春から新生活で東京の職場に通勤をする方もいらっしゃると思います。
そこで今回は新幹線で通勤した場合、本当に賢い選択かどうかまとめてみました。
どうやら、使おうと思う場合と使わなくてもいいかなという場合とあるようです。
またその場合のメリットとデメリットについて考えていきたいと思います。
新幹線通勤のメリット・デメリット
新幹線通勤のメリット・デメリットについてまとめました。
税制上のメリットなどについても記載しています。
会社がどこまで交通費を補助してくれるかどうかまず確認しよう
新幹線通勤を始めるにあたり、下準備としてあなたの勤めている会社(務める予定の会社)についてどこまで交通費を負担してくれるのかきちんと確認しておきましょう。
基本的に普通電車の定期券の料金については会社から支給になりますが、新幹線定期については現在のところ支給してくれない企業が多く、差額を自己負担するパターンが多いといいます。
また、別に会社の交通費支給に上限を設けている会社もあるので注意した方がいいかと思います。
一部Yahooなどの大手企業では新幹線定期まで支給してくれる場合がありますが、なかなか厳しいのが現状です。
自己負担の場合は新幹線と普通電車との差額を所得税などの諸税がひかれた可処分所得から支払う必要があり、普通の交通費支給と違い課税されてしまうところが痛いところではあります。
このことを頭に入れたうえで新幹線通勤について考えてみましょう。
新幹線定期券を安くする方法
まず、新幹線定期を安くするには市町村で出している補助金を考えてみましょう。
小山市や熊谷市などから最大で2万円まで補助してくれる制度もあるみたいです。
ただし、補助を受けるために一定期間定住を決めていることが条件になっていますので注意が必要です。
新幹線通勤でのメリットってどんなことがあるだろう?
そもそも新幹線通勤のメリットって何かということを考えてみましょう。
よく世間では
「座ってテーブルにパソコンをおいて作業ができます」
「通勤時間の短縮になります」
などと言われています。
きっとあなたもそう考えたはずです。
しかし、乗れるのは自由席のみで指定席には乗車することができないので、必ずしも座って通勤できるというわけではなさそうです。(グリーン車には乗ろうと思えばできますが普通の人はあまりしないと思います。)
住宅手当で受け取るより交通費で受け取った方がメリットがある
また、税制面では住宅手当として受け取ると給与と同じく課税されますが交通費は上限10万円まで課税されません。
これらのことは新幹線通勤をする上で間違いなく考えられるメリットでしょう。
しかし、自分に当てはまるかどうかは別問題です。
自分が新幹線通勤のメリットを得られるかについては、よく考える必要があります。
例を挙げて解説していこうと思います。
本当に新幹線通勤はメリットを受けられるか
本当にメリットがあるのか、考えてみました。
メリットがある場合(新幹線の利用価値がある場合)
まず次のような条件を仮定して考え、メリットが大きく受けられる場合を考えてみます。
※自宅からの最寄駅と職場からの最寄駅が新幹線駅というわけではないことが多いのであえて数駅ずらして考えています。
区間:氏家⇔新橋
新幹線を使う区間:宇都宮⇔東京
在来線を使う区間:氏家⇔宇都宮と東京⇔新橋
乗換の回数:2回
停車する新幹線の本数:1時間に3~4本程度
東京駅からの距離:約110km
(上越新幹線の高崎駅も似たような感じですので参考にしてみてください。)
この場合、それぞれ所要時間は新幹線を使うと1時間30分、在来線を使うと2時間30分となります。
また、在来線の6か月定期と新幹線の3か月定期を月割計算をした時の差額を計算すると(新幹線定期には6か月の設定がないので最も長い3か月で計算しています。)
新幹線の定期券一番期間の長い定期券を月割にすると 10万5407円 (端数は切り上げ)
在来線の定期券で一番機関の長い定期券を月割にすると 5万1840円(端数なし)
すると、105407円-51840円=53567円の差額になり、普通列車の定期券代を全額負担してくれる場合にはこの分を自己負担することになります。
時間は新幹線を使う場合と在来線を使う場合で1時間違うので利用価値はありますが、1か月あたり53567円の自己負担となるので、判断に迷うところです。
時間をとって約54000円自己負担をするか、それとも普通列車で通勤するか、はたまた東京への移住をするかという選択になってきますね。
この場合であれば、持ち家や実家暮らしであれば新幹線通勤を選ぶ、今住んでいる物件が賃貸であれば、都内の物件に住んだ方が得策でしょう。
新幹線の定期券代を非課税分またはすべて支給してくれる企業であれば利用価値は大いにあると思います。
メリットがあまりない場合(新幹線価値があまりない場合)
次は反対にメリットを受けられない場合について考えてみましょう。
それは100km超えないような新幹線駅から乗車する場合です。
東北新幹線では小山駅から、上越新幹線では熊谷駅や本庄早稲田駅が当てはまります。
小山~東京と熊谷~東京は新幹線定期を使うメリットはあまりない
先ほどの東北新幹線の宇都宮駅と上越新幹線の高崎駅では大体110km程度東京駅から離れているので時間が短縮され、新幹線定期を使うメリットがあります。
しかしながら、東北新幹線の小山駅、上越新幹線の熊谷駅から新幹線定期を使うメリットはあまりありません。
では具体例を挙げて説明しましょう。
区間:小金井⇔新橋
新幹線を使う区間:小山⇔東京
在来線を使う区間:小金井⇔小山と東京⇔新橋
乗換の回数:2回
停車する新幹線の本数:1時間に1本程度(朝と一部時間帯を除く)
東京駅までの距離:約90km
先ほどの宇都宮駅と大きく異なるのが停車する新幹線の本数が1時間に1本程度ということです。
これが新幹線を使うメリットがあまりなくなる理由の一つです。
所要時間を比較してみると新幹線を使った場合1時間10分、在来線を使った場合で1時間35分です。
時間差は約25分程度の短縮にしかなりません。
また、新幹線の運行が少ない日中だと新幹線を待っているより、在来線で帰ってしまった方が早いケースも存在します。
短縮される時間が少ないことに加え、新幹線の停車本数が少ないことがさらに新幹線による利用価値を下げることになります。
具体例を挙げて説明します。
例えば出社時間が9時、退社時間が17時半と仮定します。
この場合、新橋駅から会社まで徒歩で時間は5分かかると仮定します。
行きの出社の場合
新幹線であれば7時40分の電車に乗れば新橋に8時46分に到着し始業時間にぎりぎり間に合う時間になります。
在来線であれば7時3分の電車に乗らなければ新橋に8時44分につくことができません。
朝の時間帯であれば40分差があり利用価値はあると言っていいでしょう。
また、7時台のみ10分間隔で新幹線があるので1本乗り遅れても安心です。
帰りの退社の場合は
新幹線の場合は新橋を17時59分に出て、小金井には19時5分につきます。
一見、時間が短縮されているように見えますが、在来線の場合を見ると少し、違うように感じるかもしれません。
在来線の場合は新橋を17時38分に出て小金井には19時19分につきます。
これを見るとたった15分の短縮のために新幹線を使うかどうかに迷いが出てきます。
乗車時間だけ見れば確かに短縮されていますが、20分東京駅で時間をつぶして、15分早く着くことより、少し早めに出て、少し遅くついて冷暖房のきいた車内に座って読書をしていた方がいいという方もいると思います。
最悪のパターンだと、1、2分の差で出発されてしまった場合で新幹線の本数が1時間に1本しかない場合、新幹線乗るまで1時間待つ場合は一番時間の近い在来線に乗った方が早いですし、必ずしも早く着くわけではなさそうです。
金額面で比較してみても
新幹線の定期券の期間が一番長い3か月定期を月割にした金額が7万7374円。(端数は切り上げ)
在来線の定期券の期間が一番長い6か月定期を月割にした金額が3万5768円。
すると、新幹線定期券と在来線定期券の差額は4万1606円となります。
つまり、在来線の定期券のみの料金を出してくれる会社であれば4万1606円の自己負担となります。
これは30日のうち26日乗車したと仮定して1日に1601円(端数切り上げ)自己負担していることになります。
休みが多ければ1日あたりの自己負担も増えることになりますし、結構この自己負担分が痛いですよね。
今度はこの自己負担分を減らす方法を考えてみましょう。
少しですが自己負担分を減らすことができます。
その方法をお教えします。
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