特急踊り子で使用されている185系がE257系2000・2500番台で置き換えされることが発表されました。
そろそろ青春18きっぷシーズンですが、ムーンライトながらで使用されている車両は踊り子と同じ車両の「185系」が使用されています。ということは最悪の場合廃止になることも考えられ、存続するにしても使用車両の変更は避けられないものと思われます。
そこで今回は「ムーンライトながら」今後廃止になるのか、存続になるのか、使用車両はどう変わるのかを考えてみたいと思います。
「ムーンライトながら」は廃止?問題点について考える
185系置き換えで「ムーンライトながら」は廃止になるのか?存続になるのか?について考えていきたいと思います。
収益性に問題あり?運転日数は2019年冬に最低を記録し、1月の運転がなくなる
2019年度の冬の「ムーンライトながら」の運転日は東京発で20~30日で前年に比べて2日減って合計11日の運転となってます。また、2020年1月の運転が消滅することとなりました。(一度なくなると復活は難しいでしょう。)
JRとしては年々運転日を減らしていることから、あまり儲かっていないのではないでしょうか?もし儲かっていれば運転日は増やすはずです。少なくとも縮小傾向なのは間違いないと思います。
また、青春18きっぷで東京~大阪間を移動されるより普通運賃と特急券を買ってもらって東海道新幹線で移動してもらった方がJRとしては儲かるはずです。また、沿線にお金も落ちますし、沿線にとってもいいことだと思います。(東京~大阪まで18きっぷ利用の人がお金を落とすという感じではない)
JRに青春18きっぷの他に追加で入る収入は指定席券の520円のみ。しかも毎年のように指定席券が転売ヤーの餌食になってしまっているのが現状です。(1枚1000円~2000円で転売されていました)
JRにとって「ムーンライトながら」は収益性のあるものとは思えません。青春18きっぷのポスターも無くなりましたし、青春18きっぷ自体がポスターで広告をするほど儲かっていないのではないでしょうか?
国鉄からJRに引き継がれた「ムーンライトながら」は時代に合っているか?一般人は乗らない列車?
「ムーンライトながら」の前身は国鉄時代から走っていましたので、国鉄から引き継いだものと考えていいと思います。JRが走らせたい列車ではなく慣習的に走らせているだけではないかと考えることもできます。
国鉄の時は国民の移動手段だったかもしれませんが、今は高速バスも飛行機も自家用車だってあります。JRも利益を求めていますし、個人的には採算の合わない列車は残ると思いません。では、採算の取れない「ムーンライトながら」令和の時代に合っているのでしょうか?
そもそもこれだけ入手困難で購入の仕方も高速バスに比べれば特殊ですから、一般の人は高速バスを選びますよね?一般人からすれば「ムーンライトながら」は高速バスほど手軽に乗れる列車ではないと思います。
となると乗車するのは鉄道ファンがほとんどということになります。鉄道ファンのためのだけに「ムーンライトながら」を残すのか疑問が残ります。
鉄道ファンがする「ながら返し」はJRからすれば迷惑と思っている?
もっと言えば、「※ながら返し」というJRとっては列車の運行目的と異なる使い方をされていますし、JR側としても運行はあまりしたくないのではないかと思います。
正直この使い方をされると運ぶ人数は半分になってしまい、青春18きっぷも1人分しか消化しないので、JR側からすれば売り上げが約半分になってしまします。また、本来乗りたい人(東京~大阪を移動する人)が乗れなくなりますし、廃止を検討しているのだとすれば、理由の一つには挙げられます。
もしかすると1月の運行がなくなった理由の一つかもしれません。(年末年始のホテル代は1万とかするので、ながら返しをしたい人は多かったのでは?)
※「ながら返し」とは「ムーンライトながら」をホテル代わりとして使う方法です。
※手段としては大垣行きに乗車して静岡駅まで行き(1時48分着)、反対側から来た東京行き(1時55分発)に乗り換えて翌朝まで過ごす方法です。
※指定席券が2枚(1040円)必要となりますが、ネットカフェやホテルを取るよりは割安で、特にお金のない大人や学生などが「ながら返し」をする方がいます。
深夜帯に走る「ムーンライトながら」 夜中に働く鉄道社員の方の働き方やコストに問題?
現在「ムーンライトながら」は東京~大垣間で深夜帯に運転しています。途中の浜松駅などでは深夜帯に駅を開けなくてはなりません。浜松駅を例に考えてみましょう。
本来であれば夜中の1時半くらいには駅の照明なども落とせると推測しますが、ムーンライトながらは大垣方面の電車は夜中の3時頃に出発するので、その分長く駅を開けなければいけませんし、人件費もかかります。
運賃と指定席券のみでこれだけのコストをかけるのはどうなのか?とJRもそこは思っていることだと思います。
ムーンライトながらは真冬に窓開けた状態でいびきかきながら寝て丹那トンネルの騒音を撒き散らすガイジいるから早急に窓が開かない車両で走らせなさい pic.twitter.com/5RN4CNKYjh
— たわし (@buoo_oo) November 28, 2019
「ムーンライトながら」に乗車した方なら分かると思いますが、客単価が下がるので民度が悪いです。JRの社員さんもこれには悩まされているのではないでしょうか?(労働環境としてもあまりよろしくないのでは?という話です。これは高速バスにも言えることですね)
余談ですが、知り合いの女性がムーンライトながらに乗った時に知らないおっさんに話しかけられて全然寝れなかったという話も聞いたことがあります。(それ以来乗らなくなったそうです)
使用車両はどうなる?E257系使用する?
では、使用車両について考えてみましょう。もしかすると鉄道ファンの中で185系からE257系(2000・2500番台)で置き換えるなら、E257系で運転すればいいのでは?と考える人がいるかと思いますが、その可能性は低いです。
今回のE257系(2000・2500番台)の改造にお金をかけたJR東日本
今回「踊り子」用に改造されたE257系(2000・2500番台)はJR東日本が車内のリニューアルにお金をかけています。座席コンセントや座席のシートのデザインの変更、荷物置き場の設置。これをムーンライトながらに使用するのは「過剰なサービス」になってしまうので使用する可能性は極めて低いと考えます。
今回の改造にかかるお金はあくまで特急料金と普通運賃で回収すると思われるので、儲からない「ムーンライトながら」には使用されないでしょう。
存続するとしても185系が現役の間で運行か
となるとムーンライトながらが存続するとすれば185系以外の車両は使用されないのではと考えられます。
仮に他の車両を使用するにしても保安装置を新しくつけたり、乗務員訓練をしたりコストをかけなくてはなりません。しかし、採算性の取れない列車に果たしてそれだけのコストは必要になるでしょうか?
となると「ムーンライトながら」の存続は無理があるのではないかと考えられます。先ほども述べましたが、廃止するデメリットよりもメリットの方がJR側からすると大きい気がします。
【結論】存続の可能性は低く、「ムーンライトながら」は廃止の可能性が高い
鉄道ファンの方は残念だとは思いますが、「ムーンライトながら」は廃止の可能性が非常に高いです。では引退するならいつ引退するのか考えてみました。
廃止になるとすれば185系引退のタイミング
あくまで推測ですが、JRは廃止になる理由を考えているのではないでしょうか?185系が老朽化したといえば廃止にできますし、採算性の取れない列車に新車を入れるわけにもいかないと思います。
鉄道ファンの方ならおおよそ察しがついているかとは思いますが、車両が老朽化するたびに夜行列車が引退してきた過去があります。近年だとムーンライトえちご・ムーンライト信州などがありますね。蛇足になりますが、ブルートレインも結局老朽化が理由でしたし。
「ムーンライトながら」も、もしかすると「車両の老朽化」という理由で廃止になるのかもしれませんね。
「ムーンライトながら」廃止される時期は?
「ムーンライトながら」のような臨時列車であれば廃止にしますという発表はなく、突然と臨時列車から消えることで「事実上の廃止」となることが多いです。(ラストランで旅行商品の設定もないと思います)
踊り子の185系は2020年春から順次置き換えのため「今すぐに廃止します」、というわけではなさそうです。ただし、185系を完全に置き換えるタイミングあるいはある程度置き換えが完了したタイミングで、「廃止になる」可能性が高いです。
もし走ったとしても長くて5年、2~3年走ったらいい方ではないでしょうか?もちろん、来年で終わりという可能性もゼロではありません。
果たしてどうなるのでしょうか?E257系に関する話題も書いていますので是非関連記事もご覧ください。