今回は「JR東海はホワイト企業か」という話についてまとめてみました。
JR東海の運行スケジュールが公開となり、「行路(スケジュール)が緩すぎる」と話題となっています。
今回はJR東海の在来線・新幹線運転士の行路についてまとめてみました。
JR東海の運転士スケジュールが公開 本当にホワイト企業?
今回明らかになったのはJR東海の在来線運転士・新幹線運転士のスケジュール(行路)です。
JR東海だけではなく、鉄道会社では運行行路表というものがあり、終点まで運転したらまた折り返すということをやっています。
運転士さんのスケジュールは通常公開されないものですが、今回新型コロナウイルス感染により運転士さんのスケジュールを公開せざるを得なかったため、公開されています。(鉄道という通勤・通学などを支えているので、新型コロナウイルス感染しても仕方ないという面はありますよね。)
東海道本線運転士1日のスケジュール
こちらが東海道本線静岡地区の運転士のスケジュールの一部です。乗務は12時25分に浜松駅から始まり、夜の21時57分に島田駅に到着するスケジュールとなっています。始まりと終わりを見ると結構勤務時間が長いなと思う人もいるかもしれませんが、勤務形態が「ホワイト」だという理由は各行路の勤務時間を見てください、
運転時間35分の後に約1時間半の休憩
12時25分から始まった運転士のスケジュールは豊橋駅12時59分着で終了します。もしかするとたった約35分の経路なので、楽だと思うかもしれません。しかし、この豊橋~浜松間の普通列車は115km/h程度で運転されており、東海道線の中でもスピードを出して走らなくてはならない区間です。原則として運転系統が豊橋~浜松間で区切られている珍しい区間でもあります。
しかも、12時59分に豊橋駅に到着、すぐ折り返すのと思いきや、14時24分の出発まで休憩です。また、約35分運転した後、16時10分まで休憩です。また、そこから静岡まで17時21分まで運転。19時00分まで休憩します。
このように休憩時間が多いのが特徴です。翌日も1時間50分の休憩時間が設けられた後、10時32分に乗務が終了します。
十分な休憩時間 辛そうな行路でも
こちらの行路を見るときついと感じられるかもしれません。しかし、通常の行路といってもいいでしょう。あまりにも先ほどお見せした行路が余裕があっただけです。確かに拘束時間は長いですが、運転時間だけ見ると約6時間の行程です。労働時間としては適切でではないでしょうか。これとは他に4時間以上の休憩がとられています。
東海道新幹線もホワイト勤務 東京~新横浜だけの行路も
東海道新幹線で東京~新横浜のみの運用が実施されています。例えばこの行路は車掌業務ですが、9時51分~10時09分-10時27分~10時45分-11時03分~11時20分-1146~1203-1400~1417-1528・・・21時36分着。
もちろん、その一方で新横浜~名古屋の行路もあるわけで、すべての車掌がこのような行路ではありませんが、まさか東京~新横浜までの乗務で終了する運用が存在するとは思わなかったという人もいるかもしれませんね。
給料面でもホワイト企業といえる待遇
JR東海では給料面でもホワイト企業といえるでしょう。
詳細な給与明細についての記述は避けますが、例年忙しくなる年末年始などでは人によってはボーナスが多く出ることがあり、他の鉄道会社勤務の方から羨望の対象となることも多いです。給料面が5年間で他社比2倍を超えている人もいるということから給与面でもホワイト、勤務体系としてもホワイトということを言ってもいいのではないでしょうか?
今後もJR東海はホワイト企業でいられるのか
給与面については新型コロナウイルス前の情報なので、現在どうなっているかは分かりませんが、ただ一つ言えることは東海道新幹線の利用状況が大きく落ち込んでいることです。一時期2020年GW期間では前年比5%の利用に落ち込んでいます。
これまでJR東海は東海道新幹線が収益軸で、そこの利益を使って在来線や地方ローカル線を維持してきました。東京~大阪の移動は無くなることはありませんが、テレワークが新型コロナウイルス収束後、出張は今後減少するでしょうし、正月などに帰省の旅行も減少するかもしれません。
ただ、収益軸が当然企業としては赤字を出し続ければ存続できませんし、長期的にみれば人員削減などの施策が実施されるかもしれません。
そういったことを考えると、今後JR東海がホワイト企業でいられるのかというのは疑問点が残りますね。