東武鉄道の日光・鬼怒川温泉に行くなら、「SL大樹」にぜひ乗っておきたい!

SL大樹の予約方法、時刻表・転車台などのほか、「鉄道ファン目線」から見る「もっと楽しめる方法」を掲載しています。

ぜひ、家族連れの方にも楽しんでいただきたいと思っています。ブログ・旅行記としてご覧ください。実際に行ってみた体験を元に掲載しています。より深いSL大樹の楽しみ方をしていただければ幸いです。

SL大樹とは?どんな列車?「ふたら」という列車も

SL大樹とは2017年から運行開始となった土休日を中心に走っているSL列車です。元々JR各社で使わなくなった車両を一部リフォームして運転している列車になります。

青い14系客車は名古屋→四国→東武鉄道という経歴を持っている車両もいます。車両の番号を検索してみると歴史が分かって面白いですよ。

機関車はC11-207号機という少し小さめの蒸気機関車で、北海道で「SLニセコ」としても活躍した車両です。「カニの目」のように上に前照灯がついてるのが特徴の車両です。

運行区間は栃木県の下今市駅から鬼怒川温泉駅までの区間です。日光・鬼怒川温泉に宿泊する場合にも使いたい列車となっています。1日中SLに乗っていても楽しめるのがポイントですね。途中、東武ワールドスクウェア駅にも停車します。

これとは別に「SL大樹ふたら」という列車もありますが、こちらは東武日光に行く列車で「鬼怒川温泉方面には行きません」のでご注意ください。

鉄道で行く場合は下今市駅までは東京・新宿方面からだとJR・東武線の特急列車を利用して約2時間の距離にあります。

車で行く場合には高速道路だと東北自動車道の宇都宮インターから日光宇都宮道路を使って今市インターで下ります。

下道でもいいのですが、夏休みなどは渋滞が発生するところがあり、事故などが発生する可能性もありますのでご注意ください。鉄道・高速道路の利用をおすすめします。

SL大樹の車内は?古く歴史を感じる車両 東京では絶対に味わえない

SL大樹の車内はこんな感じです。JRより前は、国が鉄道会社をやっていた「国鉄時代」がありますが、その時に製造されたもので古く歴史を感じる車内となっています。

全国で見てもこの14系客車に乗れるのは比較的珍しいことです。これをたった1000円くらいで乗れるのは安いのではないでしょうか?

SL大樹の楽しみ方は「SLに乗るだけ」ではありません。沿線の方々や東武鉄道の方々の「おもてなし」もこの列車の楽しみ方の一つです。

車内アテンダントさんも接客がすごい!鉄道ファンにも嬉しい工夫

「車内アテンダント」さんはすごかったですね。そもそも、SL大樹には各列車3人くらいのアテンダントさんが乗っているというのもすごいですけど。

こちらはきっぷの確認のための検札の様子です。この光景自体も、実はすごいんです!

きっぷの後ろによく見ると紙が一枚挟んでありますね。これはきっぷの乗車記念スタンプを押す際に「裏写りしないように」ということで、あえて1枚挟んであります。よく見ると、裏には何個もの乗車記念スタンプが裏写りしていますね。

鉄道ファンなど「記念に持ち帰る方に喜んでもらえるように」ということで、車内アテンダントさん全員がやられているのはすごいと思います。徹底してやっているように感じました。

検札の際に乗車記念のスタンプのほか、「入鋏印」と呼ばれる「このきっぷは使用済みです」という意味のスタンプが押されます。

「入鋏印」は一般の方にはあまり馴染みがないと思いますが、自動改札機を通ると穴が開きますよね。そういうイメージをしていただくとわかりやすいかと思います。

【SL大樹】記念乗車証・車内アテンダント誌もすごい

もらえる記念乗車証、車内アテンダント誌もすごいんですよ。一般の方にはあまり気づいてもらえてないかもしれません。

右側の記念乗車証は「SL大樹〇号記念乗車証」という風になっていて、全部でSL大樹は1~8号まであるので、全部で8枚ですね。(この時はコロナの影響で全部で4枚となっていました。)

あとはアテンダント通信については一定期間で内容が変わっています。乗車した時には第18号となっていましたが、きっと今見ているあなたが乗った時には違う号数だと思います。

こういった手作り感のあるものがあると「また乗ってみたい、SL大樹を応援したい」という人もいるのではないでしょうか?

そのほか家族連れの方は+1200円くらいで写真撮影をしてくれますよ。ぜひ思い出にどうでしょうか?「お写真どうですか?」といい感じのお兄さん・お姉さんが話しかけてくれますよ。撮った写真は専用のフォトフレームに入れてくれます。(支払いは現金のみだったと思います。)

【おもてなしがすごい!】もっと楽しもう!東武鉄道の人、沿線の人が手を振ってくれる 

SL大樹に乗っていると必ず、沿線の方や東武鉄道の方から手を振ってもらえます。郵便局の車に乗っていた沿線の方も、踏切での待ち合わせ中に手を振っていただけたので、正直びっくりしました。

また、乗る列車によっては「撮り鉄」の方も手を振ってくれることもあります。

東京だと撮り鉄のマナーが悪いというのはある意味当たり前になってしまっていますが、この沿線の方たちは「マナーを守って撮影をしている」ということで、撮影のために私有地に立ち入ったり、木を切ったりということはまずありえません。(沿線ではない人達が来たときはトラブルを起こしているようですが・・・)

沿線の撮り鉄さんの方々は「ここには立ち入って撮影しないように」というのもあるそうで、お互いに「自制しながら、いい写真を撮る」ということを意識されているように感じました。

なぜ、沿線の方や東武鉄道の方は手を振ってくれるのでしょうか?そこには「地域性」というところもありますが、きちんとした理由がありました。

沿線の人や東武鉄道の人が手を振ってくれる理由

なぜ、東武鉄道や沿線の人たちが手を振ってくれるのでしょうか?それは東武鉄道の「ロコモーション」という取り組みにあります。

ロコモーションとは蒸気機関車のような力強い運動を指すそうですが、SL大樹の運転の際に「沿線の方もSLの復活運転に参加しませんか」という東武鉄道の呼びかけが行われました。

この呼びかけに対して沿線の方々が動いてくれているから、走行中の「SL大樹」に手を振ってくれているというわけですね。

東武鉄道によると「手を振ってくれる」というのがSL大樹の名物となっているということです。そこまで、SL大樹の重要に重要な要素になっているとは思いませんでした。

また、沿線には花を咲かせるなどの取り組みを行っているようで、沿線の「撮り鉄」の方は風景とSLを一緒に撮っている方も多かったように思います。「撮り鉄」の方も「取り組み」について理解しているからこそ、「写真撮影のための行き過ぎた行動」をしないという自制心が働いているのではないでしょうか?

この辺りを県外から来た撮り鉄さんにも理解してもらいたいですね。

【転車台イベント】鬼怒川温泉駅と下今市駅に設置

転車台のイベントは始発・終着駅の鬼怒川温泉・下今市駅で行われます。通常の電車だと方向転換するときに必要がありませんが、SLだと転車台が必要となります。

転車台は通常鉄道用地に置かれていることが多いため、通常のところだとこんなに近くに見れることは珍しいです。「乗客に見てもらおうという」東武鉄道の配慮からこのように楽しめるイベントとなっているのではないでしょうか?

転車台についてもう少し詳しく説明すると、既に鉄道施設としては必要ないものとなっているため、捨てられてしまうものになります。

余っている転車台がなかったため、鬼怒川温泉駅の転車台は広島県の三次(みよし)市から、下今市駅の転車台は山口県でも、日本海側の長門市駅から、それぞれ栃木県まで運んできています。

SL大樹を運転するためだけに「いくらかかっているのか」と心配するくらい、様々な施設・車両が運ばれてきています。

転車台イベントが終わったらカフェへ

SL大樹に乗りに行った時がちょうど夏だったので、外も暑いし折り返しのSL大樹まで時間があったので、カフェに寄ることにしました。「こだま」というカフェの名前も鉄道らしさを感じる名前ですね。

ジンジャエールが好きなので少し辛口のものを飲みましたが、おいしかったです。値段としてはスタバくらいの値段だと思っていただくといいですね。

そのほかには、ココアや「とちおとめいちごミルク」もあります。時間つぶしに寄ってみてはいかがでしょうか?

おまけですが、このカフェに入ると、鬼怒川温泉駅の模型もあります。転車台に人が集まる姿と、奥にDE10と14系客車が見えますね。(おそらく一番手前のホームは通常入らないのだと思いますが・・・)

ここもこのカフェの見所ですね。

ここまでが、SL大樹の乗車記になります。次は予約方法と座席指定の方法についてまとめました。

【SL大樹】予約方法・座席指定の方法

SL大樹は乗車券のほかに「SL大樹座席指定券」が必要です。値段は760円です。

予約の仕方としてはクレジットカードがあれば、東武鉄道の予約サイトから好きな座席を指定して、購入・予約するだけです。

クレジットカードがない方は予約サイトで「仮押さえ」をした状態で、購入期限までに駅の窓口・東武トップツアーズの営業所で、支払い・きっぷの受けとりを行う形になります。

券売機では販売していないのでご注意ください。

駅の窓口でも購入は可能ですので、どちらで予約をするかはご都合のいい方をお選びください。

次はSL記念館の話です。一般の方には分からない方もいると思うので、鉄道ファンの方やもっと続きを知りたい人は見ていってください。

SL大樹の面白い車両を紹介 SL記念館はいつ行くべき?

先にSL記念館にいつ行くべきかということについて考察しました。

SL記念館は下今市駅にあります。画像はSL記念館ではないのですが、下今市駅の廊下にはたくさんの写真が飾られているので、そちらも見ると面白いかと思います。

SL記念館の内容としては、SL大樹でけん引に使っているC11蒸気機関車の構造など「もっと知りたいこと」がある場合には見ておくべきかと思います。

前に行くか、後に行くかのポイントとしては「SL記念館に寄る時間に余裕があるか?」という点です。

例えば日帰りの人は下今市駅から往復で乗った場合、SL大樹は「特急」「急行」に接続するダイヤになっています。そのため、電車の時間を気にして帰ってしまう人もいました。

鬼怒川温泉に泊まって鬼怒川温泉駅からSL大樹に乗り、SL記念館に行くのがおすすめではないでしょうか。

面白い車両について紹介します。

【東海・四国から来た】14系客車 スハフ14-5

SL大樹で使われている面白い車両について紹介します。(簡単に説明します。)

「スハフ」とはどういう意味でしょうか?

「ス」は客車の重さを示しています。

「ハ」は「イロハ」から来ています。先頭から1・2・3等車という意味なので、この車両は3等車いう意味です。2等車がグリーン車、3等車が普通車です。1等車は上流階級の人が乗る車両でした。

14系客車とはどんな車両でしょうか?特急列車での使用を前提とした車両で、窓が開けられないのが特徴です。急行型として製造された12系客車と呼ばれる形式は窓が開けられる構造で、多くの車両でボックスシートとなっていました。

ユーロライナーとしても活躍したスハフ14-5

四国から持ってきたということですが、その前は「JR東海」で使用されていました。当時「ユーロライナー」と呼ばれていた「カートレイン」としても使用されていた車両で、12系の増結車として使用されていたものです。「ユーロライナー」は熱田~東小倉まで運転されていました。

※カートレインとは車を列車に乗せて輸送するという方法。乗客は寝台車に移り、車のガソリンを抜いて貨車に積載していました。当時JR各社で流行していて、JR東日本でも東京(恵比寿・浜松町)から「カートレイン北海道」として北海道まで輸送していた時期もありました。

その後譲渡されてからしばらくは「ユーロライナー」の塗装のままでしたが、JR四国にいた時に今の塗装に戻され、その後東武鉄道に譲渡された形になります。

一つの客車からこんな歴史があるということも知っていただけたらと思います。

【JR貨物・西日本】車掌車 ヨ8000

この車両は「車掌車」という車両でこちらも現在ではあまり使われない車両です。

これはこの時に乗ったものはJR貨物から持ってきたもので、JR貨物稲沢機関区から持ってきた車両になります。

これとは別にもう一両JR西日本から持ってきた車両が鳥取県の米子市から持ってきています。

「車掌車」がなぜついているかということですが、ATS装置という安全装置をC11に付けるスペースがないため、車掌車に「ATS装置」が積まれています。

鬼怒川温泉駅の転車台はその関係で、元々の長さでは足りなかったため、少し改造して長さを延ばしているということです。

ちなみに「ヨ」は「シャショウ」のヨという意味です。

【DL大樹】DE10ディーゼル機関車 宇都宮から来た

ほとんどの場合「SL大樹」として運転されますが、一部ディーゼル機関車だけの「DL大樹」が運転される日があります。

使用される機関車はDE10という機関車で、元々大宮工場などで車両を出し入れするための入換機関車としても活躍した機関車です。

DE10-1099号機は宇都宮運転所所属だった時期もあり、たまに移動のためにJR宇都宮線を爆走していることもありました。

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