夜行特急列車の運転など、終夜運転で面白い列車を多数運転してきた近鉄ですが、2021年は新型コロナウイルスの影響で終夜運転が中止となりました。

今回2021年の終夜運転中止の理由と当初計画されていた「初詣隠しダイヤ」について、その内容をまとめました。

近鉄は2021年の終夜運転をなぜ中止にしたのか?

近鉄は2021年の終夜運転を実施を中止すると発表していましたが、一体なぜ中止になったのでしょうか?

理由は2つあります。1つは皆さんが知っている通り、新型コロナウイルスの感染拡大です。これによって特に大阪市内の医療機関がひっ迫している状況で、これに伴い当初終夜運転を行うとしていた「大阪メトロ」なども一斉に終夜運転の中止を発表しました。近鉄もこの状況では終夜運転の実施は行わなかったと思われます。

今回の話は近鉄が終夜運転中止を発表した12月4日以降、もしも新型コロナウイルス感染拡大が収束していた場合に、どうしていたかという話です。感染拡大をしている中で近鉄が終夜運転を実施するということではなく、これから急遽予定を変更して終夜運転を行うこともないので、そこは誤解をなさらないようお願いします。

近鉄の終夜運転2021年が中止になった2つの理由

もう1つの理由としては、近鉄沿線の初詣が無くなってしまったことです。近鉄で運転されている終夜運転の列車には例年大きく分けて2つの種類の列車が運転されています。それは「近鉄沿線からJR・京阪などに接続する終夜運転」と「近鉄沿線にある初詣のための終夜運転」があります。

「近鉄沿線からJR・京阪などに接続する終夜運転」とは早朝に走る「近鉄京都線京都行の普通列車」や「大阪メトロに直通運転をするけいはんな線」がこれに該当します。

終夜運転時に運転される近鉄京都線の京都行普通列車などは、JR線などの接続を考慮されて運転されています。大阪メトロに直通するけいはんな線は、大阪メトロの各駅で乗り換えをして初詣の目的地に向かうことができる列車です。

これらの列車は感染拡大が収束しても2021年の終夜運転に組み込まれる可能性は低かった列車となります。昼間に走らせている列車ですら、赤字と思われるので運転しないという判断が適当だと思われます。

一方で、「近鉄沿線にある初詣のための終夜運転」というものがあります。近鉄沿線にある代表的な初詣先として伊勢神宮があります。毎年鉄道ファンからは「夜行特急列車」と呼ばれているものがありますが、これは伊勢神宮へ参拝する人向けの列車で、大阪・名古屋・京都方面から参拝客向けの臨時特急を運行していました。そのほかにも生駒山などのケーブル線などが例年運転されていました。

今回「初詣隠しダイヤ」はあくまで「近鉄沿線にある初詣のための終夜運転」で運転が予定されていたものになります。「初詣隠しダイヤ」の実施・中止の判断は何を基準に決めていたのでしょうか?

感染拡大が収束で「初詣隠しダイヤ」が運転予定だった 時刻表は事前に準備 終夜運転中止の判断材料とは?

「初詣隠しダイヤ」というのは終夜運転を中止と発表している状況で、ある一定条件で実施される予定だった「初詣ダイヤ」です。例年は夜行特急列車を運転するということでしたので、新型コロナウイルスの社会生活の変化を踏まえると、例年より本数を減らしていたものと思われます。

終夜運転が実施される「ある一定条件」とは一体なんでしょうか?

1つ目は新型コロナウイルス感染拡大が収束するということです。終夜運転を実施するなら、利用客の理解を得られなくてはならないというのが一番の前提条件です。

2つ目は伊勢神宮を開けるかどうかということです。2020年12月22日に伊勢神宮を開けるという発表がありましたが、それまで発表されていませんでした。

ある一定条件は2つとも満たす必要があり、今の状況だと「伊勢神宮は開けるけども、新型コロナウイルス感染は収束していない」ということになるので、実施しないというのが結論です。今回の記事を公開している時点で、12月24日なので実施する予定はないと思われます。

鉄道ファンや伊勢神宮へ近鉄特急で初詣をしようとしていた人にとっては残念ですが、いざという時は「初詣隠しダイヤ」を用意していたことを思い出しながら、来年は近鉄の夜行特急列車に乗れるといいですね。

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