11月22日、複数の東北新幹線が一斉に停電をする事態が起きました。一体何があったのでしょうか。
架線故障かと思いきや安全のためだった
東北新幹線が停電したとの投稿が相次ぎました。停電に伴い列車は緊急停車しトンネル内にあたってしまった便もありました。複数の車両で一斉に起きたことですが、架線トラブルと思いきや違った理由があります。
19時06分頃茨城県沖で最大震度5弱の地震が発生したからです。マグニチュードは5.8で震源の深さは40kmでした。これにより新幹線のある安全装置が作動しました。
どの会社でも似たような仕組みがありますが、JR東日本では「新幹線早期地震検知システム」を導入しています。地震計が初期微動を検知すると、被害が想定される範囲内を走るすべての新幹線を止めるため、 送電停止信号を出力します。
この送電停止信号により、変電所の電力が1秒以内にシャットダウンし、走行中の新幹線に自動的にブレーキがかかる仕組みになっています。電力喪失からブレーキがかかるまでは3秒という早さです。
実際に東日本大震災ではこの仕組みにより全ての東北新幹線が停車し大きな事故は起きていません。
今回の地震では特に破損箇所などはなく安全確認が取れたためすぐに運転再開されました。ちなみに停電したらトイレはどうなるの?と思う人が多いと思いますが、今回停車した列車の放送によると「小」のみ使用可能とのことです。
追記:2019年9月に静岡県で発生した地震ではJR東海の対策システムが動作しました。JR東海でどういう対策が行われているか、気になる方は関連記事をご覧ください。