今回は2020年3月から大きく変わる近鉄特急の未来について書いていこうと思います。実は新型名阪特急「ひのとり」をきっかけに、今までの近鉄特急から大きく変わろうとしています。
内容としては、名阪特急を中心に近鉄特急がどう変わるのか?それに伴って「特急格差問題」はなくなるのか?ということを中心に書いていくほか、「ひのとり」の時刻表や設備についても紹介していきたいと思います。
あともう一つ注目していただきたいのは、今回の「ひのとり」の導入で「近鉄特急全体」が変わる予定です。単に新型車両を入れるだけではないということを分かっていただけたら幸いです。また、調べた中で大阪難波~近鉄名古屋まで所要時間が1時間台になる構想も見えてきました。
今回の記事は現在発表されている情報と未来予測の部分を書いています。まだ発表されていない未来予測については「うわさ」程度に見てもらえばと思います。(とはいえ、ある程度根拠があるので掲載しています。詳細について答えられない場合があります。)
もしかすると「アーバンライナー」のDXシートが消滅するかもしれないという話題も合わせて掲載しています。(まだ公式発表はありませんが可能性は高いです。)
そもそも「ひのとり」ってなに?
「ひのとり」は新型名阪特急として導入される車両で「80000系」という車両です。
6両編成×8編成、8両編成×3編成の合計11編成で72両製造されます。(中間運転台がついているらしい)
「ひのとり」導入で「アーバンライナー」置き換えへ
「ひのとり」は現在の名阪特急「アーバンライナー」を置き換えます。これはすでにプレスリリースでも発表されていることなので確定事項です。
ただし、2020年3月14日時点では「ひのとり」が全て置き換わるわけではなく、6両編成×3編成のみの運行となります。そのため、デビューしたばかりの時期は「アーバンライナー」も走る予定です。
「ひのとり」は2020年度中に全ての「アーバンライナー」を置き換える予定です。(近鉄からプレスリリース発表済み)
運行開始時期と運行区間
運行開始時期は2020年3月14日から運行されます。
運行区間は主に大阪難波~近鉄名古屋間です。一部大阪難波~近鉄奈良間で運行されます。現在のダイヤのままなら早朝と夕方を中心に走るのではないかと考えられます。
「ひのとり」は他の近鉄特急と料金・設備面で差別化 格安路線から転換
※レギュラーシートは80キロまで100円、81キロ以上は200円の特別車両料金が必要です。
今回から特急料金に「プレミアム特別車両料金」が必要となります。すでに観光特急しまかぜには導入されていましたが、名阪特急としては初めての導入となります。
後ほど説明しますが、大阪難波~近鉄名古屋間が「1時間50分台」で運転することを目指している近鉄の構想が見えてきました。(あくまで予想ですが、速度向上工事が合わせて実施されています。)
今までどちらかというと「格安路線」でしたが、今回から方針を転換して「付加価値」を求めた車両・料金体系になっています。ある程度新幹線で移動する人を奪おうと考えているかもしれませんね。
その他の特急と乗り継ぐ場合は「プレミアム特別車両料金」は「ひのとり」乗車区間分の乗車キロのみ計算します。
「ひのとり」の豪華な設備の紹介
プレミアムシートは近鉄版グランクラス?
プレミアムシートは近鉄特急の「グランクラス」といっても過言ではありません。(食事のサービスはないですが・・・)
設備は東海道新幹線のグリーン車と遜色なく、さらに電動レッグレストがついているなど豪華な設備となっています。
レギュラーシートと同じく大型テーブルを展開して使用できます。
実際にプレミアムシートに座ってみた
きんてつ鉄道まつり2019でプレミアムシートの体験があったので実際にプレミアムシートに座ってみました。このようにリラックスしながら大阪難波~近鉄名古屋まで移動できそうですね。前後の座席もかなり広くしたようです。(前後間隔130cmで日本最大級だそうです。)
リクライニングは全て電動リクライニングとなっています。オレンジのボタンは座席をあっためる装置がついていて、よりリラックスできるようになっています。
「ひのとり」の一番前と一番後ろの車両に設置されているプレミアムシート。
「しまかぜ」のように前の景色も楽しむことができます。
「しまかぜ」と同じく大型ロッカーが追加
今回から新たに大型ロッカーが設置されました。ただし、見た感じだと1か所に8個しかないので有料ではないかと思います。(無料か有料なのかは分かりません。)
1つ気になる点があって27番と28番のロッカーの形状が少し違うんですね。なぜなのかは分からないです。
近鉄特急のおしぼりは継続! デザインも変更?
よく見ると先ほどの大型ロッカーの画像に「おしぼり」と書いてあるので、「おしぼり」のサービスが「ひのとり」でも継続なのはほぼ確定です。
近鉄特急ではおしぼりのサービスがあり、1列車1つまで無料で取っていいことになっています。従来はトイレに設置されていたので、「ひのとり」でドア付近に「おしぼり」を設置するのは今回が初めてではないでしょうか?
2020年から配布されるおしぼりのデザインが変わるのが楽しみですね。
レギュラーシートも「ひのとり」で豪華に
レギュラーシートも「ひのとり」で大きく変わります。座席コンセントも1人で1つ完備。大型テーブルも今回から新たに導入されました。近鉄がビジネス客も取り込みたいという気持ちが伝わってきますね。従来のアーバンライナーにはレギュラーシートにコンセントがついていなかったのでありがたいですね。
名前はレギュラーシートですが、設備がこれだけ充実しているのでJRで言えば「グリーン車」といってもいいと思います。
「ひのとり」では車内販売が消える?カフェとお菓子の自販機設置
今回近鉄特急としては新しく「カフェスポット」が設置されました。コーヒーやお菓子などを販売するとのことです。設置個所はプレミアムシートが近い両端車両のデッキに設置されます。
プレミアムシートのある車両はハイデッカー構造で、「しまかぜ」と同じく階段があるため、プレミアムシートに限ってはワゴンを使った車内販売はできません。
今回自販機が設置されることによって車内販売が消えるかもしれませんね。あくまで予想です。
2020年3月14日からの時刻表
まだ未発表ですが予想される時刻表も掲載しておきます。
平日(大阪難波発)
- 8時00分
- 10時00分
- 13時00分
- 14時00分
- 16時00分
- 20時00分
土休日(大阪難波発)
- 8時00分
- 9時00分
- 11時00分
- 15時00分
- 16時20分
- 19時00分
平日(近鉄名古屋発)
- 7時00分
- 11時00分
- 13時00分
- 17時00分
- 19時00分
- 20時00分
土休日(近鉄名古屋発)
- 8時20分
- 12時00分
- 14時00分
- 16時25分
- 18時00分
- 19時00分
「ひのとり」で近鉄特急全体が変わる!これからの近鉄特急はどう変わるのか?
近鉄特急はどのように変わっていくのでしょうか?「ひのとり」導入前と導入後を比較してみましょう。(今回は名阪特急を中心に書くので、伊勢志摩方面などについては省略します。)
2020年3月13日まで(ひのとり導入前)
近鉄特急はたくさん種類がありますが、分かりやすく現在走っている「アーバンライナー」と「汎用特急(アーバンライナー以外)」「古い近鉄特急」について書きます。
これが2019年現在のおおよその図で、ひのとり導入前の近鉄特急おなじみの光景だと思います。
ひのとり導入でどう変わっていくでしょうか?(ここからはあくまで予想ですが、ある程度根拠があるので掲載しています。)
2020年3月14日から(ひのとり導入期)
2020年3月14日から「ひのとり」が先行して3編成導入されます。この時期からもしかすると大阪難波~近鉄名古屋が1時間台で走破する可能性があります。(後で理由は解説します。)
2020年4月1日から「改正健康増進法」が施行されます。この法律は公衆の列車内での喫煙を禁止する(喫煙ルームを除く)法律で、近鉄特急も古い車両についている「喫煙車両」も例外ではなく「喫煙車が営業停止」します。関係者によると「喫煙車両は閉鎖する計画」とのことです。
また、近鉄特急の古い車両は1960年~1970年に製造されたもので車齢(車両の年齢)は60~50年で沿線の方ならご家族のおじいちゃんが子供のころに乗っていてもおかしくない、そんな車両です。
「アーバンライナー」は汎用特急に改造?コンセント設置か
現在のアーバンライナーを汎用特急に改造する計画がある「うわさ」を聞いており、現在の座席などを取り換え現在レギュラーシートについていないコンセントなどを付ける可能性があります。(コンセント付くかについては信ぴょう性は薄いですが可能性としてはあります。)
2019年現在、遅い特急にはコンセントがついていて、アーバンライナーのレギュラーシートにはコンセントがついていない「設備面の逆転現象」が起こっています。これを是正する狙いがあるのではないでしょうか?
比較的新しい汎用特急は現在とあまり変わらず継続して運行されるのではないかと思われ、古い車両が引退したら代わりとして運行すると思われます。
「アーバンライナー」のDXシートは消える?
また、汎用特急への転属に伴い「全席レギュラーシート化」が行われるという「うわさ」も聞いています。確かに、長時間の乗車をしない京都線や橿原線で「DXシート」があっても空気輸送になってしまいますし、比較的可能性は高いのではないでしょうか?
そもそも「アーバンライナー」という名称自体も汎用特急化で残るのかという疑問が残ります。名称なしの方が乗客の方には分かりやすいかもしれませんね。
2021年3月ダイヤ改正以降(ひのとり置き換え後)
現在、名阪特急は「アーバンライナー」で走っていますが、2021年3月のダイヤ改正以降は全て「ひのとり」で運転される予定です。(これは近鉄のプレスリリースで発表済みのことです。トラブルがなければ予定通り実施されるでしょう。)
「アーバンライナー」は座席の取り換えやコンセントの設置など汎用特急に向けた改造が行われると思われます。改造後は京都・橿原線・奈良線で6両編成で運転されると思われます。(8両編成は可能性としては低そうですね。)また、名阪乙特急(名阪特急の停車の多いタイプ)に8両編成で使われる可能性があります。
古い特急(12200系という形式)はこの時期までに多くは廃車される予定で、これは近鉄のお客様センターが回答しています。ただ、一部団体列車に改造するとの「うわさ」も聞いています。
新型名阪特急「ひのとり」で大阪難波~近鉄名古屋まで1時間台になるかも?(完全予想)
実は新型名阪特急「ひのとり」導入で、近鉄に大阪難波~近鉄名古屋までを1時間台で結ぶ構想があるのではないかと予想しています。
2019年現在の「アーバンライナー」最速は?
2019年ダイヤで最速は2時間5分です。現在のダイヤでは確かにこれ以上の時間で走るのは難しいですが、実はカーブの制限速度を最大25km/hアップする工事を行っていたことが分かっています。
その他にも制限速度を10~5km/hアップを行っている区間が数か所あり、「ひのとり」に関連した速度向上工事という「うわさ」を聞いています。(工事内容について詳しく知りたい人は関連記事からご覧ください。)
工事期間としては2019年に終了したと思われる工事がほとんどで「ひのとり」と関連している可能性が高いと思われます。(普通なら目的がなければ工事はしないと考えます)
かつては名阪ノンストップ特急も運転(津を通過)
かつて名阪ノンストップ特急(鶴橋~近鉄名古屋無停車)が運転されていました。この時の最速ダイヤは2時間4分でした。三重県の県庁所在地の津を通過する列車でしたが2012年3月に廃止されています。
名阪間が1時間50分台になれば乗客の印象も変わる?新幹線の利用客を奪えるか?
現在は名阪間が最速2時間5分ですが、速度向上工事を行っていること考えると、1時間59分など1時間50分台にすることは可能だと思いますし。そのために各所で速度向上工事を行ったのではないかと考えられます。
今回1時間50分台にすることが可能であれば、近鉄としては大きく宣伝できることになります。「2時間を切った」ことを大きくアピールすることができます。
大阪市内や大阪難波を拠点に新幹線で名古屋まで移動する場合(地下鉄御堂筋線・東海道新幹線経由)、「のぞみ」で1時間20分前後、「ひかり」で1時間35分前後となっています。
「ひのとり」で移動する場合1時間50分台になれば、「新幹線と30分しか変わらない」ということになります。
東海道新幹線と比べて「ひのとり」はいくら安い?
30分しか変わらないですが、注目したいのは価格面です。
大阪難波から新幹線で名古屋に行く場合は新幹線自由席で6220円です。
一方「ひのとり」は大阪難波から近鉄名古屋までレギュラーシートで4540円で1680円安く、プレミアムシートを使ったとしても780円安くなります。(近鉄特急は全席指定です。)
2020年3月14日からの「ひのとり」がどうなるのか楽しみですね。近鉄にとっても大きな転換期になるでしょう。