2018年3月31日をもって広島県三次駅から島根県江津駅までを結ぶ三江線が廃止になりました。

廃止見物の方が2017年の秋ごろから来るようになり、時には満員電車という日がつづいていました。

 

 

石見川本駅に停車中の列車

三江線は実は開業当初からお客があまり乗っていなかった

三江線はまだ国鉄だった開業当初からすでに利用客が少なく、国鉄民営化の際に廃止すべき路線(通称赤字83線)に指定されましたが、周辺道路が未整備という理由で見送られここまで存続してきました。

 

しかしながら、本数の少なさや利便性の悪さから周辺の住民はマイカーを使い、通学はスクールバスの利用が支持され、1992年から2012年と比較して20年間で乗客は1/6まで減少していました。

 

三江線は存在意義が問われていた路線

三江線は運転本数が少ないため非常に利便性が低く、三次駅の始発電車が5時台にあるがこの次は10時台。

きっと自分の最寄路線がこんな本数だったら車を買ってほとんど鉄道は使わないでしょう。

 

また移動速度としても非常に遅く路線を全線制覇するのに約5時間もかかるうえ、落石などの安全対策のため40km/hまで徐行する区間が多くあります。

ちなみに車で移動すると2時間あれば全線走破できてしまいます。

三江線がいかに利便性が低いかお分かりいただけると思います。

 

 

三江線を運転させるには命がけだった

三江線は走行する沿線の多くが山奥で、落石など危険箇所が多く存在する路線です。

また、落石だけでなく大雨・大雪による土砂災害の被害にあうことが多く三江線を廃止に決めた理由もこれらの災害を考慮してのことでした

 

それに加え、鉄道というのは道路と比べて設備が多く復旧費用も多くかかります。

三江線のようなほとんどお客さんの乗らない路線の場合、鉄道を復旧させるよりも道路を復旧させて、道路に安全対策を施した方がお金がかからない場合があります。

こういった場合には鉄道を維持するよりもバスに転換した方が本数も増やしやすいし、維持費もかからず、周辺住民の利便性を確保できます。

 

 

あの特徴的な高架駅も宇都井駅も三江線と一緒にさようなら

地上20mにあるホーム。塔のような建物は階段棟(2008年7月27日)

田んぼの中にそびえたつ三江線宇津井駅。

実は途中で高架化したわけではなく、開業当初からこの形をしていました。

 このような高架駅になった理由は、山間を縫って走る線路を高架にするしかなく、地上に線路を敷設して地上駅を設置することができなかったためだからです。

 

また、周辺の集落に人はまばらで当然無人駅でした。

あまりにも利用客が少なく1日の平均乗降客も0人という年もありました。

 

バリアフリーもなく、116段の階段で登らなくてはいけないほか、地上からホームの高さは約20mの高さにあり、足の悪い高齢者は利用が難しい駅でした。

 

鉄道ファンにとっては有名な駅でしたが、地域住民からはあまり必要とされてなかった駅だったようです。

 

そんな宇都井駅も今日の三江線廃止とともにさようなら・・・

 

乗ったことがある方は三江線の思い出を振り返ってみてはいかがでしょうか。

 

三江線最終運転の様子はこちら

 

www.japan-railway.com

 

 

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