武蔵小杉はどうして混雑がヤバいのか?検証してみた!

最近ネットで武蔵小杉周辺の混雑がヤバいと聞きますし、実際に住んでいる人はマンションを買うんじゃなかったと言う声も聞かれていて、話題になっていますね。

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Twitterより

そこで今回は特に混雑がヤバいJRの武蔵小杉はどうして混雑がヤバいのか検証していこうと思います。(東急は考えないものとします。)

武蔵小杉はどうして混雑がヤバいのか?

どうして混雑がヤバいのか。混雑がヤバいのは画像を見ていただければわかると思いますが、きちんと根拠を明確にして解説していこうと思います。

インフラが人口増加に追い付いていない

インフラとは鉄道やバスなどの公共交通機関、あるいは道路のことをいいます。

人が移動するための設備のことだと考えると分かりやすいと思います。

通常、都市計画をする際はどれくらいの利用者が見込めるのか、それに対応する輸送力をどうやって確保するか考えますが、あまり考えずタワーマンションを乱立させてしまった結果、インフラが追い付かず混雑の原因になってしまいました。

主たる原因はタワーマンションですが、鉄道にも焦点をあてて考えていこうと思います。

武蔵小杉駅の輸送力は大体これくらい

武蔵小杉駅の大体の輸送力を調べるためにもっとも電車の運行本数の多い8時台の列車に焦点をあてます。

本来は混雑していて乗車率が100%を超えることが多くありますが、ほかの駅から乗車している人がいる中で乗車していて、そのことも考慮して車両の定員で計算、乗車率が100%と仮定して計算します。

また、都心方面に平日運行されている電車の本数と定員については運行されている車両の設計上の定員数で計算をしていきたいと思います。(ただし、グリーン車の定員は考えないものとします。ただし、武蔵小杉駅から南武線の輸送力は川崎方面で考えます。)

実際には他の駅からの乗客がいますし、もっと混んでいるかもしれませんし、実情とは異なりますが、ある程度イメージはつくと思うので計算していきたいと思います。

※正確な数字ではありませんのであくまで参考にしていただけたらと思います。

武蔵小杉駅の輸送力はどれくらい?

JR南武線

運行本数は20本/時で定員は960人とします。

これらをJR南武線の輸送力として計算すると19200人となります。

JR横須賀線(混雑状況画像あり)
横須賀線の混雑状況

運行本数は8本/時で、これとは別に成田エクスプレスが走っていますがが普通は利用しないので考えないものとします。

また、運行本数の6本は15両編成、2本は11両編成で運転されています。

それぞれE217系で運転されますが、15両編成を定員2000人、11両編成を1400人として考えます。

これらをJR横須賀線の輸送力として計算すると12000人+2800人=14800人となります。

JR湘南新宿ライン

運行本数は5本/時ですべてがE231系15両編成で運転されると考えます。

15両編成の定員は2000人ですので、2000人×5本=10000人となります。

武蔵小杉駅の都心方面の輸送力は?

先ほど求めた武蔵小杉駅の輸送力を求めると44000人となります。

武蔵小杉駅の問題点

実際混雑が起きている以上、輸送力が足りないということになります。

南武線が混雑でヤバいということになっていますが、両数はともかく本数の確保に関してはかなり頑張っているのかなあと思います。

それ以上に問題なのが1時間当たりの各路線の輸送力が少ないということになります。

しかし、武蔵小杉駅の場合、湘南新宿ラインの場合のみ並行で東急線が走っていますが、南武線と横須賀線には並行して路線が走っていません

特に湘南新宿ラインの5本/時しか運転されていないのは特に問題があるかなと思います。

武蔵小杉駅が路線の分岐点というところが混雑の原因

画像を見ていただくとわかると思いますが、横浜方面から横須賀線として同じ線路を走ってきて、武蔵小杉駅で湘南新宿ラインの電車は渋谷方面、横須賀線は品川方面に分岐することになります。

輸送力の項で説明しましたが都心方面では運行本数は5本/時、8本/時とそれぞれ運行されていて、見かけ上確かに少ないということになりますが、武蔵小杉駅より横浜よりの駅では13本/時確保されていることになります。

すでに15両編成化対応の路線ですから例えば湘南新宿ラインの輸送力を2倍にしようと思ったら、武蔵小杉駅から最低でも横須賀線の車庫がある大船駅まで複々線に増強しなくてはなりません。

しかし、横須賀線の輸送力は不足していないので、複々線にしてしまうと武蔵小杉駅から横浜寄りで輸送力過剰になってしまいます。

ということは全体的に対費用効果薄いのでJR側として輸送力は増強したくないということになります。

川崎市も武蔵小杉駅から大船駅まで輸送力増強のためのお金を税金から支出するとも考えられません。

よって横須賀線・湘南新宿ラインは今後も混雑が改善される見込みはないと考えていいと思います。

南武線の輸送力増強も難しい

南武線は現在6両編成で運転をしています。

南武線に関してはとりあえず10両編成化でなんとか今のような混雑は解消できそうです

しかし、10両編成化を実際に出来るかは別問題です。

南武線の多くの駅は踏み切りと踏み切りの間に挟まれていることが多く、どちらかを撤去するか、もしくはすべて撤去するかになります。例えば、津田山駅を見てみましょう。青で囲んだところが踏切赤で囲んだところが駅です。両端を踏切で塞がれていることが分かります。

6両編成から10両編成に延伸のためには踏切撤去・用地買収も必要です。

他の路線で10両・15両編成化するためにホームを延伸できたのは、ほとんどJRの敷地内の中で行え、用地買収が必要なかったことと、大規模な工事がほとんどなかったからです。

南武線の輸送力増強は早くても2020年代前半

あくまでも予想ですが、南武線の輸送力増強は早くても2020年代前半になりそうです。

その理由として川崎市では武蔵小杉から尻手駅まで連続立体交差事業が早ければ2019年度から着工するからです。

この連続立体交差事業で川崎駅から武蔵小杉駅の隣の車庫がある武蔵中原駅まで10両編成化(必要に応じて15両編成化)すれば武蔵小杉駅から川崎方面の混雑は少しは解消することが出来るのではないかと思います。

今すぐ出来る話ではないので少なくともあと5年は辛抱しなくてはなりませんね…

武蔵小杉駅の混雑の原因をまとめ

今までいろいろ書きましたが、混雑の原因として

・川崎市が都市計画をきちんとせず、それに伴ったインフラの整備を行わなかったこと(無計画にタワーマンションを建てすぎてしまったこと)

・南武線が現状では6両編成で運転されていて、本数だけは確保されているのでこれ以上輸送力を増やせない(しかもホームは踏切があるので延伸できない。)

・横須賀線・湘南新宿ラインの輸送力も増やせず、武蔵小杉駅が分岐点になっているために混雑になっている(さらに相鉄線からも通勤客が増えた)

武蔵小杉駅の混雑の解消法は?

・川崎市が主体で早ければ2019年に着工し、2020年前半に完成するであろう南武線尻手~武蔵小杉(武蔵中原)までの連続立体交差事業と同時に10両編成化(実現性は高い)

・湘南新宿ライン武蔵小杉~大崎の輸送力増強のために武蔵小杉から大船駅までの複々線化(ほぼ不可能だがそれしか解決策がない。あるいは新線建設?)

・横須賀線ホームの下りホーム増設。2023年度の供用開始(ただし、線路は増えない)

武蔵小杉にはあまり住みたくはない理由・東急とJRの乗り換えする通勤ルートやめた方がいい

個人的には通勤時にまず電車に乗るのに一苦労ですし、鉄道で通勤や通学をするなら住みたくはないですね。

東急からJRへ乗り換えも綱島街道が信号が長いと聞きますし、長いと乗り換えに15分以上かかることもあるそうです。JR武蔵小杉駅に着いても混雑のため、入場規制で中に入れないという時もあります。武蔵小杉に住んでいなかったとしても、東急とJRの乗り換えが必要となるような通勤ルートは避けた方が無難でしょう。

ただし、通勤時間帯を外して仕事をする人や夜間部に行く学生の人は特に困ることはないので住んでもいいかもしれませんね。

武蔵小杉は水害に弱いので注意 過去に「うん小杉マンション」と話題になったことも

武蔵小杉の近くに多摩川があり、水害に見舞われた時がありました。この時タワーマンションの電源設備が停電し、トイレが使用禁止となったことがあり、この時に「うん小杉マンション」と名付けられてしまったマンションもあります。

悪い噂が立ってしまうと、売却も買った値段から大幅に値引いて売らなければならないですし、住民が退居すれば、残った人に維持費の負担が重くのしかかることになります。

なので、武蔵小杉は水害に弱いのでお勧めしませんし、タワーマンションは緊急時にちゃんと機能するマンションを選んで購入する必要があります。(でも、正直なところ一般の人がタワマンを買う時に非常用設備が災害時に大丈夫かなんて気にしませんよね。)

さらに災害対策がされている物件を買ったとしても、通勤ラッシュに揉まれることになるので、お勧めしません。

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