JR東日本中央線「特急あずさ」が「成田エクスプレス」を遅延させる事態が発生しました。
今回のケースではそれぞれ行き先が「千葉行き」「高尾行き」となっていて一見無関係に思えますが、一体なぜ遅延したのでしょうか?
【逆方向なのに】特急あずさ千葉行きが成田エクスプレス高尾行きを遅延させた理由
- 8月12日の特急あずさ50号千葉行きが中央線内大雨の影響で遅延しており、約80分遅れて運転。
- その遅れが特急成田エクスプレス50号高尾行きに影響を与え、新宿駅6番線で30分間運転を見合わせ。
- 【状況1】特急成田エクスプレス高尾行きの周辺の列車に遅延はほとんどなし。
- 【状況2】後続の「特急はちおうじ」「中央線快速電車」が先に発車
- 【状況3】新宿~高尾間に限っては快速電車の方が特急より早く高尾に着いた
問題は無関係に見える「特急あずさ50号」が「特急成田エクスプレス50号」をなぜ遅延させたか?
当時の状況をまとめました。その時の状況はお分かりいただけましたでしょうか?
通常であれば逆方向の列車の接続を待つことはあり得ないことなので、今回の事態は乗客の便宜を図ったものではなく、あくまでJR東日本側の都合が原因だったと思われます。
また、特急成田エクスプレス50号より先に後続の列車を発車させたことから、他の列車は遅延しておらず成田エクスプレス50号だけで起こっていた「ある問題」が原因でした。
【乗務員の行路が問題?】実際に成田エクスプレス50号に乗車していた人に遅延した理由を聞いてみた
今回特急成田エクスプレス50号に乗車していた方からお話を聞くことができました。
その方の話を聞いてみると理由が見えてきました。
その方によると新宿駅までは定時で運行しており、新宿駅で約30分間運転を見合わせました。
その時の車内放送で「ただいま、中央線の大雨の影響で列車が遅れて運転をしております。乗務員の確認を行っていますので発車までしばらくお待ちください。」という放送が最初に流れたということです。
後に、「ただいま、担当乗務員が新宿駅に向かっております。発車までしばらくお待ちください。」という放送が流れたそうです。
今回の遅延の理由は「乗務員の行路」が問題だったということが分かりました。つまり、「あずさ50号」の担当乗務員は次に「成田エクスプレス50号」の乗務をしなくてはならないという行路表になっていたことになります。
下記に表を作成してみました。
駅 | 特急あずさ50号(千葉行き) | 特急成田エクスプレス50号(高尾行き) |
八王子 | 19時33分発 | |
立川 | 19時42分発 | |
新宿(中央線7番線) | 20時08分着(※21時29分) | |
新宿(埼京線6番線) | ↳ | 21時16分着/21時21分発(※21時48分発) |
吉祥寺 | 21時36分発 | |
三鷹 | 21時39分発 | |
国分寺 | 21時45分発 | |
立川 | 21時51分発 | |
八王子 | 22時00分発 |
※JR東日本アプリの位置情報に基づく推定時刻を記載。
新宿駅で余裕時分が1時間以上あるので、通常通り運転していれば問題はなかったでしょう。
特急成田エクスプレス50号は特急列車としては停車駅が多く、途中吉祥寺・三鷹・国分寺にも停車します。これだけ遅れてしまうと快速電車を抜かすことができずに高尾には、快速電車が先に到着してしまうという状況になっていました。
特急よりも快速電車の方が先に高尾についていたので、新宿駅到着前・停車中に「この列車は新宿駅で約30分ほど運転を見合わせます」という放送があった方が良かったという乗客も、もしかするといたかもしれません。
今回は無関係に見える逆方向に出発する特急列車が遅れた事例を紹介しました。感想等あればコメント欄でコメントをお願いします。
一般乗客の立場からすればお粗末な話ですね。
上野東京ラインは輸送障害が発生すると上野駅で宇都宮・高崎線側と東京駅で東海道線側で分離運転することが多いですが、このケースと同様に担当運転士が不在で他の発車準備は整っているのに発車出来ないことが多々あります。特に上野駅で多いですが大抵の場合、通常の交代駅である東京駅の詰所から直ぐに上野へ移動していないことが原因と考えられます。
折角分離運転を実施してダイヤ回復を目指そうとしても、この様な不手際が続く限りは利用客からの信頼回復は難しいでしょう。