大阪駅から北近畿の主要駅である福知山駅までを結ぶ列車に、丹波路快速があります。
現在、丹波路快速は早朝と夜間のみ運行されていますが、大阪駅と福知山駅の間を乗り換え無しで移動できるとても便利な列車です。
本記事では、北近畿への移動に便利な丹波路快速を紹介します。
丹波路快速とは?
丹波路快速は、2000年3月11日のダイヤ改正で登場した大阪駅と福知山駅を東海道本線(JR神戸線)・福知山線(JR宝塚線)経由で結ぶJR西日本の快速列車の名称です。
大阪駅を出発すると尼崎駅まではJR東海道本線、尼崎駅から福知山駅まではJR福知山線を走行します。
丹波路快速の使用車両
使用車両は網干総合車両所宮原支所所属の223系または225系の4,6,8両編成のいずれかが充当されます。
本系統に充当される223系・225系は、221系と同等の最高速度が120km/hに抑えられた6000番台となっており、運転台周りには、「この編成は221系性能」と書かれたステッカーが貼られています。
車内は車椅子対応の大型洋式トイレが設置されている他、座席は転換クロスシートとなっており、長距離の利用でも快適に移動することができます。
同区間は他にも207系と321系が区間快速、快速、普通列車で、287系、289系が特急こうのとり号で走行しています。
丹波路快速の停車駅
丹波路快速は大阪駅を発車すると、尼崎駅、伊丹駅、川西池田駅、中山寺駅、宝塚駅、西宮名塩駅、三田駅、三田駅から先は福知山駅までの各駅に停車します。
大阪駅と尼崎駅の間は東海道本線(JR神戸線)の新快速列車と同じ線路を走行します。乗り間違えにはご注意ください。
ダイヤ改正で減便された丹波路快速
2020年3月14日のダイヤ改正において、これまで日中に設定されていた篠山口駅止まりの丹波路快速が「区間快速」に変更されました。
区間快速は大阪駅を出発すると、尼崎駅、伊丹駅、川西池田駅から先の各駅に停車します。
区間快速には223系または225系が充当されます。
篠山口駅での系統分離
日中は篠山口駅で系統分離されており、篠山口駅から先の福知山方面へは乗換えが必要となります。
篠山口駅以北の運行本数は概ね1時間に1本程度です。
日中の篠山口駅から福知山駅の間では223系5500番台2両編成が充当され、ワンマン運転が実施されています。
2021年3月のダイヤ改正後は、大阪駅から福知山駅まで直通する丹波路快速は朝に1本、夕夜間に5本の計6本のみとなりました。
丹波路快速沿線の見所
丹波路快速が走行するJR福知山線は106.5kmあり、沿線には多くの見所があります。
今回はその中から4つを紹介します。
その1:尼崎駅出発後の大きな曲線
尼崎駅を出発すると、東海道本線と分岐して右方向へ大きくカーブします。地図で見ると、東海道本線と福知山線は直角に近い形をしており、この大きなカーブはまさに「丹波路」の入口です。
尼崎駅を出発して右方向へカーブし、東海道本線を跨ぐ鉄橋を下ります。
すると、今度は左方向へゆるやかにカーブし、塚口駅へと至ります。
この曲線は2005年4月25日に発生した福知山線脱線事故の現場となっており、現在では最高速度60km/hの速度制限が設けられています。
その2:プラットホームが橋の上とトンネル内にある武田尾駅
宝塚駅を発車すると、列車はトンネルが連続する区間に入ります。
途中の西宮名塩駅の次にある武田尾駅はプラットホームの半分が鉄橋上に、残り半分はトンネル内にある面白い構造をしています。
このような構造をしている駅は、日本中を探しても武田尾駅以外にありません。
武田尾駅には普通列車のみが停車します。
丹波路快速は高速で通過してしまいますので、車窓に注目してみましょう。
その3:新三田駅を過ぎると広がる大自然
新三田駅から先は再び山間部に入ります。
列車は武庫川に沿って北上し、車窓からは美しい清流と木々の景色など、自然を楽しむことができます。
三田駅から新三田駅の住宅地を抜け、一気にローカル線へと変わる雰囲気を楽しむこともできます。
篠山口からは単線区間に入りさらにローカル線感が出てくるので、その点も楽しみたいですね。
その4:4方向へ線路が伸びる福知山駅
福知山駅は福知山線と京都から来たJR山陰本線が合流する北近畿の鉄道の要です。
JR山陰本線の京都方面と鳥取方面、JR福知山線の大阪方面、そして京都丹後鉄道・宮福線の宮津・天橋立方面と、福知山駅は4方向に線路が伸びています。
1日を通して列車の発着が多く、北近畿の公共交通機関における重要な役割を果たしていることが感じられます。
タイミングが合えば、福知山駅の線路に結集する列車の写真を撮影することができます。
本数は少ないものの便利な丹波路快速
今回はJR福知山線を走る快速列車の1つである丹波路快速を紹介しました。
現在、丹波路快速の本数は以前と比較すると減少しています。しかし、大阪駅と福知山駅を乗り換え無しで移動できる便利な列車であることに変わりはありません。
早朝または夜間に大阪から北近畿方面へ移動する際に、利用してみては如何でしょうか。