7月19日、ネット上に運転士が編成札で速度計を隠して運転している様子が投稿され話題になりました。なぜそのようなことになったのか解説します。
速度計を見ないで運転する試験がある
圧力計の横にあるはずの速度計がオレンジ色の編成札で隠されています。電車は営業運転中で乗客を乗せていますが何が目的なのでしょうか。
パッと見て不安に感じる人も居るかもしれません。実はこの行為の正体は技能試験の一環なのです。「速度観測」といわれ、速度計を隠し電車を走行させてある地点で何km/hで走っているか質問される試験です。よく見るとTIMSモニターも初期画面になっているのでカンニングはできませんね。この試験は武蔵野線に限ったことではありません。
運転士になるには避けては通れない試験で、苦手だった運転士も少なくないでしょう。あえて試運転ではなく営業列車で行うのは乗客の重さによって制動が違ってくるためです。心配せずとも隣にベテラン運転士が見守っているので大丈夫です。写真をよく見ると運転士の横に人影があります。
運転士になるにはこうした体感など経験に基づくものが必要だということがわかります。自動運転が進んだらこのような試験も簡略化されてしまうのでしょうか。