げに対しての反対意見は利用客の20~30%になっていますが、終電の利用頻度について聞いてみると週1回以上利用する人は全体の4%にとどまり、56%は利用しないと回答しています。
もし、仮に終電を見直したとしても影響は少なそうです。
また、終電繰り上げに反対している人の中でも私鉄・最終の新幹線に接続するという条件が付くと9%に減少、それに加えて夜間イベントに合わせた臨時列車を運行する条件だと8%に減少するという結果が出ました。
このデータからは反対意見の多くは最終列車が早まることで新大阪駅から自宅に帰れなくなるのを懸念している人が多そうです。
このデータなどを元に9月に詳細が発表されるので、今後の情報にも注目です。